全国精神障害者ネットワーク協議会
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精神疾患の回復 貧困で遅れ 飯塚のNPO法人 患者1000人にアンケート /げんき日和
□医療と健康□
貧困が精神疾患の回復を遅らせている-。
そんなアンケート結果を、九州在住の精神障害者でつくるNPO法人・全国精神障害者ネットワーク協議会(ゼンセイネット、福岡県飯塚市)がまとめた。
同協議会は「治療も大事だが、効果的な回復には収入の安定が不可欠だろう」としている。
アンケートは昨年末から今年2月末にかけ、九州を中心とする全国の在宅患者約6千人に送付した。回答者数は1043人(回答率17・9%)。
その結果、今の経済状況を自己判断で「裕福」としたのは3・4%にとどまり、「普通」は54・2%、「貧困」は42・4%に達した。主な収入源は「障害年金」(56・8%)、「生活保護」(20・4%)、「親などの援助」(11・9%)、「就労」(10・9%)。
さらに、経済状況を「普通」と答えた患者のうち「現在、(病状が)回復している」が61・5%、「一度も回復の経験はない」が19・5%などだった。
一方、「貧困」とした回答者では「回復している」が41・9%と19・6ポイント、「回復の経験はない」が31%と11・5ポイント、それぞれ差がついた。
ただ、収入確保につながる一般就労も簡単ではない。
「A型」「B型」と呼ばれる、障害者の就労訓練施設に通う患者に、このまま訓練を続けて「一般就労は可能か」聞くと「就労できない」「絶対できない」合わせて53・7%に及んだ。
同協議会の山梨宗治事務局長は「施設での人間関係の難しさなどから、訓練が必ずしもうまくいっていない。就労だけが唯一の解決策ではなく、患者の実情に沿ったきめ細かい支援と理解が必要だ」としている。
今回のアンケート結果は、報告書「精神医療ユーザーの本音と数」(税込み2700円)としてまとめた。購入問い合わせは、同協議会=0948(25)8939。
〔◆平成28(2016)年10月8日 西日本新聞 朝刊〕