少子化対策としての家事労働者を受入れ
少子化対策としての家事労働者を受入れ
8月31日(土)朝日新聞国際面の記事。見出しは「韓国、外国人家事労働者が研修中」。
内容は、日本以上に少子化が進む韓国で、その対策の1つとして、外国人家事労働者を受入れるということ。
韓国の2023年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む見込みの子ども数)は0.72。
日本は1.20と低いのですが韓国ではそれよりもさらに低い。
外国人とは、フィリピン政府公認の関連資格をもつ人材から選ばれた100人。
4週間の研修には、子どもの世話や家事、韓国語などが入ります。
ソウル市内の家庭で「家事管理士」として働きます。
事業主体は韓国政府とソウル市で、700以上の家庭から申し込みがあり、157家庭への派遣が決まったといいます。
少子化対策を名目とする家事労働の支援を受けられるのは、ある程度の収入がある家庭(夫婦共働きなど)が想定されます。
少子化対策の有効性は限られると予測できます。
成り行きによって157家庭から増えていけば効果も増えていく可能性があるでしょう。
労働の内容に「子どもの世話」が家事と並列にされています。
「子どもの世話」は家事とは別とも受け取れますし、事業全体からすれば加えられているとも読めます。
この方法により家事労働が労働市場に表われ、これはGDP(国内総生産)にカウントされるでしょう。
一般家庭の家事労働と同一とは思えませんが、参考にはなります。
家事労働は、韓国、フィリピンの2つの国で、対応している——東南アジア諸国には、中東などへの家事労働者を派遣していると以前にきいたことがあります。
フィリピンには「政府公認の関連資格」があるというのは驚きです。
その研修内容に「子どもの世話」が入っています。
日本にもかつて家政婦協会、いまは看護家政婦協会があり、家政婦の派遣を行っています。
職業紹介業がハローワーク等に限られていた時代にも(中学校・高校の進路指導と並んで)、家政婦の派遣紹介は公認されていたと記憶しています。
日本の現在の状況を知れば、家政婦の労働市場における評価、したがってGDP換算の参考値を知ることにもなるでしょう。
『新明解国語辞典』(第4版,三省堂,1996)によると「家政婦 その家に通って、家事を手伝うことを職業とする婦人」、「家事 家庭内で、生活上必要な仕事。料理・洗濯・育児など」とありました。
「メード maid ホテルや外国人の家庭に雇われて働く女性」というのもあります。
ベビーシッター、家事代行も調べる、看護家政婦協会にきいてみる道もありそう。