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中学受験

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2019年1月9日 (水) 13:47時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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目次

中学受験

周辺ニュース

ページ名中学受験、、(教育のニュース、中学校のニュース)
お金・死・性を教える私立が子供を伸ばす
中学受験の本番が迫ってきた。親はどんな学校を選べばいいのか。
受験カウンセラーの鳥居りんこ氏は「合格実績だけで学校を選ぶとミスマッチになりやすい。『宣伝フレーズ』を鵜呑みにせず、慎重に学校を選ぶ必要がある。キーワードは『真の教養』だ」と話す。
どういうことなのか――。
■数年経つと“死語”のように消える中高一貫校のキャッチフレーズ
暮れも押し迫り、中学受験の本番が間近に迫ってきた。
受験生のいる各家庭では最終的な志望校選定の時期を迎えたことになる。
その際、保護者は今一度、“わが家の教育方針”とは何かということを再確認するといい。すなわち、親として「中高時代に、わが子にどんな力をつけてもらいたいか」を明確にするということだ。
筆者の友人に中高一貫校の取材経験が豊富な女性ライターがいる。彼女はこう言った。
「中高を取材していると、先生方のコメントにも流行があることがわかります。ちょっと前までは『リーダーの育成』。同じ方向性で少し盛った表現だと『国際社会で活躍する真のリーダー』。そして、今のはやりは『解のない社会を生き抜く力』。これを全部盛りこんだ表現にすると『ITによる変革が激しい時代にあって、探求により深い思考力、表現力、プレゼン能力を身につけ、道具としての英語力を身につけ、異文化を理解し、コミュニケーション能力を育む』という感じでしょうか」
筆者も中高一貫校への取材経験が長いが、全くその通りと言わざるを得ない。
学校説明会、あるいはパンフレット、ホームページという手段を使って、学校情報を発信する場合には“キャッチコピー”が必要となるのだろう。
その文言自体にはさほど違和感を抱かないが、問題はそれが「流行」してしまうことだ。
ある学校がそのキャッチコピーで集客(受験者数増加)に成功したと見るや、同じような文言があふれることになる。
「キャリア教育」「アクティブラーニング」「グローバル」「国際教育」「ITC」「サイエンス」「理数教育」……。
数年経つと“死語”のように消えて行く運命のものも数多い。
■受験者数を増やすため有名大学合格実績目標を掲げる
昨年と今年では全く違う事を堂々と言う学校の先生もいる。
その見事な朝令暮改ぶりには面食らうというよりも、先生方も少子化の中、「生き残りに大変なんだな」という感想を持ってしまうのだった。
少し前の時代は「お約束」を掲げる学校も多く、例えば「G-MARCH100」など、6年後の大学合格実績目標を前面に打ち出す学校も多かった。
中高一貫校にとっては、「出口」となる生徒の進学先の大学の知名度にはこだわりたいのだろう。
それが、「入口」である受験の人気度や偏差値にも直結する。
もし親がわが子の最終学歴を難関大学にさせたいと願うなら、学校よりも予備校のように受験対策に特化している場所にわが子を置いたほうが結果は出るかもしれないが、それを実行する親は案外少ない。
なぜか。親の多くは学校に対して、最終学歴を得るためだけではない“効能”を期待していることの現れではないかと筆者は考えている。
■2019年以降のキャッチコピーは「真の教養」
また、前出の知人ライターは今後、2019年以降の私立中高一貫校が掲げるキャッチコピーの流行予測として、この言葉を挙げている。
それは、「真の教養」だ。
「完全版の文言としては『永遠の命題である哲学、科学、文学、芸術について、世界の教養人と伍して語れる真の教養』。これがくると思います」
これについても筆者は完全に同意だ。いかにも言いそうなフレーズである。
先行き不透明な時代の今、「大学受験スキル&養成力」だけではなく、わが子に中高一貫校で得てほしい力、つまり「わが子に中高時代で付けてもらいたい力」を下記に挙げたい。
1 共感力
筆者は不登校や成績不振といった問題を抱える子を持つ親の相談も受けているが、そうした生徒は圧倒的に中2が多い。
中2は鬼門なのだ。思春期ど真ん中のこの年齢は「自分がいて、他人がいる」ということが理解しきれず、友人や部活の先輩・後輩などとの摩擦を繰り返しがちだ。
自分の主張が簡単には通らなくなることに気付き、他人が自分とは異なる意見を主張することに戸惑い、合わせるべきか否かで悩む。
おまけに他人からどう思われるかが気になりだすので、自我と迎合のはざまで悶えることになるのだ。
この時期を通過することによって、自分がいて、他人がいる、ゆえにそれぞれがいろいろな考え方を持つという「みんな違って、みんな良い」的思考法ができるようになり、さらには、人はひとりで生きているわけではないことに気が付くのである。
この実感を級友、先輩後輩、恩師といった人間関係の中で得ていくことは彼らの今後の人生において大きな財産となるだろう。
2 出来事の本質を見抜く力
「出来事」は、流れゆくものと普遍的なものにわかれる。
また、「物事」には、まやかしか真実か、あるいはどちらのカテゴリーにも属さないものも含まれる。
それらを見抜く力を養うことで、自分の“核”となり得るベースを作ることができる。
すなわちそれは「生きる力」を育むことになる。
3 自分の頭で考え、それを自分の言葉で表現する力
他人の言動に振り回され、迎合することをよしとするのではなく、しっかりと自分の頭で考え、それをきちんと言葉で表明できることが「自律の一歩」だろう。
この自律=“意志”という“快感”を得ることが、人生を楽しくするコツであるはずだ。
4 楽しむ力
「自分が好きだから、これをやる! 」という意識、あるいは「好きなこと」を「好き」と言える勇気・確信を持てれば、人生は輝き出す。
