フードバンク福岡
フードバンク福岡
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フードバンク福岡:活動広がる「子ども食堂」運営団体に提供 困窮者の生活再建にも一役/福岡
生産・製造過程で出る印字ミスや規格外などのために販売できない食品を必要な人や団体に無償で届けようと、福岡市内に設立された「フードバンク福岡」(永野英男代表)が活動を広げている。
永野さんは北九州市を拠点にするNPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」の副理事長も務めている。
食品メーカーが多く、人口規模も大きい福岡都市圏で協力先を増やしながら支援を強化していこうと、4月に団体を作った。
提供を受けた食品は、ひとり親世帯や地域の居場所として広がる「子ども食堂」の運営団体などへ届ける。
また、検疫時に開封して出荷できないため譲り受けた輸入バナナは、一部の学校で朝ご飯を食べずに登校した子どもたちにも提供し、食品ロスの現状を学び、朝食の大切さを実感する取り組みで活用する。
困窮状態の人の生活立て直しにも積極的に関わる。
福岡市内の1人暮らしの男性(43)は5月に「ご飯を1週間食べていない」とメールで訴え、フードバンクとつながった。
それまで、健康上の不安などを隠して仕事に就いては体調を崩して退職――を繰り返していたが、食品提供で永野さんと月2回会う中で、生い立ちや弱みをさらけ出した上で、再起への意欲を語った。
男性は先月から、永野さんの紹介で有償ボランティアに参加し、目指す再就職へ一歩踏み出した。
永野さんは「食品を渡して終わる一方通行ではなく、フードバンクを真ん中に、行政や連携団体とネットワークを組みながら必要な支援を届けたい」と話している。
フードバンク福岡のメールアドレスはfb‐fukuoka@roukyou.gr.jp
〔◆平成28(2016)年10月15日 毎日新聞 福岡都市圏版〕
学校で朝食を 心も満たして フードバンクと連携、無償 食品ロスへの意識高まる 福岡市の城香中
朝食を取らない生徒を減らそうと、福岡市東区の市立城香中が、始業前に食事を無料提供する取り組みを続けている。
地元のフードバンクや生活協同組合と連携し、まだ食べられるのに廃棄扱いされている食品を有効活用。
生徒は食品ロスの問題意識も深めながら利用している。
調理室の長テーブルにずらりと並べられた菓子パンやリンゴ、牛乳。
夏休み前の平日午前8時、部活動の早朝練習や自主学習で登校していた生徒を中心に約70人が集まり、友達とおしゃべりを楽しみながら朝食を味わった。
バレーボール部の練習後に利用した3年の川畠実久さん(14)は「朝ご飯を食べると、勉強に集中できる」とチョコパンを頬張った。
食事会は「朝食を食べていない生徒がいるようだ」というスクールソーシャルワーカーの指摘を受け、昨年4月から週2回実施。
食品はフードバンク福岡、グリーンコープ生活協同組合ふくおかから提供を受けている。
輸入時の検疫検査で開封されて廃棄処分扱いになったバナナや、傷のあるリンゴ、余剰生産されたパンなどで、味や品質に問題はない。
食事会への参加は自由だが、約200人の全校生徒の7割以上が利用。生徒たちからは「学校生活へのやる気が出た」「友達との食事が楽しい」と好評だ。
昨秋には放送部を中心に、食品が廃棄処分されている実情を取材して映像化。
全生徒の前で上映した。食品ロスについて学んだ結果、給食の食べ残しも減ったという。
熊本修治校長は「おなかが満たされないと、心も満たされない。三食きちんと食べる大切さを伝える活動として続け、生徒が落ち着いて学校生活を送れるようにしたい」と力を込めた。
○「朝食抜き」増加傾向
福岡市によると、市内の公立小中学校で週に4日以上朝食を食べていない子どもは増加傾向にあり、2015年度の調査では小学生で3.6%、中学生で5.6%に上る。
成人後はさらに増加し、朝食を食べていない20~30代の福岡市民は27.5%。
市は2020年度までに、朝食を食べる習慣がない小中学生を0%にする目標を定めて、子どもや保護者への啓発活動を行っている。
朝食を抜くことで集中力の低下や、昼食を大量に食べて肥満につながるなど悪影響が指摘されている。
こうしたことを背景に、学生に朝食を取ってもらおうという取り組みは大学にも広がっている。
九州産業大では、13年から期間限定で通常260円の学生食堂の朝食を100円で提供。
15年からは年間を通して、1日100食限定で販売している。福岡大や九州共立大も100円朝食の取り組みを導入している。
〔◆平成28(2016)年8月29日 西日本新聞 夕刊〕