フードバンク高松
NPOフードバンク高松
所在地 | 香川県高松市瓦町2丁目1-11 |
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TEL | 087-835-0157 |
FAX | |
NPO「フードバンク高松」が運営する「子ども食堂」
一方、今年7月にオープンしたNPO「フードバンク高松」が運営する「子ども食堂」。
ひとり親家庭の子どもなど十数人がこれまでに訪れたが、思ったほど多くないという。
フードバンク高松理事長の中山磨智子さん(72)は「チラシを置いてもらえるよう小学校にかけあったが、断られた。
子どもが気軽に集まれるような場所にしたいが、『子ども食堂に行くと貧困家庭だ』と思われたくない親が多いのかもしれない」とみる。
支援が必要な子が気軽に立ち寄るには、どうすればいいのか――。
先月末、子ども食堂を運営する団体の関係者が集まり、課題を話し合った。
参加者からは「問題はどうやって子どもたちに来てもらうか」「家庭の問題がデリケートで子どもへの声かけが難しい」といった声が相次いだ。
香川スクールソーシャルワーカー協会の藤沢茜会長(36)は「『貧困』に限らず子ども食堂はみんなの居場所だということがうまく伝われば、学校の先生にも活用しようと思ってもらえるはず」と話した。
□必要な支援、届くか懸念
子どもの貧困問題については、県もさらなる対策に乗り出した。県によると、生活保護を受けている世帯の子どもは2014年度は約1600人。
一人親の世帯数はこの20年間で1・5倍になっており、14年度の母子世帯のうち年収200万円未満は58%、父子世帯では350万円未満が63%。
一人親世帯の4分の3が生活が「苦しい」または「やや苦しい」としている。
経済的理由で就学困難だと認められ、学用品などの就学援助を受けている小中学生は12年度で約1万800人。
全児童生徒の13・3%にあたる。
14年8月に国の「子供の貧困対策大綱」が閣議決定されたのを受け、県は昨夏、具体的な計画を策定。
今年9月には貧困の状況を把握し、どのような支援が必要か、支援機関や子どものいる県内6658世帯の保護者を対象にした無作為抽出の調査を実施した。
保護者向けの調査では「1週間にどれくらい子どもに晩ご飯を用意するか」「1週間にどれくらい子どもだけで晩ご飯を食べるか」といった生活状況も尋ねている。
県子育て支援課の担当者は「家庭や子どもの状況により必要な支援は異なる。
現行の行政による支援が本当に子どもたちに届いているのか、どのようにつなげていけばいいかを検討していきたい」と話した。
(◆平成28(2016)年12月26日 朝日新聞 大阪地方版朝刊)
子供食堂:オープンへ 楽しい雰囲気で温かい食事を 利用促進へ学校と連係 来月から、フードバンク高松 /香川
企業や個人から寄付された食料品を必要な人に提供する団体「フードバンク高松」(高松市瓦町2の1の11)が設立された。
食べ物に困っている家庭の子どもたちに夕食を出す「子供食堂」を9月にも始める。
理事長の中山磨智子さん(72)=さぬき市鴨部=は、「温かい食事をたっぷり、楽しい雰囲気で食べてもらいたい。二つ目のおうちと思ってくれたら」と話している。
フードバンクは、規格外商品や賞味期限が近い未開封の食料品を、必要としている人や施設に提供する活動。
品質や安全性に問題がないのに捨てられてしまう食品の有効活用も兼ねる。
県内では2014年、県社会福祉協議会が事務局を務める「フードバンク香川」が設立された。
中山さんは、日本の貧困世帯の多さとフードバンクの活動をテレビで知った。
生活に困った家庭の子どもがお菓子だけで一日をしのぐ様子に心を痛め、今年2月に団体の設立を決意。
高松市内の飲食店街にあり、閉店した居酒屋を借り受けた。
夫の猛留さん(78)や親類ら11人をメンバーとして集めた。
子供食堂はビル1階の約20席。
毎週1回、水曜の午後3時半から5時まで開く予定だ。
1人100円で、中山さん夫妻が自宅で育てた旬の無農薬野菜をふんだんに使う。
中山さんは「子どもは体をつくらないと勉強にも身が入らない」と心配し、夏の間は甘いスイカで子どもたちを迎える予定だ。
周辺の学校教員や民生委員と連携し、子どもや保護者に利用を呼び掛ける。
毎回、月曜夕方までに予約が必要で、食品アレルギーの有無を伝えてもらいたいという。
また、フードバンク高松は平日の午前10時~午後5時、食料品の寄付や受け取りたい人に対応する。
問い合わせは、フードバンク高松(087・835・0157)。
〔◆平成28(2016)年8月19日 毎日新聞 地方版〕
「子ども食堂」「フードバンク」開設へ 無駄減らし、困窮者支える試み 高松/香川県
地域の子どもに安く食事を提供する「子ども食堂」が15日、高松市街地にオープンする。
賞味期限が近い食品を企業や個人から譲り受け、福祉施設などに配る「フードバンク」も同時に進め、食品の無駄を減らしながら生活困窮者を支える試みを始める。
さぬき市鴨部の元会社員中山磨智子さん(71)が代表を務めるNPO「フードバンク高松」が運営する。
子ども食堂は毎週水曜の午後3時半から5時に、高松市中心部の瓦町2丁目に開く。
自宅で夫の猛留(たける)さん(78)と育てている25種類ほどの無農薬野菜をふんだんに使った食事を1人100円で提供する予定だ。
フードバンクの活動や子どもの貧困について伝えるテレビ番組を2月に見た中山さんが
「食べられるのに捨てるものが多い一方で、空腹をこらえている子どもがいるなんて。周りの大人が守ってあげなければ」と、一念発起して立ち上げた。
地域の民生委員や学校教諭の協力を得ながら、支援が必要な子ども20人程度を招いていくという。
フードバンク高松は、賞味期限が最低1カ月ある食品の提供を呼びかけている。
スーパーの売れ残り品、賞味期限が近づいて入れ替える企業の災害備蓄品、贈答品などで、常温保存できる未開封のものが対象。
食材は食堂で活用するほか、社会福祉協議会を通じて児童養護施設などに提供する。
運営費としての寄付金も募っている。
問い合わせは平日にフードバンク高松(087・835・0157)へ。
〔◆平成28(2016)年7月10日 朝日新聞 大阪地方版朝刊〕