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「働く貧困層」堺1割超 5~17歳の子ども持つ世帯 昨年「赤字」3割 =大阪
堺市で5~17歳の子どもを持つ世帯の1割超が、ワーキングプア(働く貧困層)の指標とされる年収200万円未満であることが市がまとめた統計データから分かった。3割が昨年の家計を赤字と答え、経済的理由で子どもの進路を変更した家庭もあった。市は結果を分析し、2017年度予算案に盛り込む対策を検討する。
市が調査を行うのは初めて。昨年7~8月、5歳、小学5年生、中学2年生、16、17歳の子を持つ家庭のうち、6000世帯を抽出し、収入や暮らしぶりなどを聞く35項目の調査用紙を郵送。2499世帯(41・6%)から回答を得た。同様の調査は、府も各自治体と協力して行っているが、市は「より詳細に実態を把握したい」として対象を拡大し、質問項目も独自に用意した。その結果、年収200万円未満は265世帯で10・6%に達していた。2015年の全国平均は6・4%といい、これを大きく上回る格好となった。この「困窮」世帯を子どもの年代別で分析すると、小中学生が52%を占め、16~17歳は24・5%、5歳は21・5%となっていた。年収ごとに見ると、100万~150万円未満が32%、150万~200万円未満は28・6%、50万円未満は17・3%だった。昨年1年間の家計が「黒字」と答えたのは全体の32・2%で、「赤字」の31・4%をわずかに上回った。だが、「赤字でもなく黒字でもない」が28%あり、収支がギリギリの状態で生活している世帯が多いことも浮かび上がった。進学については、「大学まで」を希望する世帯が64・7%だった一方、3%は希望通りに子どもが進むとは「思わない」と回答。その理由(複数回答)として、47・4%は「経済的な余裕がない」を挙げた。市子ども企画課は「生活保護世帯の分析などと比べ、子どものいる家庭の経済状況は見えにくい一面があったが、今回、行政が施策を考える上で基礎資料にできるようなデータを得られた」としている。
〔◆平成29(2017)年1月23日 読売新聞 大阪朝刊〕