カテゴリ:那覇市(沖縄県)
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那覇市
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◆<子どものいま これから> 居場所、10代後半にも 那覇に7月開所 総合的支援の場に 高校中退防止へ期待
那覇市は7月から生活困窮や引きこもりなどさまざまな課題を抱える10歳~18歳の子どもを対象に、生活習慣の改善や学習支援、食事の提供、就労支援を手掛ける居場所を開所する。
県内市町村にある子ども食堂を含む居場所は、小中学生の利用が多いと言われる中、10代後半まで対象を広げた居場所は珍しい。
那覇市は居場所での支援によって、高校中退の防止にもつなげたい考えだ。
居場所づくりは「子どもの包括的自立促進支援事業」と位置付け、内閣府の予算を活用する。
民間の事業所に委託し、居場所で生活保護世帯を含む困窮世帯の子どもたち約30人を受け入れる予定。
委託期間は7月~来年3月31日まで。那覇市は現在、受託事業所を募集している。
困窮世帯の中には、経済的な課題だけでなく、孤立や基本的な生活習慣が整っていないといった複数の課題を抱えているケースがある。
那覇市の事業では居場所の支援員が面接を実施し、利用者一人一人に応じた支援プログラムを作成し、総合的な支援を施す。
必要に応じて農業体験、ボランティア活動にも参加する。
集団の学び合いを通して、学習意欲を引き出し、自己肯定感の向上も目指す。
那覇市保護管理課の山城忠信班長は「これまで小中学生の支援を主に手掛けてきたが、中卒や高校中退の若者支援が十分ではなかった。若者の受け皿になりながらさまざまな支援機関と連携して自立を後押ししたい」と意欲を示した。
〔2016年6月6日・貧困ネット、平成28(2016)年5月30日 琉球新報 朝刊〕
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◆[なくせ 子どもの貧困] 貧困の子 那覇市支援 学習から就労まで 県内初 7月から
【那覇】那覇市は生活保護世帯を含む生活困窮世帯の10~18歳の子ども約30人を対象に、7月から「子どもの包括的自立促進支援事業」を始める。
幅広い世代で学習や生活面、就労支援までカバーする内容で県内で初めての取り組み。全国でもまれという。内閣府の貧困緊急対策事業を活用。
市は17日から委託業者の公募を始める。
経済的な貧困世帯だけでなく、親族や地域コミュニティーとの関わりが薄く孤立している子どもも対象とする。
集団生活での学びあいを重視し、子どもたちが安心して通える居場所づくりを目指す。
食事の提供や調理実習などを通じた食育も実施。
市が実施している無料塾などと連携し、学習、進学意欲の向上を図る。
また高校中退者らの就労をサポートし出口支援にもつなげる。
市担当課は「貧困の連鎖を断ち切るため、子どもと社会がつながるような人的ネットワークの構築を重視したい」と話している。
予算額は約1887万円。期間は7月から3月末まで。市ホームページでも事業内容を確認できる。
〔2016年5月28日・貧困ネット、平成28(2016)年5月17日 沖縄タイムス 朝刊〕
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◆高校進学90.5% 支援成果表れる 那覇 保護世帯の子ども
2016年3月に中学校を卒業した那覇市内の生活保護世帯の子どもの高校進学率が、90・5%と高い水準を維持していることが同市福祉部保護管理課のまとめで分かった。
生活保護世帯の中学3年生116人のうち105人が高校に進学した。
進学率は過去最高だった14年度の95・1%よりは下がったが、過去2番目の高さを維持した。
市では福祉部保護管理課の児童自立支援員5人が市内の全生活保護世帯の中学生約300人を対象に学校訪問や家庭訪問をして実態を把握し、課題解決へ支援を続けている。
このチームが発足した10年度から進学率は上昇傾向を続けており、取り組みの成果が出ているとみられる。
支援員チームでは高校入学や卒業だけでなく、その後の就労までを見据え、意欲の喚起や学習支援に努める。
市では本年度から児童自立支援員を13人に増やし、対象を小学生と高校生にも広げて対策に力を入れる。
〔2016年5月22日・貧困ネット、平成28(2016)年5月8日 琉球新報 朝刊〕
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◆<希望この手に 沖縄の貧困・子どものいま>
第3部(5) 中高生の居場所 Kukulu 学習、生活、就労を支援 中退と貧困化防ぐ
大型連休に挟まれた平日の昼間。那覇市牧志にある子どもの居場所「kukulu(ククル)」で、食卓を囲みながら中高生の笑い声が響く。
昼ご飯の献立は、ギョーザとチャーハンにあえ物だ。
