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こどもL.E.C.センター

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こどもL.E.C.センター

所在地 熊本県益城町
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○「特効薬なし 息長く治療」 熊本の児童心理施設
心が傷ついた子どもたちは、治療施設でどんな日々を送っているのか。
2001年、九州で最初に開設され、小学生から高校生まで35人(16日時点)が入所する熊本県益城町の「こどもL・E・Cセンター」を訪ねた。
「おまえなんか存在価値もないのに」。
中学2年の女子生徒は入所当初、思い通りにならないと相手にこう言い放っていたという。
見たいテレビを決めるじゃんけんで負けただけで暴れることもあった。
宮本裕美施設長(53)は「鬼の形相だった」と振り返る。
入所者の7割は親から虐待を受けた経験があり、多くは対人関係をうまく築けないまま保護される。
この生徒も養父に「おまえなんか必要ない」と言葉の暴力を受け、食事を十分に取れない育児放棄状態だった。
彼女の暴言は愛情を確認する「試し行動」ではないか。
まずは子ども全員分ある個室で過ごさせながら、心理療法士が定期的にカウンセリング。
児童指導員らが人との接し方を理解できるよう一緒に遊び、徹底して褒めた。
入所から1年、職員に「添い寝をしてほしい」と甘えられるようになり、新しい入所者の面倒も見るようになった。
センターは職員40人態勢で運営され、心理状態に応じて治療や教育の個別プログラムを組み、これまでに約200人をケアしてきた。
平均入所期間は約3年。スタッフの一人は「特効薬はない。愛情をもって向き合う息の長い取り組みを心掛けている」と話す。
宮本施設長は「環境が変われば子どもも変わる。早期支援が大切で、そのためにも施設の必要性を知ってほしい」と訴える。
     ○ワードBOX=児童心理治療施設
虐待やいじめが原因で集団行動への不適応や自傷行為、言葉が出なくなるなどの心理的障害を来した子どもを短期入所や通所で受け入れる児童福祉施設。
専門医や心理療法の担当職員が治療、支援する。
情緒障害児短期治療施設と呼ばれてきたが、誤解や偏見につながるとの指摘から、4月に名称が変更される。
〔◆平成29(2017)年2月18日 西日本新聞 朝刊〕 

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