学校生活のあらゆる学びと経験はわが子の幅を広げるに役立つので、そこに「好き」が加われば無敵である。
さらに、それに対して、「好き」を超えて「心弾む」、ときめく感情を持てたならば、「青春」は長く続いていくことだろう。
人生は楽しもうとする人が楽しめるのである。
■お金・性・死の教育をする私立が子供を伸ばす
それでは、上記の4つの力を踏まえ、筆者がこれから中高一貫校で本格的に取り組んでほしいと思う「未来の教科」を紹介したい。
それは以下の3つだ。
1 お金の教育
日本人は「金(マネー)」に関することを口にすることをはばかる傾向がある。
大学で専門的な勉学に励んだ人もお金に関するノウハウを学んだことがなかった人が大半ではないだろうか。
しかし、これは全員が学んでおいたほうが良いことであるはずだ。
金利、為替、株、投資、保険、相続、給与システム、各種社会制度、あるいは家計管理、さらにはもっと踏み込んだ「お金儲けの方法」「働くとは何ぞや」「お金の価値」といったことを基本的教養として理解させておくことは、生きていくことにおいて、かなり重要なことになると思う。
2 性の教育
現在の保健体育の授業の内容では不十分だ。
もっと踏み込んで、学習していく必要があると筆者は考えている。
男女関係のトラブルやリスクだけでなく、男女の脳(思考法)の違い、ジェンダー教育などを通し、誰もが自身の尊厳を傷つけられないようにするための学びである。
3 人生の四季教育
大半の家庭が核家族で、しかも病院で死ぬケースが多い現在では、人が死にゆく姿を目にすることは稀である。
大多数の日本人にとって「死」は遠い存在だ。
だからこそ、若いうちに、人は生まれてから、どのように成長し、どうやって老いていくのかを学ぶことで得るものもまた大きいように感じる。
人間を含めた生物の致死率は100%。
この当然すぎることを改めて、学習することにより、「今をどう生きるか? 」の連続が「人生」なのだという気付きを与えられるのではないか。
それにより、自身の人生はもちろん、他人の人生についても尊重できる人になれる。
以上、期待を込めて3つの「新科目」を予想してみたが、いかがだろうか。
今後の中高一貫校は、こうした「真の教養」の獲得を目指す方向に舵を切るのではないだろうか。
もちろん、上記は筆者の私見である。
中学受験を目の前にする保護者さんは今一度、わが子に付けさせたい力を、偏差値とは別の角度で吟味することをお勧めしたい。
くれぐれも各学校が打ち出すキャッチコピーに安易に流されず、学校の本質を見抜いたうえで、わが子の特性・個性に本当に合った、「ミスマッチのない学校選び」をすること。
それが親と子の幸せな未来につながるはずだ。
エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー 鳥居 りんこ 写真=iStock.com
〔2018年12/24(月) プレジデントオンライン〕

周辺ニュース

ページ名中学受験、、()
中学受験vs.高校受験「失うもの」が大きいのはどっち?
漫画『ドラゴン桜』の主人公・桜木建二さんが「小学校・中学校受験は子どもの将来を不幸にする」と直言しているというので、記事を拝読してみた。
●【直言】小学校・中学校受験は子どもの将来を不幸にする
https://newspicks.com/news/3443663/body/
小学校・中学校受験について書かれているのは最初だけ。後半3/4の内容は育児書によくある話で、大筋異論はない。
小学校受験について私は疎いので、論じない。
しかし中学受験の是非については、考察が不十分な部分が見られた。
中学受験で子どもが不幸になる?
桜木さんは「小学校受験と中学校受験は、子どもの将来を楽にはしない。むしろ、不幸にする可能性が大きい」と断言する。
その根拠に、偉大なる発達心理学者ジャン・ピアジェ(1896-1980)が1936年に発表した「思考の発達段階」の理論を挙げる。
0~2歳を「感覚運動期」、2~7歳を「前操作期」、7~11歳を「具体的操作期」、11歳~成人を「形式的操作期」と呼んで区別する考え方だ。
桜木さんの説明をそのまま借りれば、「具体的操作期(論理的思考段階)」とは「自分が具体的に理解できる範囲のものに関して、論理的に思考したり推理したりが可能」な時期だ。
それに対して、「形式的操作期(抽象的思考段階)」とは「抽象概念や知識がわかり始める。
例えば、『生きる』『幸せ』などがわかり始める。
算数から数学になり、xやyなど抽象的な数式も扱える」時期。その通りだ。
そのうえで桜木さんは、次のように論理を展開する。
(1)中学入試問題を小学生にやらせることは発達心理学の観点から無理がある
 ↓
(2)子どもに苦手意識を与え、自信を奪い、勉強嫌いになる可能性が高い
 ↓
(3)中学校受験は失うものが多い
発達心理学的に中学入試は無謀なのか?
桜木さんは記事の中で、具体的操作期から形式的操作期への移行を「12歳」(日本語版Wikipediaにはたしかに「12歳」とあるが英語版では「11歳」となっている)とし、形式的操作を求める中学入試問題は小学生には早すぎるという。
しかし、中学入試の算数が、抽象的なxやyを使った「方程式」を使わずとも「つるかめ算」で答えにたどり着けるようにしてあるのは、まだ具体的操作のほうが得意な小学生でも解けるようにという配慮にほかならない。
理科の入試問題に、化学式のような抽象的なものが出てくるわけでもない。
基本的に中学入試問題は、子どもらしく試行錯誤する力を試しているのであって、形式的操作期を先取りした思考力を試しているのではない。
桜木さんはその点を誤解しているのではないだろうか。
そもそもピアジェの理論は教育関係者には常識で、小学校の学習指導要領はもちろん、塾の教材もそれを意識してつくられている。
一般的には、具体的操作期から形式的操作期への移行は「11歳ごろ」と解釈されており、小学校高学年で割合や確率の概念を扱うのもそれに符合する。
たしかに形式的操作期に移行している子供のほうが有利な面は多いので、ゆっくり発達する子は無理して中学受験勉強をしなくていいと私も思う。
だが、11歳ですでに形式的操作期に移行している多くの子どもたちが中学受験で十分に力を発揮するのは、不自然なことではない。
第一志望不合格は「失敗」ではない
