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児童虐待相談の対応、4年連続過去最多の1761件 長野
平成27年度に県内の児童相談所が児童虐待の相談に対応した件数は1761件で、4年連続で過去最多となったことが、県こども・家庭課のまとめで分かった。
核家族化による家庭の孤立化や養育力の低下、経済的貧困による子育てへの重い負担感のほか、虐待事案の相次ぐ報道を受けた社会的関心の高まりにより、相談自体が増えたことが要因とみられる。
対応件数は、県内5カ所の児童相談所で受け付けた内容を集計したもので、前年度に比べて123件増えた。
県こども・家庭課は「虐待と思われる児童を発見した県民や市町村の関係機関が、速やかに児童相談所へ通告する事例が増えているのではないか」と分析している。
ただ前年度比の増加率は7・5%で、26年度の20・6%増、25年度の33・7%増に比べて鈍化傾向がうかがえる。
同課は「虐待の実態の増減を正確に把握することは難しく、一概に鈍化しているとは言えない」としている。
虐待の種別で最も多いのは、家庭の外からは見えにくい「心理的虐待」の1027件。
脅したり罵倒したりする言葉の暴力や無視、兄弟間の差別的扱い、子供の前で家族に対して暴力をふるうドメスティック・バイオレンス(DV)などが該当し、前年度より202件増えて児童虐待全体の58・3%を占めた。
心理的虐待が増加した背景について同課は「家庭内での配偶者間の暴力事案が児童に対する心理的虐待に当たるとして、警察からの通告が増加していることなどが考えられる」と言う。
このほか、肉体への暴力や拘束などを行う「身体的虐待」が368件(前年度比18件減)、家に閉じ込める▽食事を与えない▽ひどく不潔にする-などの「ネグレクト」が355件(同43件減)、「性的虐待」が11件(同18件減)だった。
主な虐待者は、実母が837件(構成率47・5%)で依然として最多だが、前年度に比べて67件減少した。
一方で、実父が前年度より164件増えて778件(同44・2%)となった。実父による虐待が増加しつつあるのが近年の特徴で、構成比でみても実母は23年度と比べて9・2ポイント減少しているのに対し、実父は12・6ポイント上がった。
相談への対応は、面接指導が1629件、施設入所が61件、里親などの委託が5件、そのほか66件となっている。
同課は「児童を家庭から引き離す必要が生じる前に、市町村など地域の関係機関が連携して子供にきめ細やかに対応する重要性が増している」と話している。
〔◆平成28(2016)年8月6日 時事通信〕
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