Center:親から引きこもりを責められている
親から引きこもりを責められている
〔質問〕
30代の引きこもり当事者から。
親は引きこもりを理解しようとはせず、働くように求め、あれこれ攻め立ててきます。
家族のこのやり方が引きこもりの原因でもあると思いますが、どうすればいいのでしょうか。
〔お答え=「回答者=NPO法人不登校情報センター・松田武己」〕
親の会に参加する人の例では、家族が引きこもりを理解するにはかなりの時間が必要だとわかります。
こういう会に参加しない親の多くは、引きこもりは子どもの問題であり自分の問題とは思っていません。対応は、
(1)ある人は「子どもの代理人」が親と話せる仕組みを提案しました。
実現すれば一つの方法ですが、限界はあるでしょう。
(2)親が理解しようと姿勢を変える時は、何かのきっかけがあります。
子ども側で意図的にできることは少なく、社会的な動きや世論が関係します。
子ども・支援者がそこに大きな期待をよせるのは、待ち時間を重ねるだけになりかねません。
(3)十代であればぶつからないように物を投げたり、壊れても差し支えない物を投げたりします。
自室の壁を叩いて穴をあける人もいます。
これらにはいくぶん共感します。
(4)聞き流す。まともに攻撃をきいてもいいことはありません。
耐えつづけないで聞き流す、耳栓をする、別のことを考える…など。
(5)一段落したところで好きな音楽を聴く、気分転換に体を動かす、近くに散歩に行く…など。
(6)昇華する。物語を作る=悲劇のヒロイン、頑迷頭目を退治するヒーロー物語…など。
(7)年長のものの道理のわかる人やカウンセラーに相談する。電話相談もいい。
(8)反論すると言い争いになり、無駄なエネルギー消費を感じることが多いので、あまりお勧めではありません。
(9)私の場合は、いやな思いをしたときは頭の中のケースに収めて一件落着にします。
すぐに忘れられますが、似たような例があると引き出しやすいです。
これは先天的な気質・性格に関係するはずです。
(10)自分を精神的に強くする。
同世代の人と可能な範囲で少しずつ関わりを深めます。
信頼関係のある人からの批判的の言葉は、全部は同意できないときでも素直に聞くことができます。
これが自分を育ててくれます。
〔2009年12月〕
回答者と所属団体
松田武己・不登校情報センター相談室
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