相生学院高等学校明石校
相生学院高等学校明石校
所在地 | 兵庫県明石市 |
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思いやる心、点字絵本で 高校生が制作し米へ寄贈
英字点訳に取り組む(左から)永江春輝さん、石井翔吾さん、竹内舞香さん=明石市貴崎1(写真)
通信制・単位制の相生学院高校明石校(兵庫県明石市)の生徒たちが、周囲への心配りの大切さを伝える絵本の英字点訳を完成させた。
うち1人が5月に米ワシントンの学校で目の不自由な子どもたちに届ける。
英字点訳に取り組んだのは中学時代などに不登校を経験した生徒が多く、かつていじめを受けたり、学校になじめなかったりした困難を克服した成果で、絵本を通じて思いやりの心を贈る。(藤井伸哉)
絵本はイラストが得意だった同校の女子生徒が、ボランティア活動の一環として教師の助けを借りながら制作。
古くなって傷ついた校庭のベンチを子どもたちが心配して助ける物語で、日本語と英語を併記し、2015年に出版した。
保育園での読み聞かせなどの活動を受け継いだ在校生約10人は、絵本の理念をより追及し、障害の有無に関係なく親しんでもらおうと、昨年12月から英字点訳に着手。
明石の点訳グループから指導を受け、専用器具を使いながら週1回5時間程度の作業のほか、自宅にも持ち帰り、休日返上で進めてきた。
こうした活動について、青少年の取り組みを支援する「第20回ボランティア・スピリット賞」(プルデンシャル生命など主催)に応募。
全国1687件の中から「米国ボランティア親善大使」を派遣する2件に選ばれた。
グループの代表で、5月5日に米国へ出発する3年の永江春輝さん(18)は、中学時代に嫌がらせを受けたり、頑張っていた学級活動が負担に感じたりして不登校になった。
「絵本のキーワードでもある『どうしたの?』と声を掛けてもらっていれば、状況が変わっていたかもしれない」と永江さん。
「思いやりの心は世界共通。差別やいじめがなく、障害の有無にかかわらず住みやすい社会が訪れてほしい」と力を込めた。
〔2017/4/26 神戸新聞NEXT〕