桜木さんの記事の中には「受験に失敗」という表現も何気なく使われているが、何をもって「失敗」としているのだろうか。
「第一志望に合格できなければ中学受験は失敗だ」とか「偏差値60以上の学校に受からなければ中学受験をする意味がない」などと考える親はときどきいる。
桜木さんもそう考えているのだとすれば、中学受験生の親には“向いていない”。
そのような親が子どもに中学受験をさせると、合格というゴールばかりに目が向いてしまい、ありのままの子どもが見えなくなる。
子どもに過度な負荷を与え、子どもを潰してしまいかねない。
私に言わせれば、それこそが「中学受験の失敗」であり、第一志望に不合格になることは、失敗でも何でもない。
親の「考え方」で子どもは傷つく
12歳の子どもが、自分の道を切り開くために努力して、仮に100%望んだとおりにはならなかったとしても、その子なりの努力の結果を親が100%認めてやることができれば、子どもは自分の道を堂々と歩むことができる。
それが、ありのままの子どもを認めるということ。そうすれば、その中学受験は大成功だ。
合否という結果だけで受験の成功・失敗を判断してしまう「考え方」が子どもを潰すのであって、中学受験そのものが子どもを不幸にするわけではない。
親がそのような「考え方」であれば、仮に中学受験を回避したとしても、高校受験や大学受験で子どもが親の望み通りの結果を出せなかったときに、結局いくつになっても子どもは傷つく。
遅咲きの子どもであれば12歳で“勝負”するよりも15歳で“勝負”するほうが「最終的に少しでも進学実績の良い高校に行ける可能性で有利」という損得勘定もあるかもしれない。
その判断を否定はしないが、だとすればその前に、進学実績の良い高校に入れたいと思うのはなぜかを、よく考えてみるべきだろう。
高校受験が子どもたちから奪うもの
逆に、世間体にとらわれず、わが子の頑張りを100%認めて誇らしく思える親なら、発達がゆっくりな子どもでも、中学受験をさせてもいいと私は思う。
現在、私立中学の募集定員総数は中学受験生総数とほぼイコールで、“どこかには入れる”。
そこで得られる中高一貫という環境そのものに、学校の “偏差値的レベル”にかかわらず、思春期の子どもにとっての大きな意味がある。
それが、中学受験をすることで得られるものであり、高校受験が子どもから奪うものである。
再びピアジェによれば、14~15歳で「形式的操作の組織化の時期」に入り、いよいよ「哲学」ができるようになる。
だからこそ反抗期も現れる。
この時期には、たくさんの冒険をして、たくさんのひとに出会い、たくさんの失敗をして、たくさんぼーっとすることが大切だ。
それらの経験を通して、世の中を知り、自己洞察を深め、子どもは大人になっていく。
紙と鉛筆だけで受験勉強ばかりしている場合ではない。
欧米先進国のほとんどでは高校受験がない
つまり、反抗期と高校受験の両立は難しい。
多くの子どもはなんとかその状況を乗り切るが、中には両立がうまくいかない子もいる。
潜在能力は高いのに反抗期ゆえに力が発揮できなかったり、逆に受験勉強に追われてこの時期に学ぶべき人生の基本をおろそかにしてしまったり。
欧米先進国のほとんどでは、高校受験がない。
ハリー・ポッターは、日本でいうところの中高一貫校に相当する学校に通っている。
まさに少年が大人になっていくための冒険の舞台である。
その代わりイギリスのエリート層は、小学校高学年で猛勉強する。
ちなみに2017年に漫画化されベストセラーとなった『君たちはどう生きるか』の主人公で14歳のコペル君も、戦前に中学受験をして、いまでいうところの中高一貫校に相当する環境で、高校受験にわずらわされることもなく、ときには不登校になったりしながら、じっくりと「哲学」することができたのだ。
この大切な時期の大半を高校受験勉強に費やしてしまうことのリスクを、桜木さんは、中学受験のリスクと対比していない。
これが「ピアジェ理論を前提に、中学受験の是非について述べよ」という小論文課題なら、大幅減点だろう。
たかだか中学受験で人生が決まるわけがない
だからといって私は絶対的に中学受験を推奨するわけではない。
地域の教育文化、親の教育観、家庭の事情によって、それぞれに判断すればいいことであって、教育における選択に「正解」などない。
ましてや、たかが中学受験をするのしないので、人生の幸せ・不幸せなど決まるわけがない。
桜木さんもそんなことは百も承知で、編集部が煽っただけだとは思うが。
教育における選択では、「何を選択したか」よりも「なぜそれを選択するのかを説明できること」、そして「選択したあとにそれを良い選択にする努力を怠らないこと」が大事である。
その意味で、拙著『 受験と進学の新常識 』は、親として、親子の選択の意味を言語化し、自信をもって子どもを応援できるようになる一助となるはずだ。
また、中学受験のリスクを少しでも減らす方法は12月10日発売予定の新刊『 中学受験「必笑法」 』にまとめてある。
〔2018年11/21(水) おおたとしまさ 文春オンライン〕

周辺ニュース

ページ名中学受験、、()
受験までに最低300万が必要
中学受験を経験した筆者が思う「中学受験の低年齢化」 
小1から塾に通うと受験までに最低300万が必要です。
身近になる中学受験
2017年に芦田愛菜さんが中学受験をし「偏差値70以上」の学校に合格したことや、中学受験のドラマもありました。
中学進学の選択に「私立校への進学」が入り、地域によってはクラスメイトの半分以上が中学受験をします。
中学受験が身近な進路選択のひとつになっています。
中学受験をするにあたり「専門塾に入塾するいいタイミングは、小3の冬」といわれていましたが、最近では「低年齢化」が進んでいます。
その実態と知っておきたいことを紹介します。
中学受験を経験した筆者が思う「中学受験の低年齢化」 小1から塾に通うと受験までに最低300万が必要です。
中学受験専門塾への入塾タイミングの早期化 塾での新学期は、新学年前の2~3月としていています。 その理由は、
・ 新学年の先取り授業
・ 優秀な生徒の囲い込み
・ 小5までに小学校で習うことを終了する
小5の最後もしくは小6で、中学受験でしか出さない「特殊問題」や志望校に合わせた指導を行うのも、中学受験指導の特徴です。
