ふうどばんく東北AGAIN
所在地 | 宮城県仙台市 |
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ページ名ふうどばんく東北AGAIN、宮城県仙台市、(子ども食堂・フードバンク)
「フードバンク」県も支援 困窮者向け事業 =宮城
◇保管場所や運搬費 苦しむ団体も
企業や家庭で余った食品を引き取って福祉施設などに提供する「フードバンク」の活動が、県内でも広がっている。
生活困窮者向けの支援手段としても注目されており、県も新年度から支援事業に乗り出す。15日には、仙台市でフードバンク団体や企業など関係者約40人が集まり、情報交換会が開かれた。
農林水産省の2013年度の調査で、品質に問題がなくても規格外などの理由で食品メーカーが廃棄したり、家庭で食べ残されたりする「食品ロス」は、国内で年間計632万トン(推計)に上る。
フードバンクは、そのうち賞味期限の切れていないものを集めて、食料を必要とする人の元へ届ける取り組みだ。
公益財団法人「流通経済研究所」によると、日本では00年頃から広まり、NPO法人や任意団体など全国で約80団体、県内でも3団体が活動している。
15年度に生活困窮者自立支援法が施行されたこともあり、増加傾向にあるという。
震災後は、企業などで食品を備蓄する取り組みが進み、今後そうした食品の賞味期限が迫ってきた場合、引き受けるケースも増えそうだ。
しかし、フードバンク団体は人手不足が深刻で、食品の保管場所や運搬費用に悩む団体もある。
この日、東北農政局が主催する情報交換会に集まった関係者からも苦しい実情が聞こえた。
NPO法人「ふうどばんく東北AGAIN」では、有給スタッフは6人いるがそれでは足りず、無給の役員5人とボランティアの手も借りて運営している。
白木福次郎理事(69)は「生活困窮者のSOSに応えることができて活動にやりがいは感じるが、マンパワーに限界がある」と漏らす。
多賀城市や東松島市などの約50世帯に毎月食べ物を届けているというNPO法人「いのちのパン」の大友幸証副理事長(39)は「宅配にはガソリン代もかかる。行政の支援がもっとあると助かるのですが……」と話していた。
フードバンク団体には現在、国が活動費を助成する制度を設けているが、予算規模は全国で1570万円(今年度)と、十分ではない。
県は新年度から独自に支援事業を開始させるため、関連予算案480万円を県議会2月定例会に提出する。
〔◆平成29(2017)年2月16日 読売新聞 東京朝刊〕