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練馬子ども家庭支援センター

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練馬子ども家庭支援センター

所在地 東京都練馬区
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パンクする都児童相談所 区児相との連携で体制強化 児童相談所は今(下)
「1人の職員が受け持つケースが多すぎる」。
東京都練馬区の宮原恵子・練馬子ども家庭支援センター所長は月2回、北新宿にある都の児童相談所(児相)「児童相談センター」へ足を運ぶ。
同区は都と児童虐待防止に向け連携協定を結び、宮原所長は都児相の課長を兼務する。
区内の虐待情報を共有する会議でみえるのは、厳しい環境で働く都児相職員の姿だ。
児相は24時間365日稼働。全国共通ダイヤル「189」などを通じ、緊急性が高いケースから低いケースまで多くの相談が寄せられる。
例えば「近所の子どもが泣きやまず心配」との連絡が入れば、児童福祉司が該当しそうな住戸を1軒ずつ尋ね歩く場合もある。
保護者に逆上されることもあり、危険と隣り合わせのため2人以上のチームで動くのが基本だ。
虐待通告のうち、9割は虐待ではないと判断されたり、助言で終わったりする軽微なもの。
ただ、国は通告から48時間以内に子どもの安全確認を求めている。
「職員が初期対応に追われ、重篤なケースへの対応が十分にできない現実がある」(宮原所長)という。
都児相が対応する虐待相談は年々増えている。
児童福祉司も増やしているが、福祉司1人あたりの対応件数は17年度が56.0件と07年度の3倍に増えた。
児童虐待対策の研究機関、子どもの虹情報研修センターの小出太美夫・専門相談室長によると、米国や英国などでは担当件数が20~30になるよう職員を配置している。
児相勤務経験がある小出室長は「30を超えると密度の濃い支援ができなくなってしまう」と話す。
国は児童福祉司を人口4万人に対し1人配置するよう基準を設けているが、22年度までに3万人に1人に引き上げる。
1人あたり対応件数を約50件から約40件に減らすためだ。
ただ、都では現行基準でも人員が不足している上、現在の児童福祉司の約3割は50歳以上。
今後の大量退職も考えると、実現は容易ではない。
区児相ができれば都の負担が軽減され、密度の濃い対応ができるようになるとみえる。
だが、都はこれまで区児相開設には消極的だった。
区には虐待防止にも取り組む子育て支援拠点「子ども家庭支援センター」があり、「センターと都児相の連携強化で対応する方が効果的だ」と考えてきたためだ。
ただ、区児相の開設準備が具体的に進んできた。
そのため、区児相を都の児相行政の中に位置づけるとの方針に転換を迫られた。
都内全62区市町村に呼びかけ、4月以降に合同検討会を立ち上げる。
都児相とセンターの連携を強化して新たな相談体制をつくるほか、20年度に区児相を開設する世田谷、荒川、江戸川の先行3区と都児相との連携のあり方も意見交換する。
「オール東京で児童虐待対策に取り組む」。都幹部は新体制の狙いを話す。
区側も都との連携に対し「役割分担を考えたい」(成沢広修・文京区長)と前向きなところが多い。
区児相と都児相が連動して動くことで、児童福祉司などの人員体制強化につながる面もある。
都は児相やセンターなどとの連携が効率的にできるよう、テレビ会議システム導入を検討する。
また、センターが平日夜や土日の相談体制を整備する場合は支援する。
児相の役割は子どもの権利を守り、健やかに育つようにすることだ。
目的達成にはどうすべきか――。関係者全員の努力が求められる。
〔◆平成31(2019)年3月13日 日本経済新聞 電子版 〕

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