中学受験情報サイトの独自調査によると、小学3年生の2月から通塾をスタートさせている家庭の比率は23.3%です。
どの学年にも入らない「その他」に5.7%という結果が出ています。
さらに細かく学年調査を加えると、「小学1年生以下」が0.6%という結果が出て、中学受験準備の年齢の低年齢化が幼稚園・保育園生におよんでいることになります。
入塾するための塾の存在
中学受験専門塾に入るためには、「入室テスト(入塾テスト)」に合格しないと通えません。
勉強のクセづけとして、プリント式学習や通信教育をしてから、専門塾へ入塾している子どもさんが一般的です。
有名中学受験専門塾に入りたいけれど、入れないというお子さん向けの「入塾対策塾」まで存在します。 お子さんが、希望の塾に入ってからも、家庭教師がわりにと併用する方が多く、料金設定は塾によって異なります。
ある対策塾の料金【最低コース(90分コースで月4回)を半年ほど利用、月謝約2万円】
入会金:2万円
半年間の授業料:12万円
中学受験を経験した筆者が思う「中学受験の低年齢化」 小1から塾に通うと受験までに最低300万が必要です。
年長からの中学受験
「年長コース」も開設した大手有名塾
最近、幼稚園・保育園のうちから、中学受験を考えるご家庭をターゲットとした「年長コース」を開設した中学受験専門塾があります。
小学校入学前には、「小学校入学準備コース」と切り替えを行います。 「年長コース」ですることは、知育教育で行われる「日本語かるた」「地図の暗記」などに簡単な英会話を足して授業を行います。
小さなお子さんに「勉強の楽しさ」を体で覚えてもらって、小学校入学前に「読み書き」、「簡単な計算」、「英会話」を教えます。
「年長コース」や「入学前準備コース」をもつ大手塾
入会金:2万円
授業料:基本コースと英語コースで毎月3万円
(教材費などの負担は塾で異なります)
約1年間に入ったとすると、入会金を含めて38万円です。
特別イベントなどが入ると、最低40万円は必要です。
小1から中学受験準備
「中学受験専門塾といえばここだ」という塾の例を紹介します。
授業料はおおよその金額としてみてください。
小1からの入塾での初期費用:入室金:3万円と授業料2か月分
(関東圏は4教科受講を基本としています。関西圏は社会をのぞけます)
授業料(月額4教科)
1年生:1万7000円
2年生:1万8300円
3年生:2万200円
4年生:3万9300円
5年生:5万700円
6年生:5万8300円
(テキスト代や教材費などを含みます)
3年生以降から、長期休暇中の特別講習会が多く入り、超難関クラスに5年生から編入すると、月謝が値上がります。
小1からの通学で、授業料のみを合計してみると、合計約244万円かかります。
この金額に、交通費や特別特訓会やテストの料金が加算されると、志望先次第では300万円は最低用意する必要があります。
■習い事について
教育系雑誌でもよく言われるのが「習い事は1人3つまで」です。
塾通いの回数が増えて、塾代に対して習い事の費用も増え、貯金している教育費や、家計にも負担が大きくなります。
学年と成績次第では、カットしなければいけない部分はあります。
受験のために1年間だけ転居
都心部で小6時のみ校区変更として転居する家庭があります。
通塾しやすい場所や、中学受験率が高い小学校で過ごしたいという理由から、小6の時のみ引越しをして受験終了後戻るという考えです。
子どもの受験のためなら、賃貸料が20万円以上になっても構わないという家庭があり、不動産屋でも「受験に有利な校区」というリストを持っていると言われています。
わが家の中学受験
筆者自体、子どもと中学受験に挑戦し、志望校に通っています。
小中規模の塾に小4の5月から通いました。
学校のクラスで中学受験に挑戦する子どもは数名でした。
入塾前に、プリント式学習に通い、スイミングに通っていました。
■合格までの費用
国・算・理で受講し、特別講習会などを受講し約80万円でした。 プリント式学習中は転塾後、スイミングは受験1か月前にやめさせました。
生まれた時から、児童手当をずっとためて、家計からの余剰金を教育費や習い事に回せる「子ども費」を設定して、別に貯蓄していたということから、受験に関する費用は賄えていました。
■今の学費
中学は所得制限で、支援金が受けられない代わりに、投資信託や金利がよかった時期に入れた定期預金で救われています。
中学受験は、塾代やその後の学資問題を解決する必要はありますが、低年齢で始めることに、リスクはあります。 中学受験をゴールとして考えない
中学受験を経験された方の話や、記録ブログを読んでいると、悲しい話もあります。
「中学受験で志望校に合格したけれど、厳しい授業内容についていけず、学校がつらい場になる」
中学受験がゴールと考え、周りからの期待や叱咤激励が強かった子ほど、不登校になるケースや、最悪は「自主退学」をする子もいます。
中学受験は「準備期間が長ければいい結果が生まれる」、「短ければいい」などの結果がはっきり出ない世界です。
小6の夏から専門塾に入っても合格している子も意外と多いです。
小4から受験対策をしても、かなりストレスが溜まったというのが、筆者の感想です。
多くの受験情報が紹介されますが、ご両親ともに冷静な判断をする必要があると感じます。
子どもが生まれた時点で、教育費の貯蓄はスタートして、進路について、ある程度の道筋を立てておく必要はあります。
教育費の使い方は、「中学受験がゴール」と考えるのではなく、大学卒業までを見据え、お子さんが「将来やってみたい夢」を聞いて、ご両親が冷静な判断のもとで、中学受験に挑戦してください。
  〔2018年11/20(火) マネーの達人(執筆者:笹倉 奈緒美)〕

周辺ニュース

ページ名中学受験、、(小学校のニュース、中学校のニュース)
超難関中学が望んでいるのは「伸び切ったゴム」のようなガリ勉君ではない
6年生まで野球・バイオリンを続けながら難関国立中学に合格した親子の体験記「小学生生活を犠牲にしない中学受験」(WAVE出版)から、中学受験を目指す親子が救われ、励まされる考え方をご紹介。わが子をつまらない優等生にしたくない両親必読の「常識」とは?
