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瀬戸少年院

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瀬戸少年院

所在地 愛知県瀬戸市
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見た目の違いに苦悩した日系ブラジル3世の少年 もう一つの母国に興味持つ
グループワークに参加するブラジル国籍の少年=愛知県瀬戸市の瀬戸少年院で2020年2月12日午後3時4分、高井瞳撮影
身長178センチ、長く伸びたまつげに、くっきりとした目鼻立ちの少年(18)は日本で生まれ、日本で育った日系ブラジル人3世だ。
納豆が好きで友達も日本人ばかり。ブラジルには幼い頃1度行ったきりだ。
「自分は日本人」と思っているが、見た目の違いに悩んできた。
中学生になると、知らない生徒からの強い視線を感じるようになった。
すれ違う度に振り向かれたり、同級生同士が自分を見ながら耳打ちし合ったりする。
次第に「俺の見た目は変なんだ」と思うように。
顔をみられるのが嫌で、マスクで顔を隠し、口数も減った。
クラスでのいじめも重なり不登校になった。自分のルーツを恨んだ。
「日本人らしい顔に生まれたかった」
自宅の部屋にこもり、インターネットに居場所を求めた。
夕方から朝までゲームや動画を見て過ごす。自分の外見が他人から見えないネット上は心地よく、明るい自分でいられた。
中学3年生になっても、午後からの登校や早退を繰り返していた。
生活態度が乱れ、不良仲間とつるむように。
17歳の時、仲間に紹介された特殊詐欺の受け子の仕事をして逮捕された。
そして、入院した愛知県の瀬戸少年院(瀬戸市)で、外国にルーツを持つ少年が参加するグループワークに出合う。
グループワークでは、ほかの少年たちと今まで胸に抱えてきたわだかまりについて話し合った。
日本人の友達に、金髪の祖母を見られるのが恥ずかしいと思ったこと、自分は日本人だと思っているのに「ポルトガル語を話して」と言われるのが嫌だったこと――。
これまでの思いを語ると、多くの仲間が共感してくれた。
グループワークでは、海外にルーツを持った少年らに交じり、過去に悩みを抱える日本人少年も参加していた。
みな自分を「外国人」として見るのではなく、ひとりの人間として見てくれている。
そう思うと、自分の顔を見られるのが怖くなくなった。
グループワークを通して今まで関心がなかったブラジルにも興味を持つようになった。
母の育ったブラジルの町のこと、家族が日本に来た理由など、質問されても答えられず自分のルーツに無知であることに気づいた。
「せっかくなら日本とブラジル、母国が二つあると思ったほうがいい」。
少年院を出院したらもう一つの母国、ブラジルのことを家族に聞いてみたいと思う。
〔2020年5/5(火) 毎日新聞【高井瞳】〕

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