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お答え:様子を受けとめて自分で方向を決めるのを待つ―松田武己

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様子を受けとめて自分で方向を決めるのを待つ

〔質問088〕休み始めた子に転校・転学を勧めたい
高校1年生の母親から。
昨年の秋ごろから休み始め、だんだん休みが多くなりました。
それでも1年生は何とか終了しますが、2年になると本当に学校に行けなくなるのではないか。
出席不足や退学になるのではないかと心配しています。
新年度からは定時制や通信制に移って、午後から動き出すとか登校が少なくてもいい状態にしたいと思いますがどうでしょうか。

〔お答え088〕様子を受けとめて自分で方向を決めるのを待つ
子どもが学校を休み始めたことには意味があります。
それを受けとめる姿勢が大事です。
本当にがんばって登校をし続け、でも登校しなくてはいけないという葛藤のなかで無理やり登校をしていたのかもしれません。
そうであれば自分のペースをつかむために休むのを認めることが必要になります。
もしかしたら生徒のなかで違和感のようなものを感じているのかもしれません。
感情の同調がしないとか一人でいるのが好きなどです。
このような子どもの状態を子ども自身が把握し、対処するためのとまどいの時期がきているのかもしれません。
そういう周囲の状況に、子どもなりの感覚や方法で立ち向かうなかで自分を理解し、成長するものです。
転校・転学を親が先回りして決めていくのは、子どもの成長機会や過程を奪ってしまいかねないです。
子どもさんの動きを後ろから見ていて、心の中で応援してあげるのがいいと思います。
子どもは迷いながらも無理をすることがあります。
無理とがんばりの区別はつきにくいものですが、体調(顔色、睡眠、食事など)を見て無理をしているようなら休むように勧めてください。
子どもから聞いてくるとか甘えてくるようなことがあるかもしれません。
そんなときは正しい道筋を答えるのではなく、話してくれば聞いていく、子どもを受けとめるのがいいでしょう。
どうするのかは子どもさんが自分で見つけていきます。
それを待って、そして後押しをすればいいと思います。
転校・転学をまた同じです。
〔2011年3月〕

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