「君のような子に来てほしい」
息子が5年生の頃、とある超難関校の学校説明会に行ったときのことです。
私の大学の同期の中でもこの学校出身の人は変わった人が多かったので、「ちょっと変わった世界なのかな」と、正直偏見を持っていました。
でも説明会に参加してみると、意外なことに大学受験の話はほとんど出ませんでした。
むしろ勉強だけじゃない、時代を超えてもぶれない教育理念の下、「こういう人間を育てたい」という先生の熱意が伝わってきて、とても共感を覚えました。
説明会が終わった後にいくつかのグループに分かれて校舎の見学をしたのですが、引率の先生と話したとき、息子が野球をやっていて塾に行っていない話をしたら、満面の笑みで息子と握手をしてくれました。
「中学に入って伸びるのは、君のような子だ。本当はうちも、塾に行って勉強ばかりしている伸び切ったゴムのようなガリ勉君じゃなくて、君のような子に来てほしいんだ。
ところで、成績はうちのレベルに届いているの?」
「いや、全然」
「ガハハ。まあ、がんばって!」
と、こんな具合です。
超難関中学も健全な小学生生活を過ごした子を望んでいるのです。
子どもと一緒に学校説明会に行こう
前の項にもあるように、私の中学受験への印象は学校説明会に参加してガラリと変わりました。
中学受験を検討している方は、塾やママ友から余計なことを聞いてしまう前に、しかもできるだけ早い段階で、自分自身で学校説明会に足を運ぶことをオススメします。
学校説明会は、子どもがまだ小さくても、親として参加できる学校がほとんどだと思います。
子どもの成績をチェックすることはないので、どんなに難関校だろうと遠慮はいりません。
また参加したからといって、受験しなければならないこともありません。
中学受験と高校受験の選択で迷っているのなら、高校の学校説明会に行ってみるのも一つの手でしょう。
どの学校がいいかは、受験する本人やその家庭に合うか合わないかによって決まります。
したがってその評価はどうしても主観的になってしまうので、誰かから聞いた情報を信じるのではなく、親であるあなた自身が確かめるのが一番です。
そして子どもが6年生になって志望校が絞られてきたら、今度は子どもを連れて学校説明会に参加しましょう。
願書も子どもと一緒にもらいましょう。
うちも、息子にその経験をさせたところ、目標が頭の中で具体化したのでしょうか、本人のやる気が高まっていくのを感じました。
ちなみに、この学校説明会は週末の土日に開催されることが多いのですが、6年生らしき子どもの参加が少ないのが気になりました。
参加者は大抵親だけか、4年生ぐらいまでの小さい子たちです。
受験間近の6年生が自分が受ける学校の説明会に参加することは、志望校選び、そして受験勉強のモチベーションを高める意味でとても大切です。
それより塾のテストや授業を優先するなんて、本末転倒ですよね。
学校が好きなのは社会性が育っている証拠
以前、関西の中学受験の大手進学塾が、何と平日の昼間に授業を始めたことがあったそうです。
当然ですが、小学校を休まないとその授業は受けられません。
これはさすがに大きな批判を呼び、関西の最難関私立中学が、小学校にほとんど通っていなかった受験生を不合格にしたそうです。
そしてそれ以来、その学校は出願時に小学校の調査書を提出させるようになったとのことです。
現在でも大手進学塾生の間には、6年生の3学期に入ったら小学校を休むという暗黙のルールがあるようです。
うちも家庭教師の先生に「まだ学校を休ませないのですか」と何度も聞かれました。
願書の提出は1月の初旬で、調査書には2学期までの出欠しかないため、教育産業としては学校を休んでくれたほうが稼げるということなのでしょう。
息子は学校が大好きだったので、休むことなどあり得ませんでした。
しかも3学期は文集づくりや卒業式の準備など、大切なイベントがある時期です。
子どもにとっての1カ月は大人の場合と大きく違います。
友だちと過ごす大切な時間を受験のために犠牲にするのでは、失うものが大きすぎます。
さらには塾を休ませたくないという理由で、運動会や修学旅行を欠席させる親もいるという話を聞いて、私は耳を疑いました。
運動会や修学旅行などに向けては、当日だけでなく、かなり前から先生やクラスの仲間と準備をしたり、練習をしたりするはずです。
こうした行事を経験することで、子どもは社会性を身につけるのです。
みんなと一緒に一つの目的に向かって努力する一体感、一人ひとりがみんなのために貢献し、お互いを認め合う喜び、そして何よりも楽しい思い出が豊かな心を育てるのです。
私たちが住む区には学校選択制度があって、隣の校区の小学校を選べます。
その中に、越境して中学受験をする子が集まるので有名な小学校があり、運動会や修学旅行を休む子がたくさんいると聞いて、うちでは真っ先に子どもをそこに行かせるのをやめました。
そういう学校が近くにあったおかげで、のびのび育てたいと考える家庭の子どもたちが集まる小学校に通えたことは、息子にとってラッキーでした。
聞いた話ですが、ある小学生が塾の宿題をこなすのに夜中まで勉強していて、学校では「保健室登校」状態になっていた子がいました。
その子は何とか難関中学に合格できましたが、その後不登校になってしまったそうです。
合格と引き換えに集団生活をする社会性を失ってしまった。最悪の結果だと私は思います。
「受験勉強で忙しいので、宿題はさせません」と、先生に宣言した親が息子の小学校にもいましたが、公立小学校の宿題すらこなせないような子が、厳しい試験に合格できるのでしょうか。
みんなができるように指導されている学校の宿題をきちんとやる。
宿題には、内容だけではなく、みんなが課せられた義務を一人ひとりがきちんと守るという道徳教育的な要素も含まれているはずです。
休まずに学校に通うこともそうです。
学校がせっかく育ててくれている社会性を、親がぶち壊しているという見方はできないでしょうか。
学校の勉強をバカにするのってどうなの?
