Center:1999年2月ー『登校拒否関係団体全国リスト』の「あとがきに代えて」
『登校拒否関係団体全国リスト “99~2000年版』の「あとがきに代えて」
(出典『登校拒否関係団体全国リスト 99~2000年版』第1部(不登校情報センター編、あゆみ出版、1999年)
「99・2000年版」という、あまりしっくりこない年次をつけて、新しい『登校拒否関係団体リスト』をお届けします。
昨年の後半より、不登校情報センターは、新しく2つの分野での活動を具体化しました。
1つは仕事に関することです。
若者のなかに多くみられる、心から打ち込めるものを見つけたいのにそれがわからない、働きたいのだけれどもどんな仕事に向いているのかわからない
……こういう「わからない」から抜け出すルートづくりの取り組みです。
人材養成バンクという名称で、企業(事業者)と協力して、実習、研修、見習い、手伝い、あるいはアルバイト。
さらに本人がその気になり、企業(事業者)がよければ就職そのほかの形式で仕事に就ける道を開こうというものです。
不登校情報センターのもう1つの活動を具体化した分野は、訪問活動です。
特にひきこもり(とじこもり)の人にとってこれは重要な意味があると思います。
ひきこもりの程度によっては、人と出会うことは苦痛であり、とても疲れることです。
しかし長期にわたって人と会わず、太陽の光から遠ざかることは生命のエネルギーの回復を弱めてしまいます。
ひきこもりの人たちへの対応は、家庭をはじめ、多くの関係者が実にさまざまな工夫・創意をこらしているものです。
私たちは、それを訪問活動として始めました。
さいわい、トカネットという登校拒否の子どもたちへの家庭教師派遣をすすめているグループとの出会いがあり、動き出すことができたのです。
不登校情報センターの周辺(?)には、若者のこみゆんとクラブというグループがあり、彼らのなかにはメンタル・フレンドの活動をしたいという人もいます(こちらはまだ準備不足です)。
いずれこの若者たちも、自分たちの経験を生かし、動き出すでしょう。
この場会は、福祉の分野でいわれる自助グループ的な内容になるのかもしれません。
私は登校拒否を体験した若者に注目しています。
心から打込めるものを探そうとしている若者、自分の不登校の体験を生かして不登校・中退の子どもと若者に対応しようとする若者に注目しています。
まじめ、おとなしい、間違ったことができない、細かくて深い……この子たちの性格を表わすと、こういうことになるでしょう。
見ているとちょっと変なところもある、対人関係が苦手である、けれども私には、彼らが、心の奥から出てくるよびかけによって動いており、その場に流されて動き回ってはいけない、そこに確かさを感じています。
不登校情報センターは、これ以外の分野でもいろいろな取り組みをするつもりです。
いろいろな団体・機関とも可能な限り協力していきたいと思っています。
そういう団体、さらにこの『全国リスト』にはまだ掲載していない団体・個人からの情報提供をひきつづき求めています。
この本の読者の方で、ご自身や家族の問題で相談したい方、近くの相談先や対応機関をさがしておられる方は、ご連絡ください。