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ゆるきち

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
2017年3月20日 (月) 12:19時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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フリースペース ゆるきち

所在地 北海道札幌市東区
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[子どもの貧困](上)ひとり親世帯 進学に影(連載)=北海道
◇長女の口癖「いいよ、大変だし」
昨年の大みそかの夜。
札幌市内にある市営住宅の6畳間の食卓に、コンビニ店で買ったカップ麺のそば四つとショートケーキ1個が並んだ。
1DKの住宅には、30歳代の母親と、小学6年から4歳までの子ども3人が暮らす。
「行きたい高校や大学に行けるように、お母さんも頑張るから」 母親は、そばをすすりながら、申し訳なさそうに切り出した。
小6の長女は首を横に振った。
「いいよ、お母さんも大変だし」
最近の長女の口癖だ。
すっかりおしゃべりになった4歳の次女もまねし始めた。
この日、長女は12歳になった。
前日は母親の誕生日で、小4の長男も12月生まれ。
いつもは節約のため消しているテレビも約1か月ぶりにつけた。
母親は4年前に離婚した。
酒癖の悪い父親は、家族に暴力をふるった。子どもにも手を上げるのに耐えかね、あざの残る腕で子ども3人を抱えるように、市営住宅に越してきた。
現在は週5日、事務職のパート勤務で朝から夕方まで働く。
年収は、貧困世帯の一般的な基準とされる年収200万円を切る。
生活保護も受給して、家計はやっとの状態だ。
「少しぜいたくをする日」と4人が決めている大みそか。
だが、昨年は、スパゲティやザンギといった恒例の手料理は並ばなかった。

昨春、子宮筋腫を患った母親は痛みがひどく、台所に立てなかった。
病状が悪化すれば、生活保護が唯一の収入源になるかもしれない。
教育費はどんどん増える--。母親は眠れない夜が続く。 
     ◎
家庭の貧困は、子どもの学ぶ機会に影を落とす。
1月下旬。
学生向けのフリースペース「ゆるきち」(札幌市東区)の2階では、高校受験を控える約10人が、真剣な表情で3科目の模擬試験に取り組んでいた。
その1人、市内の中学校に通う女子生徒(15)は奨学金を取って進学を目指す。
夢は、動物看護師になることだ。
3歳のとき、父親が病死した。
かつて経済的理由で大学進学を断念した母親は、娘の夢をかなえようと朝から晩までパート勤務に励む。
女子生徒は「経済的に恵まれていなくても、少しの支えと自分の努力があれば夢をかなえられると証明できたら、少しは恩返しになるかな」と照れ笑いを浮かべた。
フリースペースは市内で無料塾を運営する特定非営利活動(NPO)法人「カコタム」が無料開放する。
カコタムは現在、市内4か所や苫小牧で、主に経済的理由で塾に通えない小学生から高校生までの約150人に無料で主要科目を教えている。
利用者の9割は、ひとり親世帯。
夕食を提供する施設もある。
厚生労働省の調べによると、貧困世帯の子どもの大学進学率は31・7%とされる。
生活保護受給世帯の子どもの約3割が将来、生活保護を受けているとのデータもある。
カコタムの高橋勇造代表(30)は「親から子への『貧困の連鎖』は深刻で、自治体や地域が早急に知恵を出さないといけない」と危機感を募らせる。
〔◆平成29(2017)年2月4日 読売新聞 東京朝刊〕 

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