反抗期の中高生が授業の内容に対する不満を口にすることは、あっても仕方がないと思います。
でも「いい大人」である親が、学校の勉強をバカにするような発言をするのはいかがなものでしょうか。
中学受験を経験して気になったのは、受験勉強の学習内容と小学校でのレベルが大きく違うからか、学校の勉強を軽視する親の言動があったことです。
確かに今の公立小学校は、できる子を伸ばす視点に欠けている面があるかもしれません。
でも子どもが人間として成長する過程で、学校で学べることはたくさんあります。
必要以上に学校を軽視する発言をするのはどうかと思います。
なぜなら、子どもは親の価値観を受け継ぐからです。
それもかなりの拡大解釈で。お母さんは算数の授業のことを言っているつもりでも、子どもは学校そのものをバカにするかもしれません。
小学校の授業をバカにする子は、中学生になっても授業を軽視する子にならないでしょうか。
中学生や高校生になって授業を聞いていないと、あっという間に置いていかれます。
授業中に寝る人は言うまでもなく、塾の宿題をしたり、別の教科の勉強をしたりした人で、勉強がよくできた人を私は見たことがありません。
逆に本当に優秀な人は、必ずどの教科の授業でも、先生の言うことをしっかり聞いていました。
人はそんな基本的なところで、差がつくのかもしれません。
高校の同窓会で恩師と話したときに、同じようなことを言っていました。
高校時代、私のクラスには今は大学教授になっている優秀な生徒がいたのですが、彼は先生が授業をしているとき、「先生、こんなに興味深いことをわかりやすく教えてくださって、ありがとうございます」と言わんばかりの表情で、集中して先生の話を聞いていたそうです。
先生は、「そんな顔をして、お前だったらこんなことを習わなくても、知っているだろう」と、心の中で突っ込んでいたそうです。
一方、先生の長い教師生活の中でも、「そんなこと、もう知っていますよ」と言っていた生徒は、大抵たいしたことはなかったそうです。
これは学ぶことに対する姿勢です。
学ぶことに貪欲な人は、決して自分の現状に満足できない。
さまざまなことを、いろんな人から学びたい。純粋にそう思っているのが態度に表れるのでしょう。
知識が増えるほど、自分がまだまだ何も知らないことを思い知る。
そういう境地に達している人は、決して傲慢にはなれないのでしょう。
試験に出ないことはやらないなんて、ケチくさい発想はないのです。
かくいう私もそんな境地には達しておらず、高校生のときは遠距離通学と部活で疲れ果て、授業中に居眠りをしたり、宿題を忘れて慌てて他の教科の授業中に内職したりということをしていたこともありました。
でもそのうちに、授業中に他の勉強をすることが、いかに非効率な時間の使い方であるかということに気づきました。
予習して授業をしっかり聞いて理解しておけば、内容はきちんと頭に残ります。
逆に授業を1回聞かないだけでも、後で取り返すのは大変です。
中学受験でも大学受験でも、求められるのは「基礎に対する深い理解」です。
先取りしている人にも授業は復習になるので、その内容が聞くに値しないことはないのです。
そもそも私には、授業が受験に役立つかどうかという損得勘定はありませんでした。
それは、授業内容や先生の話が純粋に面白いと思うことが多かったからです。
先生が話をしているときに聞かないなんて失礼だ、という罪悪感もありました。
でも、もし私の両親が学校の勉強を軽視するような発言を繰り返していたら、そういう罪の意識すら感じなかったのかもしれません。
〔2018年11/13(火) リセマム《リセマム リセマム》〕

3年待ちのカリスマ家庭教師・安浪京子先生に聞く最強の中学受験
中学受験を巡る家庭の悩みはさまざま。巷にあふれるキラキラした合格体験記を読むたびに「それに比べてうちの子はどうして…」と、ため息ばかりついていませんか。
少々お疲れ気味の悩み深い親御さんに向けて、予約3年待ちの超人気カリスマ家庭教師・安浪京子先生が、中学受験をハッピーに導くための秘訣を伝授してくれました。
まとめノート(女子)/最強の中学受験「普通の子」が合格する絶対ルール
首都圏の中学受験は“習い事”感覚
--中学受験にも理想と現実があると思うのですが、なかなかリアルな「現実」の部分が表に出てきません。
そうですね。勉強の体制ができている子どもの親や先生の意見は、多くの悩んでいる親御さんにとっては別次元の話です。
合格体験記を読んでも、それが我が子にそのまま当てはまるとは限らず、むしろ当てはまらないケースのほうが多いかもしれません。
特に首都圏では、中学受験をする割合が4人に1人です。
関西は今でも10人に1人くらいなので、決断した時点で「うちはほかの家庭とは違う」と覚悟を決めます。
ところが首都圏では水泳やサッカー、ピアノやバレエと同等の”習い事”感覚です。
少子化ですから、塾側も「すべてお任せください」と甘い言葉を囁いてきますし、親子とも何となく周囲の雰囲気に流されて始めてしまう。
でも中学受験はそんなに甘い世界ではないので、塾に大金を支払って3年間預けただけではゴールまで連れて行ってくれません。
一方的に大量の課題が与えられ、よほど器用な子ども以外は溺れてしまうのが普通です。
そうとは知らず、宿題がこなしきれない、テストの点数が一向に上がらない我が子に対して、親がテキストを投げる、破る、捨てるというのは決して極端な例ではないのです。
つまり、中途半端な取り組み方では、子どもも親も傷つく結果に終わることが多くなってしまうのが現実です。
--塾は「お任せください」というけれど、実体としてはお任せできない、と(苦笑)。
我が子のどこができていて、どこから理解できていないのか。
塾側がそれをきちんと把握してくれているというのは幻想です。
たとえば、丸付けの仕方からちゃんと教えてあげないといけない。
間違っている答えにはバツを付ける。
大人からすれば当たり前のことですが、本来子どもはバツをつけるのが嫌いです。
解答を見て自分の間違えを消して正しい答えを丸写しし、しれっとマルにしたりする子は非常に多い(笑)。
だからこそ私は、バツが多いノートに「いっぱい考えたね」と言って花マルをあげます。
丸つけの仕方から正しい解き直しとは何かまで丁寧に教えてあげることで初めて、成績が上がる勉強の仕方になるわけです。
子どもはどうしても自分の都合のいいように、楽なほうに流されます。
これは6年生になっても多くの子どもがやってしまうことです。
また、なぜ間違えるのか、要因を探ることも重要です。
単なるケアレスミスではなく、根本的な理解不足だったり、精神的な不安が背景にある場合もあります。
子どもに何が起きているのかを知ろうとすることが大切なのです。
共働き家庭は、うまく外の手を借りればいい
--とはいえ、共働き家庭も増え、ただでさえ忙しいのに、そのうえ子どもの勉強を見るというのはなかなか大変です。
確かに中学受験のために家庭でやるべきことは少なくありません。
だからこそ、忙しくて家庭だけでは回らない場合は、うまく外の力を借りればいいと思います。
たとえば子どもに塾でどの先生が好きかを聞き、ひとりでも信頼できる先生を見つけておくといいでしょう。
わからない問題があればその先生に質問に行くという習慣を作っておくのです。
また、親子関係が煮つまったり、子どもの成績が伸び悩むときは、親御さんも遠慮なく塾に電話してその先生に相談してみてください。
第三者のプロの視点で役立つアドバイスがもらえるはずです。
また、無料動画で配信されている授業を活用したり、私のような家庭教師を依頼するなど、とりわけ受験の“テクニック”の部分についてはプロの力を有効活用するのも手です。
すべて家庭でカバーしようと両親のどちらかが仕事を辞めたところで、今度は親が子どもを追い込みすぎて家族から笑顔が消えてしまったら元も子もないですからね。
子どもより親のプライドやブランド優先? 
