のわみ相談所
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立ち直りへ近況報告200回 生活困窮者支援 一宮「救生の会」
【愛知県】一宮市で生活困窮者の支援活動を続けている「のわみ相談所」が、元ホームレスらの安否確認のために十年ほど前から月に二度開いている「救生の会」が十七日、二百回目を迎えた。
仕事に就いて順調に立ち直りを続けている人や、再び失職したり病気で苦しんでいたりする人たちが近況を報告する場で、互いに助け合う心のよりどころになっている。
十七日の午後一時、同市中町の梅ケ枝公園の集会所に二十~七十代の男女四十人が集まった。
元ホームレスや元ネットカフェ難民、戸籍のない人たち…。
のわみ相談所の支援を受けて住む場所と仕事を見つけた人たちだ。
「困っていることはない」と胸を張る人や、「仕事は続けているが給料が低い」と笑いを誘う人、「何を食べても味がしない」と打ち明けて助言を求める人などさまざま。
ギャンブル依存症だったという三十代の男性が定時制高校に合格したことを報告するなど、良い知らせも多かった。
会の目的は、いったん立ち直っても再びホームレスになってしまいかねない人を支えること。
四十六歳でリストラに遭い、その後は市内の工場で働いていた男性(50)が雇い止めに遭ったことを報告。
「有期雇用だということを会社から知らされていなかった。今は次の仕事を探している」と悔しそうに話した。
会の後には食料の配給があり、参加者はその後も顔見知りの人たちと立ち話を続けた。
知的障害があり、現在は警備の仕事をしている男性(21)は「ここに仲間がいるから心強い。次も良い報告がしたい」と話した。
所長の三輪憲功さん(69)は「この会が三百回目、四百回目の開催を迎えることがないよう、早く健全な社会になることを望みたい」と語った。
〔2016年4月25日・貧困ネット、平成28(2016)年4月19日 中日新聞 朝刊尾張総合版〕