登校拒否を克服する会
所在地 | 大阪府大阪市 |
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ページ名登校拒否を克服する会、大阪府大阪市 (当事者の会・自助グループ・大阪府)
寄り添ってくれた母に感謝 不登校経験の清水さん
不登校の児童生徒が増えている。国の2017年度の調査では、不登校の小中学生は14万人以上に上り、過去最多となった。
学校を休んでいる罪悪感や将来への不安に苦しみ、親は「学校に行かせないといけない」との焦りから、対応に悩んでいる。
小学6年から中学3年まで不登校を経験し、現在は不登校の子どもを支援する清水悠佑(ゆうすけ)さん(34)=高槻市=が大阪市内で講演し、寄り添ってくれた母親(64)への感謝を語った。
「近くにつらさを分かってくれる大人がいないなら、いつでもメールで伝えてほしい。全力で力になる」と語る清水さん=大阪市内
「不登校で親に迷惑を掛けるなら、今すぐに死んだ方がいいのかな」。
自宅の暗い部屋、清水さんは当時そんなことを考えていた。
清水さんは重度のアトピー性皮膚炎を患っていた。
小学校の行き帰りでは風が吹いたり、肘や膝を曲げるだけで傷が痛んだ。
我慢して通学したのは学校の出来事を母に話すことが楽しみだったからだ。
しかし、2歳上の兄が不登校になり、母の意識の比重が兄に傾いた。
「苦痛を押してまで学校に通うことに疑問を感じた」。
清水さんは小学6年の途中から不登校になった。
中学にはほぼ行かず、その後は通信制の高校に。
それでも母は「晩ご飯は何が食べたい」と優しく接してくれた。
「迷惑を掛けているにもかかわらず、『ここにいてもいい』という感覚を持たせてくれた」。
そんな中、将来は不登校の子どもの支援に関わりたいと、教員免許取得のため大学進学を目指した。
両親に相談すると「やったらええ。お金は出したる」と即座に応援してくれた。
しかし大学に入学し、履修登録の際、漠然と抱いていた教員免許取得の大変さへの不安がのしかかった。
「頑張るだけ頑張ろうと思うねんけど、しんどくなって死にたくなるかもしれへん」。
清水さんは正直に母に打ち明けた。
母は「命の方が大事やから、そのときは大学は辞めてもええよ」。
失敗への恐怖が薄れ、自分のできることをしようと切り替えることができた。
大学を4年で卒業し、教員免許を取得。今は個人で看板を掲げ、不登校の子どもを支援する側に回っている。
清水さんは言う。「『命の方が大事』という言葉も大きかったが、一番重要だったのは、自分の苦しい状況を相談できたこと。
母ならちゃんと考えてくれるという信用があった。
改めて寄り添ってくれていたと感じている」
良い所も悪い所も丸ごと受け入れて 「克服する会」代表
清水さんは、不登校で悩んだ経験のある親たちでつくる「登校拒否を克服する会」が開いた15日の交流会に講師として招かれ、保護者らの前で講演した。
同会は1986年に結成され、奇数月に交流会を開催している。
今回で200回の節目を迎えた。
交流会では、親や当事者が苦しい気持ちを自由に話したり、相手の話に耳を傾けており、励ましや展望につながっている。
克服する会の世話人代表の古庄(ふるしょう)健さん(71)は
「子どもの良い所も悪い所も、丸ごと大人や本人が受け入れることが大切。子どもが『自分でいていいんだ』と思えることが力になる」と話す。
克服する会への問い合わせは電話06(6768)5773、大阪教育文化センター。
不登校 文部科学省は、年間30日以上の欠席と定義(病気や経済的理由は除く)。
同省の2017年度問題行動・不登校調査によると、不登校の小中学生は前年度に比べて1万348人増の14万4031人で過去最多となった。
大阪府内では小学校で2553人、中学校で8258人が不登校だった。
〔2019年9月23日 大阪日日新聞〕
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