--最近の親御さんを見ていて、何か気になることはありますか。
ひとりっ子が増え、核家族化で地域との横のつながりも希薄になり、両親の関心がその子だけに集中してしまい、視野が非常に狭くなっていると感じます。
「どうして思いどおりに育たないのか」「私はこんなに頑張っているのになぜ我が子はわかってくれないのか」と簡単に逆上してしまう親御さんが多いように思います。
「そもそも子育ては不条理なことの連続だ」という現実に耐えられない人が増えているのではないでしょうか。
実際にそういった親御さんには高学歴で社会的に成功をおさめている方も結構多くて、ご自身が失敗のない人生を生きてきた分、合理的にコントロールできない子育てには理解しがたいところがたくさんあるのかもしれません。
--子どもたちには変化がありますか。
共働き家庭の増加で両親ともに忙しく、なかなか子どもに目を向ける時間がない現実はよくわかります。
ただ、それによって子どもに影響が及び、子どもから親へのSOSサインが出ているのです。
たとえばゲーム依存は小学生の場合、親子関係が原因となることが多いのですが、親がそうした問題には向き合わず、とにかく中学受験で結果を出すことばかりに気持ちが向いてしまうケースが少なくありません。
子どもからのSOSは親からの愛情を求めているだけなのに、そんな子どもの“気持ち”をケアすることよりも、大人のプライドや学校のブランドを優先してしまう。
本来は勉強以前に子どもの心をほぐすことがもっとも大事なのですが、それに気づいていない、あるいはそれも塾や家庭教師で何とかしてもらえると誤解されているケースが結構多いですね。
家がストレスフルな環境になるのはNG
--親は“管理”以前に、子どもの“気持ち”に真摯に向き合う必要がある、と。
ネット社会の今、たとえば子ども部屋やリビングにカメラを付けて、職場から子どもを遠隔監視しているご家庭もあります。
子どもがおやつを食べてくつろいでいると「ちゃんとやってる?」と、いないはずの親の声が飛んでくるという(苦笑)。
これで子どもが勉強をサボらないようバッチリ管理して無事に合格できました! というサクセスストーリーが実際にあるわけです。
親の立場からすれば「我が家も続け」とばかり、すぐさまカメラを買いに走りたくなるのかもしれませんが、果たして子どもの気持ちはどうなのか。
私が子どもに聞くと「親に信頼されていないことが一番嫌」「カメラがお化けに見える」という本音を打ち明けてきます。
親の期待が大きすぎて、わからないことをわからないと言えなかったり、少しの時間でも遊びに行くのをためらったり。
「パパやママのために勉強している気がする」という子どももいます。
家がまったく気を抜けない、ストレスフルな環境になってしまっている。親と子で意識はこれほどまでに違うわけです。
--では、親子でどんなコミュニケーションを心がければよいでしょうか。
塾帰りのお子さんに「何点取れた?」ではなく、「今日はどんなことを勉強してきたの?」と聞いてあげてください。
点数は答案を見ればわかることですし、親が点数ばかり気にしていると、プレッシャーから本音を言いづらくなってしまう一方です。
何を勉強したかについて会話を続けていれば、子どもは次第にわからなかったことを具体的に説明できるようになりますし、頑張ったのに報われないといった弱音を見せることもあるでしょう。
そんなときこそ親御さんがフォローしてあげることで、親子の信頼関係が深まっていくものです。
--親のフォローとはたとえばどんなことですか。
家庭環境も違えば精神的な成熟度も異なりますから、どういうフォローが効果的かというのはご家庭によってさまざまです。
中学受験はこうあるべきという画一的な理想論にとらわれないことが重要です。
いつも忙しくて家にいないお母さんが仕事を家に持ち帰り、勉強する子どもの隣に座るようになったというだけで成績が上がるケースもあれば、お父さんが「よーい、ドン!」と競争し、わざと負けて褒めちぎることで初めてやる気になるようなケースもあります。
わが子にどんなアプローチが有効かはお子さんの成熟度や性格を考慮しつつ、コミュニケーションをとりながら色々と試してみてください。
6年生は“まとめノート”で知識や理解の定着を
ただし、今6年生の場合はそんな悠長なことも言っていられませんよね。
特に夏休み以降、模試の結果に翻弄されて不安で悶々とストレスを抱えるくらいなら、過去の模試や塾のテストで間違えた問題の“分析”をお勧めします。
重要なポイント、よくミスする考え方、覚えておくべきことを一緒に振り返り、お子さんの言葉でノートにまとめるのは、知識や理解の定着に効果的です。
--ハッピーな中学受験ができる家庭に共通する特徴はありますか。
親が子どもの話をよく聞いている家庭ですね。
そこには、子どもが物怖じせず自分の意見を言えるような雰囲気があります。
家族の会話が弾み、とても明るいんです。
一方で、子どもを待てずに親が先に結論を言ってしまったり、発言を矯正してしまうような家庭だと、完全に子どもの思考を奪ってしまいます。
あるいは両親のどちらかが中学受験に否定的な立場だと、子どもはどうしても本気になれません。
子どもの気持ちを置き去りにしたまま、最後まで力づくで子どもを引っ張って何とか合格に至るケースもありますが、入学後には伸びきったゴムになってしまい、中には無気力から不登校や退学という結果に陥ってしまうこともあります。
中学受験は「枠」にはめる作業だからこそ心に愛情を
--ハッピーな中学受験のためにこれだけは欠かせないものは何でしょう。
先ほど外注の話をしましたが、外注できないのは親御さんの愛情です。
「塾だけでは足りない。少しでも我が子に良いサービスを」と金銭的に無理をしてでも個別指導や家庭教師を頼り、それでもうまくいかずにもがき苦しんでいる親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
確かにキレイゴトでは済まないのが中学受験です。
最難関校に悠々合格するタイプ以外の「普通の子」にとっては多くが辛い経験です。
「枠にはまらない子を無理に枠にはめなくてもいい」と謳う自由な校風の学校であっても、入試本番では枠からはみ出たら受かりません。
つまり中学受験は枠にはめる作業なのに、現実は第二次性徴期で子どもが反抗的になったりと、枠にはめるどころか親の思うとおりにはいかないことばかりです。
だからこそお子さんの気持ち、心に愛情を持って向き合ってあげてほしいのです。