「食事の片付け係は、じゃんけんして決めよう」。1人の女子生徒が声を掛ける。
負けた人が、食器洗いを始めると、他の数人がサッカーゲームやビリヤードに興じる。
「kukulu」は「NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい」(金城隆一代表理事)が運営。
困窮や親の病気、いじめなどさまざまな事情を背景に、学校へ通うことの難しい子どもたちの居場所で「学習支援」「生活支援」「就労支援」を手掛ける。
「一緒にごはんを食べよう」を合言葉に週2回開所。
2013年7月から15年3月まで、那覇市の委託事業として生活保護世帯の不登校の子どもたちを対象にしていたが、委託事業が終了。
昨年12月から自主事業として、保護世帯以外の子どもたちにも門戸を開いている。
32人いる利用者のうち、約10人ほどが常時利用している。
寄付金や古本販売で運営費を捻出している。
kukuluの特徴は、15~20歳ぐらいと10代後半の若者の多さにある。
県内の各市町村にある子ども食堂を含む「居場所」は、小中学生の利用が多いといわれる中、高校生を含む10代後半の「居場所」は珍しい。
訪問相談も手掛ける。
外出が困難な子どもの自宅を金城代表理事らが訪ね、保護者の相談に乗り、子どもの来所を後押ししている。
那覇市の教育委員会の不登校支援は中学生までが対象だが、kukuluでは高校中退防止にも取り組んでいる。
金城代表理事は「中学校で不登校を経験している子は、高校生になっても中退のリスクを抱えている」として「高校を卒業するまで見届ける。寄り添いが大切だ」と強調する。
高校中退者の多さは、県内の子どもを取り巻く課題の一つ。
県立学校教育課によると公立・私立を合わせた県内高校の中途退学者は14年度で1144人に上る。
退学率は2・2%で、全国平均の1・5%を上回る。
高校中退から生じる課題に詳しい「NPO法人さいたまユースサポートネット」代表理事の青砥(あおと)恭(やすし)氏は「10代で支援がないまま、高校を中退していく人は非正規雇用かアルバイトの働き方をする人が多くなり、ほぼ貧困になっていく」と指摘。
高校中退防止の必要性を説いた上で「学校と福祉部門が連携して、中学生のうちから学ぶ喜びと将来へ期待を抱けるような支援が大事」と強調した。
kukuluでは再開所以降、人間関係などに悩み高校中退の危機に遭った4人を支援した。
定時制高校の午前部に通っていた16歳の男子生徒に対しては、通信制への転籍を提案した。
男子生徒は支援員からリポートの書き方を教えてもらい、学業を続けている。
「今週はいつもより早めにリポート出したよ。頑張っているでしょ」と誇らしげに話した。
「学校へ行かなくちゃ」。定時制高校の夜間部に通う女子高校生がリュックサックを背負う。
「行ってらっしゃーい」と他の子が手を振り見送る。
居場所で仲間と過ごし、エネルギーを充実させて、外へ向かう。
金城代表理事は今後は就労支援にも力を入れたい考えだ。カフェを併設し、接客を経験してもらうほか、キャリア教育も導入したいという。
「子どもの声をしっかり拾って、子どもに寄り添う場であり続けたい」と意欲を見せた。
〔2016年5月17日・貧困ネット、平成28(2016)年5月7日 琉球新報 朝刊〕
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◆<子どものいま これから> 寄り添い支援員始動 那覇市貧困対策 全中学区に配置 学びや子育て、多角的に
子どもの貧困対策に取り組む那覇市は1日から、専門的な知識や技術を持つ「子ども寄り添い支援員」を全中学校区(17校)に配置した。
国の「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」を活用する新事業で、社会福祉士や精神保健福祉士3人を含む支援員18人を確保。支援員らは今後、貧困家庭の児童生徒の実態把握や分析を行い、関係機関と連携して支援活動に取り組む。
国の事業費は総額10億円で、補助率10分の10の全額補助。
市は約2億3千万円を計上している。
寄り添い支援員のほかにも既存事業を充実させた生活困窮世帯対象の支援員8人、子育て世帯支援員1人を配置し、多角的な対策を推進する。
寄り添い支援員には約30人の応募があり、男性1人、女性17人が採用された。
資格を持つ3人のほか、教育相談員経験者もいる。
事業を所管する市教育相談課では、貧困家庭の児童生徒に居場所を提供する自立支援教室「むぎほ学級」も新たに開設した。
支援員は旧三原郵便局を改装した事務所を拠点に活動し、4~5月は沖縄大学での講座を受講するなどスキルアップに取り組む。
市役所真和志支所で7日、市職員も参加した研修が行われ、就学援助の概要などについて学んだ。
〔2016年4月17日・貧困ネット、平成28(2016)年4月8日 琉球新報 朝刊〕
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