Job:盲導犬訓練士
盲導犬訓練士
〔2003年原本〕
視覚障害者の移動を助ける盲導犬を育て訓練する仕事です。しかし中心は視覚障害者の日常生活の援護です。
子犬が1歳になったところで、生後まもなく預かっていた里親より戻してもらい、訓練をはじめます。早い犬で半年、遅いので1年くらいの訓練期間があります。食事の世話と訓練です。犬への命令ことばは英語で行います。これは男女の言葉の違いがないことが要因です。
訓練には服従訓練と不服従訓練、および実際の路上訓練などがあります。「Go」とか「Stop」
の服従訓練は比較的簡単で、ほとんどの犬はここをパスします。
しかし不服従訓練は難しいものです。これによって盲導犬として使えるかどうかが決まります。交差点で「Go」と主人が言っても、車が入ってきて危険なばあい、犬は止まっていなくてはなりません。「サーブ」のように自らの命を賭して主人を守った犬もいます。この不服従訓練をパスする犬は焼く4割程度です。
路上訓練は、訓練場でできるようになったことを実地に行うことです。バスや電車に乗せたり、デパートのエスカレータに乗せたり、交差点を渡らせたり、段差のある路面での一時停止などを教えていきます。
この後で、主人となる盲人と一緒に共同訓練を行います。訓練費用は1頭につき約150万円以上です。
盲導犬は警察犬や猟犬と違って、大声で吠えさせたり、自由に走り回らせたりすることはできません。訓練士に必要なのは犬への深い愛情と忍耐です。やさしすぎるだけではいけないし、厳しいだけでもつづきません。感情的にしかると、長い間の訓練が一瞬にしてむだになってしまうこともあります。なにしろ犬にとっては、10年後の自分の一生を、人間のためだけに生きることになるのです。
また盲導犬が一般にペットと同様にみられ、食品店などへ視覚障害者と一緒に入れないなどの社会的状況を改善する取り組みも必要です。
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