繰り返しになりますが、中学受験の正解は1つだけではありません。
理想論にとらわれず我が子に向き合い、トライ&エラーの気持ちで、柔軟にやって行きましょう。そして笑顔を忘れずに。
安浪京子氏の新著書「『普通の子』が合格する絶対ルール 最強の中学受験」(大和書房)には、さまざまなタイプの子どもを想定しながら最善と思える策、それが効かなかったときの代替策がたくさん提案されており、まさにトライ&エラーの指南書。
子どものメンタルコンディションを重視した“子ども目線”が、他書にはない秀逸さである。
2018年8月10日から23日まで、リセマム読者の中から抽選で3名様に本書のプレゼント応募を受け付けている。
〔平成30(2018)年8/10(金)リセマム《リセマム 加藤紀子》〕

中学受験の“ラスボス”はお父さん? 「小6の最後になって登場して…」〈AERA〉
多くの子どもにとって避けては通れない受験勉強。小学生で経験するか、中学生で経験するか──。
それぞれに長所も短所もある(撮影/篠塚ようこ)
中学受験大手・日能研グループのみくに出版が発行する中学受験専門誌「進学レーダー」の井上修編集長と、最難関高校受験で圧倒的な合格実績を持つ進学塾「早稲田アカデミー」の酒井和寿高校受験部長。
中学受験、高校受験に精通した二人が、中学受験の長所、短所などを語り合った。
──まず、中学受験と高校受験、それぞれの位置づけについて教えてください。
井上:2018年の調査では、東京、神奈川、千葉、埼玉の中学受験率は20.1%です。特に東京の中学受験率は29.8%と高い。
中学受験が一般化した世代が親になり、ますます関心が広がっています。
もう一つの傾向としては、私立中学受験に失敗して公立中学に進む生徒の割合が、ここ20年ほどで急減しています。
日能研で見ると、かつては高校受験でリベンジするというタイプもいましたが、今は第1志望校に受からなくても、9割以上はどこかしらの私立中高一貫校に入学します。
保護者の大半は、入り口の偏差値は関係なく、6年の間にきちんと育ててくれる学校を見つけようという考え方です。
酒井:逆に、公立の中高一貫校に不合格だった場合は、高校受験でリベンジする人が増えてきています。
また、早稲田アカデミーでは中学受験を経験した生徒は全体の2割弱。
公立小学校から公立中学校に進み、初めて受験に挑む生徒が中心です。
中学受験はご家庭の経済力などを理由に誰もができるわけではありませんが、高校受験はある意味、誰もが経験する類いのものです。
──中学受験をするメリットは何でしょうか?
井上:中高一貫校に入れば高校受験の必要がなく、進路選びに時間をかけることができます。
大学が多様化し、昔のように偏差値で学校の価値が並んでいるわけではなく、教育内容などをきちんと見極める時間が必要です。
たとえば立教大学の中でも人気の経営学部は、偏差値が早慶(早稲田大学、慶應大学)レベルになるなど、今後ますます大学ではなく、学部・学科で進学先を選ぶようになる。
──時間的余裕が中だるみを生むという指摘もありますが。
井上:中高一貫校の今のトレンドは、中学3年生の過ごし方です。
中3で大学訪問に行く学校もあれば、長期間の海外研修に出かける学校もある。
大事なのは、キャリアガイダンスです。いったい自分は何がしたいのか、そのためには何を学ぶべきか。
6年間の学びを通して、学科、学部名から、最後に大学を選んでいく。中だるみはありません。
酒井:一方、高校受験組のカリキュラムは中学3年間と高校3年間に分断されます。
一般的に高校で勉強する内容のほうが圧倒的に難しい。
同じ大学を目指すにしても、6年間を見通したカリキュラムで勉強できる中高一貫校に比べ、高校受験組は高校3年間の勉強が急傾斜になります。
そのため安易に数学が必要ない私大の文系学部を選ぶなど、苦手科目を作る生徒が出てくる。
それ以前に、理科、社会を勉強しなくても受験ができる魅力的な私立高校も多く、結果として大学の進路を狭めている可能性もあります。
──早稲田大学が政治経済学部の一般入試で、21年度から数学を必須とすると発表しましたね。 井上:苦手科目を作らないという点でも、中高一貫校が有利。
国公立大学の合格実績を伸ばしている三輪田学園(千代田区)では、高校受験がない分、中学2~3年生で時間をかけて数学をやるんです。
進学校の海城(新宿区)や洗足学園(川崎市)など、高校募集を停止する私立の中高一貫校が増えていることも見逃せません。
高校入学組が入るとカリキュラムを複線化せざるを得ず、学校としては対応が難しいのでしょう。
洗足学園は海外大学合格実績の高い学校ですが、海外大学受験は大学情報も含めて中高一貫で時間をかけて力をつける必要があります。
──では、高校受験ならではのメリットはあるでしょうか?
酒井:最も大きなメリットとしては、高校受験は半分子どもで半分大人の時期にあるイベントになります。
親の影響力の大きい中学受験に比べて、ある程度自分の意思を持って進路を選べるのではないでしょうか。
──逆を言えば、それは中学受験のデメリットと言えます。
井上:親主体で受験が進む分、子どもに合わない学校を選び、最悪、不登校になるなど脱落するリスクがある。
例えば帰国子女枠での入学者は、一般入試枠の入学者より、退学や転校が多い。
帰国子女向けの入試は入学枠が別にあったり、試験も一部免除されたりします。
そうなると親は欲が出て、損得で学校を選び、結果として学校選びを間違ってしまう。
昔は偏差値順に学校を決めていれば良かったのですが、今は同じ進学校でも麻布、開成、武蔵を校風で選ぶ時代です。
小学校4年生くらいから、子どもを真ん中にして、家族で話していかないと駄目なんです。
──小学4年生からですか?
井上:主な中学受験塾の本科コースは4年生からです。
ただ、我々のなかでお父さんを「ラスボス」と呼んでいます。
最初からお父さんの姿が見える家庭はトラブルが起こりませんが、お母さん主導の場合、小6の最後になってお父さんが登場し、進路が180度変わることもあります。
酒井:高校受験の場合は、中学1年生から通塾する生徒が多いですね。
早稲田アカデミーで言えば、生徒数は最終的に中学3年で5800人程度になりますが、中1の夏の段階で約3200人。
その内、中学受験をしない小6クラスからの生徒が約1200人います。
〔2018年7/11(水)AERA dot.(構成/編集部・澤田晃宏)※AERA 2018年7月16日号より抜粋〕

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