フリースペースつくしんぼ
フリースペースつくしんぼ
所在地 | 長崎県五島市 |
---|---|
TEL | 090・1191・3292 |
FAX |
不登校でも つながり絶たないで 「五島子どもサミット」初開催
不登校や引きこもりを経験した若者や親が、体験や思いを語り合ったパネル討論=五島市三尾野1丁目、福江総合福祉保健センター
「不登校って悪いこと?」。不登校や引きこもりに悩む子どもたちや親、市民らが共に考える「五島子どもサミット」が11月29日、五島市で初めて開催された。
「学校に居場所がない」「先生が家に来るのが『取り立て』みたいで嫌」-。
パネル討論で不登校経験者らは、当時は言えなかった思いを吐露。
今も苦しむ当事者に向けて、「学校に行かなくてもいい。人とのつながりを絶たないでほしい」などと呼び掛けた。
不登校の子や親らを支える同市の「フリースペースつくしんぼ」主催。
パネリストの不登校経験者は、怜さん(20)、ジュンさん(18)、タツヤさん(18)、シンジさん(18)=いずれも仮名=の4人と、つくしんぼ副代表の花浦紀章さん(32)。
会場には市民ら約80人が詰め掛けた。
■話したい時に
花浦さんは小中学校時代に受けたいじめをきっかけに、高校から9年間、自宅に引きこもった。
「学校自体や人と会うことすら嫌なのに、先生は家に来た。放っておいてくれと思った」と、当事者と学校の考え方の“ズレ”を指摘した。
小規模校から大規模校への転校を機に、学校になじめなくなったジュンさんも「先生が家のドアをノックして名前を呼ぶのが『取り立て』に来られた感じ」。
一方で時折、自ら「学校に行こうかな」と思える日もあったと明かし、学校には「話したい時に話せる」適度な距離感を求めた。
怜さんは小学校の教諭から暴行を受けて人間不信に陥り、中学は不登校、高校も中退した。
「自分は負けず嫌いで、殴られても泣きもせずサンドバッグになった」
「先生は心から話を聞こうとしなかったので、相談しなかった。でも思うことが顔に出る子もいる。そういう子に目を向けて、話を聞いてあげてほしい」。
現在、若者の就労支援などに取り組む五島若者サポートステーションを利用している。
■考えすぎない
タツヤさんとシンジさんは、不登校経験者らを受け入れる県立五島南高の3年生。
それぞれ持病があったり、教諭と気が合わなかったりして、中学に通わなくなった。それでも見守ってくれた親や友人が支えに。
タツヤさんは「不登校はマイナスに捉えられるけれど、考えすぎない方がいい」、シンジさんは「自分の好きなことを真剣にやって、いつかは周りの人に感謝できればいい」と、不登校当事者にメッセージを送った。
数年前から悩みを抱えた子どもたちの支援に取り組む花浦さんは「学生時代は家と学校だけの世界だけど世界はもっと広い。人とのつながりを絶たずにいてほしい」と語った。
この他、不登校の息子2人を育てた同市の辻千穂子さん(64)による講演もあった。
〔2020年12/4(金) 長崎新聞〕
不登校でも つながり絶たないで 「五島子どもサミット」初開催
不登校や引きこもりを経験した若者や親が、体験や思いを語り合ったパネル討論=五島市三尾野1丁目、福江総合福祉保健センター
「不登校って悪いこと?」。不登校や引きこもりに悩む子どもたちや親、市民らが共に考える「五島子どもサミット」が11月29日、五島市で初めて開催された。
「学校に居場所がない」「先生が家に来るのが『取り立て』みたいで嫌」-。
パネル討論で不登校経験者らは、当時は言えなかった思いを吐露。
今も苦しむ当事者に向けて、「学校に行かなくてもいい。人とのつながりを絶たないでほしい」などと呼び掛けた。
不登校の子や親らを支える同市の「フリースペースつくしんぼ」主催。
パネリストの不登校経験者は、怜さん(20)、ジュンさん(18)、タツヤさん(18)、シンジさん(18)=いずれも仮名=の4人と、つくしんぼ副代表の花浦紀章さん(32)。
会場には市民ら約80人が詰め掛けた。
〔2020/12/4 (JST)©株式会社長崎新聞社〕
「小さなSOS受け止めたい」五島にフリースペース 不登校、いじめ… 新たな「居場所」へ
五島市三尾野1丁目、福江総合福祉保健センター
小さなSOSを受け止めたい-。
五島市に今月、不登校や引きこもり、いじめなどに悩む子どもたちを受け入れる「フリースペースつくしんぼ」が開設された。
かつての当事者やその親、相談支援に詳しいメンバーらがボランティアで運営し、電話や面会で相談に応じる。
学校と自宅以外に過ごす場所が少ない離島で、新たな「居場所」づくりを目指す。
市内では現在、国と県の委託を受けたNPO法人が運営する「五島若者サポートステーション」(五島サポステ)が、仕事や通学ができない15~39歳の就労支援などに取り組んでいる。
一方、14歳以下については、市教委が学校外で不登校者を支える「教育支援教室」などがあるが、民間の支援活動がほとんどなかった。
そこで、五島サポステ副総括コーディネーターの草野久幸さん(65)が、サポステの元利用者や支援者らに呼び掛け、年齢制限を設けない支援組織の設立を提案。
草野さんの他に7人が「フリースペースつくしんぼ」の支援メンバーとして参加した。
いずれは引きこもりなどの子どもがいる親同士が悩みを共有する場もつくりたいという。
草野さんらは日中、福江総合福祉保健センター(三尾野1丁目)2階の五島サポステに常駐。
「サポステとして、年齢にこだわらず切れ目のない支援を行うため、誰もが自由に滞在し、相談しやすい場にしたい」として、小中学生の来所も歓迎する。
フリースペースの支援メンバーが集まる定例会は、同センターで毎月第3水曜日午後6時半から。
その場でさまざまな悩みも相談でき、次回は来年1月15日の予定。
草野さんは「家で1人でゲームをするよりも、まずはフリースペースで誰かと一緒に遊んでほしい。
子どもたちの選択肢を増やしたい」と話す。
問い合わせや相談は草野さん(電090・1191・3292)。
〔2019年12/30(月) 長崎新聞〕