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双方向性を活用したe-ラーニングのサポート体制

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2011年7月21日 (木) 18:01時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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双方向性を活用したe-ラーニングのサポート体制

~インタラクティブ環境と協調共同学習~
『情報社会におけるITの活用ーその3』
庄司一也(中央法律専門学校 専任教員)

前回『情報社会におけるITの活用ーその2』では、「e-ラーニング」の具体的学習方法や学習内容を紹介しました。
今回はその「e-ラーニング」の根幹を成す、①「学生サポートシステム」と、「e-ラーニング」がその他の通信教育と区別される、②「双方向性(インタラクティブ)環境の充実」について見ていきたいと思います。
なお、(前回と同じく)現在「e-ラーニング」は多くの学校や企業、学習塾、その他講座運営機関にて用いられており、学習システムやサポート体制はそれぞれの教育提供側によって異なりますが、多くの機関の「サポートシステム」と「双方向性(インタラクティブ)環境」はおおかた以下のとおりになると思います(実際に3つの大学での私の学習経験・教育経験を基に紹介させていただきます)。


まず、サポートシステムですが、これはサポートスタッフが明確化しているということが大きな特徴の1つです。
教育機関(提供側のこと・以下便宜上「学校」とします)はそれぞれの独自性を活かし、専門スタッフをおいてサポート体制の充実化を図っています。
なお、学習者に一番近い存在のサポートスタッフはe-ラーニング業界では「メンター」と呼ぶのが最も一般的です。
もちろん学校によっては、「チューター」であったり「ティーチングアシスタント」や「学習アドバイザー」など多様な名前が付けられていたりして、それ自体は自由なのですが、本来のこの業界の正式な職名は「メンター」です。
以下は「メンター」で統一して具体的サポート内容に入っていきます。


実はこのメンターというものは、WEB上の出席促し・欠席時の相談や励ましなど、いわば学習カウンセラー的な役割を果たすことが多く、実際の授業内容についての相談・指導は「教員(インストラクター)」が行うのが一般的です。
しかし、このメンターの業務範囲も各学校によって明確ではなく「こうでなくてはならない」といった規則や規定も原則無いため、学校独自のサポート体制の確立を図り、サポートサービスの質や内容を売りにすることもあります。
しかしこのサポート内容こそ、学習者にとっては最も大切なことの一つなのではないでしょうか。
ここで、私が以前、とある大学で経験したサポート内容を簡単にご紹介します。


まずメンターは、授業のお知らせや、その他連絡事項を、お知らせページやメール配信し、クラスの連絡係的な役割を果たします。
そして、その連絡に対して質問があった場合、適宜適切な回答メールを出して学生をサポートします。
質問が多ければ、お知らせのページでクラス全員に周知したり、FAQなどを作成するなど、メンターはクラス作りの大切な役割を担っています。
また、場合によっては、テレビ会議システムを利用して相手の顔を見ながらWEB上でコミュニケーションを取り問題点や疑問点を解決します。
ここで1つ提案なのですが、実際に私がメンターをしているときでも、学生の方でテレビ会議システムに顔を出すのに抵抗を感じる方もいました。
その際は、事前に連絡をいただいて、「顔出しは無」ということで、私のほうだけWEBカメラにて顔画面を表出し、WEB相談を行いました。
いずれにしても、そのWEB会議システムを利用することによって、音声はもちろんのこと、PCの画面上にスライドや資料を掲載しながら説明をしたことによって、おおかたの質問は解決しました(ここで重要なのは「ネットマナー」や「コンピューターリテラシー」なのですが、それはまた機会のあるときにお話します)。
次に、授業の質問に対する対応です。
基本的に当時の(私が経験した)メンターは一次回答にとどまり、最終回答は教員(インストラクター)からということでした。
ただし、私のほうで回答できるものは最終回答をし、それで学生さんが納得すれば終了、まだ疑問点があればさらに教員から補足回答という流れでした。
また、学習上の質問には、できるだけ学生さんにわかりやすいように、メールを簡潔にまとめたり添付資料や参考リンクを提示しサポートのさらなる充実化に努めました。
なお、質問の多いものは、FAQにして学習環境の効率化を図りました。
また、学習や履修内容、学生生活に関する質問も受け付けることがありました。
特に履修内容に関しては、いわば「ラーニングアドバイザー」のような形で、その学生さんが卒業後をどのようにイメージしているかで、履修科目の選択と受講科目の優先順を案内したり、イメージ像を作ってみたりと学生さんの気持ちになって対応に努めました。さらに、こうした私(メンター)からの回答や説明に対し、さらなる学生からの質問・回答が続き、まさに双方向性の学習環境が構築されました。
その他にも、学校独自のノウハウを活かし、システムやテクノロジー分野をサポートするスタッフやセンター、または学生生活や進路相談(就職・進学)をサポートするスタッフやセンターなどによって、学生一人ひとりを総合的にサポートしていきました。
また、学習上の疑問や興味分野を、LMS(学習管理システム)上の掲示板において学生同時で議論やディスカッションをすることによって、学生間の交流と知識を深めるのみならず、WEBコミュニケーション能力の向上も図れるという、双方向性教育ならではの環境を提供することができました。
すなわち、メンターや教員等のサポートスタッフのみならず、学生同士においてもコミュニケーションを積極的に図りながら学習を進めていくという、副題の「協調共同学習」を推進・実現したわけです。
しかし、前回お話したとおり「e-ラーニング」の学習者には、どのような学問分野においても主体性が求められます。すなわち、自己の強い学習意思・判断の下で学習を進めていく必要があります。
その中で、上記サポートシステムを上手に活用し、自己のさらなるスキルアップ(学力向上)を図っていくわけです。
以上が「e-ラーニング」のサポートシステムの特徴に関する簡単な説明ですが、そのシステムの前提に双方向性(インタラクティブ)環境が組み込まれていることが少しでもお分かりいただけたかと思います。
では、「e-ラーニングの学習内容」と「e-ラーニングサポートシステム」を理解した上で、学習者はどのように学習をしていけばよいのか。
次回はWEB学習理解力のさらなる向上を目標に、「e-ラーニングの効率的な学習方法」を分析・解説していきたいと思います。

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