松山大学
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発達障害の学生支援 松山大、カウンセラーら常駐 愛媛大、教員ら情報共有図る
障害者差別解消法の施行(2016年4月)などで発達障害への支援が進む中、愛媛県内の大学も取り組みが始まっている。
授業の選択をはじめ学内外のさまざまな場面で自主性が求められる大学生活は、発達障害の症状によっては本人への負担が大きい。
留年や退学につながるケースもあり、大学側も支援の在り方を模索している。
県内の短大に通う男子学生(19)は数年前、発達障害の中の自閉スペクトラム症と診断された。
急な予定の変更などにうまく対応できないほか、他人の視線や気配、音を苦痛に感じる。
授業中に突発的な音が鳴ると、頭が重くなり反射的に体が萎縮するという。
短大では講義のスケジュールなどをすべて自分で管理しなければならず、時間変更などの見逃しは、すべて自分に跳ね返る。
集団行動を強いられる機会が多かった高校時代と比べれば過ごしやすい面もあるが「自分で全部確認しないといけない。
主体的に取り組むのは苦手」と打ち明ける。
日本学生支援機構によると、2015年度の大学、短大、高専生で、発達障害と診断されている学生は3442人(前年度比約26%増)。
発達障害が疑われ、学校側が何らかの支援をする学生は2959人となっている。
愛媛大では十数人、松山大では15人前後を把握している。
松山大は15年10月、情報共有の規定を作り、障害がある学生を支援する体制を整えた。
16年10月からはカウンセラーと精神保健福祉士が常駐する個別支援コーナーを設置。
発達障害の学生にはリポート提出日の管理などの支援をするが、学生支援室の宇田英昭室長は、
高校までとは規模や在り方が違う大学で支援を求める学生が増えた場合、どこまで一人一人に合わせた対応ができるか懸念する。
愛媛大は04年ごろから障害がある学生向けの相談窓口を整備しているが、複数の発達障害の学生を担当した愛媛大の教員は、窓口間の意思疎通が不十分と指摘。
現在は講義の担当教員に配慮を求める文書を渡すなどし情報共有しているが、
具体的な指示がないなどの課題はあり「卒業までの継続的な支援には、障害の早期発見と全学でのサポートが必要」と訴える
(2016年12月31日 愛媛新聞)