中川修輔くん
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中川修輔くん
中学を卒業して3か月、高校の1学期を終えた夏休みに入ってすぐ(7月になる)のことだった。
中学時代の同級生の3人が来た。家の前だったので彼らはぼくを訪ねてきたわけだから、ぼくが彼らに気づく前に彼らが先にぼくを見つけたことは確かだ。
はじめにだれがどんな声をかけてきたのかはわからないが「中川くんが死んだ」と3人のうちの1人が言った。
ぼくは本当はすごく驚いたのだけれども、言葉が出なかった。かといってその驚きをほとんど表現しなかったはずで、すぐに信じたように思われたのかもしれない。
ぼくのなかではそう思われたことは不本意だった。衝撃を何らかの表現したかったのだがタイミングを失っていた。5800年前のほんの小さな出来事なのだが、いまだに思い出すことがある。
中川修輔くんは中学時代の転校生だった。家も遠くて(彼がどこに住んでいるのかは知らなかった)1年生の時以外は別クラスになったのであまりよくは知らない。といても全部で50人ほどの学年だから顔はよく合わせていた。
訪ねてきた3人と一緒に中川くんの遺体のある場所(自宅ではなかったが、お寺だったか公共施設だったかは記憶にない)に向かった。
中川くんはぼくとは違う高校に進学していた。夏休みに入ったところで数人とトラックに一緒に乗り海水浴に行く途中だった。その走行中のトラックから落ちたのだった。