大島子ども家庭支援センター
大島子ども家庭支援センター
所在地 | 東京都江東区 |
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虐待防止 養育力サポート 都内児相対応、昨年度26%増 育児の基本伝える講座/東京
2016年度に都内の児童相談所が対応した虐待件数(速報値)は、厚生労働省によると前年度比26%増の1万2494件で、全国の都道府県で2番目に多かった。
増加の一途をたどる児童虐待の一因には、家庭の養育力の低下があると指摘されている。
都内では、育児の基本を伝え、親を支援することで虐待を防ごうという取り組みもある。
「子どもの良いところを見つけて、とにかく褒めることが大事です」。
江東区の大島子ども家庭支援センターで8月7日に開かれた区主催の「KOTOハッピー子育てトレーニング講座」。
母親10人が講師の話に耳を傾ける。いつ、どう褒めるのか、やる気を引き出す褒め方は--。
さまざまな場面を想定したロールプレーも行い、実践的な子どもとの関わり方を学んだ。
3人の子を持つ30代の女性は「しつけは怒鳴るより褒めるのが当たり前と学んだ。穏やかに接することで子どもとの関係が良くなってきている」と話す。
子育て支援のNPOのメンバーで、講師を務める木村由起子さんは「自分自身がたたかれて育っていたり、たたいてはいけないことを知らなかったり、しつけの仕方が分からない親もいる。学ぶ場があることが大切だ」と説明する。
社会福祉法人子どもの虐待防止センター(世田谷区)の理事長、松田博雄医師は、診察室での親子の様子などから、養育能力が年々低下していると実感するという。
「子どもを落ち着かせるため、自分の膝の上に乗せて座らせる方法も知らないなど、当たり前と思える育児の知識が伝承されていない。虐待防止の意味でも、子育ての基本を伝える親への支援は欠かせない」と訴える。
厚労省の担当者は「自治体や民間団体など子育てを社会で支えていく仕組み作りが必要だ」としている。
〔◆平成29(2017)年8月31日 毎日新聞 都内版〕