岡山・ホームレス支援きずな
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〒700-0821 岡山県岡山市北区中山下1-5-25 岡山YMCA内 |
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086-221-2822 |
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広がる伴走型支援 ホームレス 真の自立へ 個々に向き合い 継続協力 生活保護に頼らぬ仕組み
年末年始、各地の公園で炊き出しに失業者が並ぶ光景がめっきり減ってきた。
一方でホームレスには近年、多様で複雑な問題を抱える高齢や若年の困窮層が目立つ。
継続的な相談や協力を通じて自立につなぐ手法が、支援の主流になっている。
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昨年の大みそか。
岡山市の住宅地にある古い店舗を改装した一室で、近隣で暮らすホームレスや元ホームレスの人ら約20人が、ボランティアが作った年越しそばを食べながら紅白歌合戦を見ていた。
ＮＰＯ法人「岡山・ホームレス支援きずな」が年末年始の７日間開いた夕食の会だ。
約７年前までは、支援活動の軸は公園でのカレーの炊き出しだった。
そこで出会うホームレスに深く関わるほど「一人一人が抱える問題は幾つもあり、絡み合っている実態が分かってきた」と、きずな理事の豊田佳菜枝さんは明かす。
知的障害や精神疾患、多重債務、アルコールなどの依存症…。
生活保護を受けアパートに入っても孤立し、問題はそのままだった。
「本当に自立するには継続的なケアが不可欠。畳に上がってからが勝負です」。
行政や医療、福祉の専門職らとネットワークをつくる一方、ホームレスや元ホームレスの人と信頼関係を築き、日常の相談に力を入れてきた。
年末年始や週１回の食事会はその一環だ。困窮者の実態に即した支援で真の自立につなぐ、こうした伴走型ケアの必要性は近年、各地の支援団体の共通認識になっている。
その一つの方法として、ホームレスや困窮者向けのシェルター（一時的な住居）を運営するのは、愛知県一宮市の支援団体「のわみ相談所」だ。
元日の昼、同市の住宅街にあるシェルターの食堂。入居者らが訪れ昼食を共にしていた。シェルターを「居場所」としながら、同相談所などが運営する弁当工場や便利屋などで就労。
その間に相談所のスタッフらと個々の問題に向き合い、解決を図ることで「孤立を防ぎ、生活保護に頼らない支援の仕組みを形にしてきた」（三輪憲功・同相談所代表）という。
2015年度までの５年間で、シェルターを利用した計約470人のうち半数以上が、生活保護を受けずに自立した。
ホームレスが増えて社会問題となったバブル崩壊後から四半世紀。
就労支援が対策の中心だった時代を経て、支援の形は現場で進化してきた。
ただ、世間では「税の無駄遣い」「甘えている」といった偏見が根強い。
伴走型の支援に力を入れている、ＮＰＯ法人「ホームレス支援全国ネットワーク」（北九州市）の奥田知志理事長は「ケアを含めた支援によって、自立する人の割合はぐっと高まる。
社会的なコストも安上がりになる」と説明している。
厚労省調査 2003年 25000人→2016年 6000人 「実態反映せず」の声も
厚生労働省は、ホームレス自立支援法に基づき毎年、全国のホームレス数を調査している。2003年には約２万５千人だったが、16年は約６千人と減少傾向。
ただ、調査対象は公園や河川敷などにいる人に限られており、24時間営業の店や車中で寝泊まりする、潜在的なホームレス状態の人は含まれていない。
「調査結果は実態を反映していない」というのが、各地の支援団体の実感だ。（共同）
〔◆平成29（2017）年1月8日 京都新聞 朝刊本版〕
