就労支援センター和貴の郷
所在地 | 鳥取県鳥取市 |
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鳥取県、障害者の工賃上げ 日本財団と協力、まず宅配弁当で
鳥取県と日本財団(東京・港)は福祉事業所で働く障害者の工賃を全国平均の3倍程度まで引き上げる共同プロジェクトを始めた。
第1弾となる弁当宅配事業が20日にスタートした。
同財団の助成を受けて来年以降、新たに県内5カ所で事業を始める。
日本財団は鳥取でモデルを確立し「全国への横展開を目指す」ことも狙う。
弁当宅配事業をするのはNPO法人「就労支援センター和貴の郷」(鳥取市)。
同センターに隣接する空き店舗を購入、新たに厨房設備などを整備し、センター内の宅配用弁当の調理部門を移した。
店舗購入費以外の事業費は3000万円弱。
うち2100万円強を日本財団が助成した。
弁当宅配を現在の3倍の1日300食まで増やすのが当面の目標だ。
事業拡大をにらみ、保冷設備を備える宅配用車両を2台導入した。
合わせて宅配担当の職員を5人増やし8人にした。
鳥取市中心部に1人で暮らす高齢者の見守り支援なども手掛けるため、今後市中心部に販売拠点を設ける計画も立てている。
同センターは、宅配弁当のほか、食品加工や包装作業などを受託している。
厨房設備移設で空いたスペースを生かし、これらの事業も拡大させたい考えだ。
宅配事業の拡大と合わせ、1日当たりの工賃を現在の月額3万1988円から、まずは2017年末までに5万8400円まで引き上げることを目指す。
県によると来年1月以降、5つの福祉事業者が商業印刷用カラープリンターやセントラルキッチン整備、スイーツ専門カフェなど、既存事業を拡大するための初期費用に日本財団の助成を充てる。
同財団国内事業開発チームの竹村利道リーダーは「最終的に県内15カ所ほどでモデル事業を展開し、その成果を全国に発信したい」と話している。
県と日本財団は15年11月に「日本一のボランティア先進県」を目指す地方創生プロジェクトの推進で協定を締結した。
工賃3倍増も同プロジェクトの一環だ。
【障害者就労支援に3形態、自立を支援】
障害者総合支援法では就労支援に3つの形態を定めている。一般事業所で働くことが可能な人向けに職業訓練などをする就労移行支援所、比較的障害が重い人向けで雇用契約に基づく就労が可能な「A型」と、困難な「B型」だ。雇用契約が結べないB型では、就労への対価は工賃と呼ばれる。厚生労働省によると、2014年度の全国の平均工賃は月額1万4800円程度。全国に約9100事業所があり、約19万人が働いている。B型事業所で工賃を3倍に引き上げられれば、障害基礎年金と合わせて月収が10万円程度となり、自立につながるとみられている。社会保障費抑制のほか、障害者の社会参加促進にもつながると期待されている。
(◆平成28(2016)年12月23日 日本経済新聞 電子版)