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札幌市母子寡婦福祉連合会

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所在地 北海道札幌市
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周辺ニュース

ページ名札幌市母子寡婦福祉連合会、北海道札幌市、(生活困窮者の周辺ニュース)
[子どもの貧困](下)「また来て」冷たい窓口(連載)=北海道
◇行政 悩み把握しきれず
札幌市内に住む40歳代の女性は、市の就労支援窓口で昨年11月、担当者に言われた言葉が今も忘れられない。
ひとり親で「無収入でいられない」と自身の苦境を説明した時のことだ。
「病気を治してから、また来てください」
昨年春に離婚した女性は、高1と中2の息子2人と暮らす。
長男は、高校で野球部に入ると意気込んでいたが、離婚直後、入部費用がかさむと知り「今のうちの家計じゃ、無理だろ」と入部を諦めた。
子どもに苦労させまいと近所のスーパーマーケットなど二つのパートを掛け持ちした。
頑張りすぎたのか、半年後、激しい動悸(どうき)に襲われた。
仕事終わりに勤務先のスーパーで買い物をした後、気が付くとレジを通らず店を出ていた。
万引きと思われ、スーパーから休職を勧められた。
事実上のクビだった。
「軽度のうつ」と診断されたが、育ち盛りの子ども2人がいる。
すがる思いで足を運んだ市の窓口で、あの言葉を言い渡された。
女性は「仕事や子育ての悩みはつながっている。
窓口から『その相談は受け付けない、あちらにどうぞ』と言われ、心身の負担が大きかった」と当時を振り返る。
女性は先月、ひとり親を支援する民間団体「札幌市母子寡婦福祉連合会」の相談窓口を訪れ、他のスーパーを紹介された。
女性は先月下旬から再びパート二つをこなす。
年収は貧困世帯の一般的な基準とされる約200万円を少し超える。
体調は万全と言えず、暮らしは楽ではない。
市から相談業務の委託も受ける同団体の大沼美由紀事務局次長は「離婚後のショックで、不安を整理できていないひとり親は多い。窓口対応が不十分で、相談することがストレスになっては本末転倒」と批判する。
     ◎
「保護者の家庭状況や相談内容を、窓口同士で共有しておらず、経済的に困窮する親子の全体像も把握していなかった」  貧困状態の保護者に仕事を紹介する窓口業務に従事する市の担当者は、市が抱える課題を率直に認める。
行政にとって最大の課題は、子どもの貧困問題には複合的な支援策が必要なことにある。
市では経済状況や生活保護などは「保健福祉局」が担当し、子育て支援は「子ども未来局」が担う。
教育委員会や児童相談所が関わることもある。この担当者は「子育てや経済支援は専門性が高い。
プライバシーへの配慮も考えると、相談内容を共有しづらい」と葛藤を明かす。
     ◎
「子どもの貧困対策」を公約の一つに掲げた秋元克広市長が2015年に就任。
市は、貧困状態に陥りやすいひとり親世帯に対し、残業時に家事や保育を代行する支援員の派遣や、子どもが病気になった際の医療費助成といった支援策を用意する。
ただ、市が3日に中間報告を公表した子どもの貧困問題に関する保護者アンケートでは、区役所に相談した経験のある保護者は全体の約12%にとどまった。
今回の調査は、対策を練るための現状把握にすぎない。
道は同年12月、「子どもの貧困対策推進計画」を取りまとめ、昨年、実態調査も始めた。
道内自治体の取り組みは、緒に就いたばかりだ。
〔◆平成29(2017)年2月5日 読売新聞 東京朝刊〕 

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