Job:貿易商社員
貿易商社員
〔2003年原本〕
輸出入商社の社員、とくに営業部門の人をさしています。
輸出入する商品は、原材料(石油や木材)、中間加工材(鋼鉄)、完成商品(自動車や電気製品)など多種多様です。
一般に日本は原材料を輸入し、加工製品を輸入する貿易立国なので、商社員には原材料の輸入担当、製品の輸出担当が多くなります。
しかし個々の商社、商社員では逆のケースもあります。
貿易商社は社員数人の小規模なところから数千人の大商社まであります。
大商社は総合商社になります。
総合商社は、多くの機能をもっています(取り扱う商品が多種あるために総合というのではありません)。
その一方、専門商社は、特定の商品を扱うところと、特定の地域との貿易をするところに分かれます。
商社のもつ機能としては、①商品の売買(商業取り引き)をする機能です。これは商社として普通のものです。
総合商社にはこのほかに、②金融と投資の機能(利息収入と配当利益を得る)、③開発機能、オルガナイザー機能、企業設立機能。
たとえば銅鉄床が発見されると、それを発掘するために、技術者を集め(企業の協力を取りつける)、鉄道など輸送施設の確保、販売計画の作成、製錬工場の設立……などが必要になります。
これを関連企業やさらには政府機関の協力を取りつけて実現していく機能です。
ただし大規模なプロジェクトのばあい、特に開発途上国では、政府の開発計画にそって、商社が協力していく形に移行しつつあります。
④情報機能。すべての商社活動の前提になるもので、特定分野の情報網は政府機関や、マスコミ機関よりも整備されているところがあります。
これらの機能にそって、各種の仕事がありますが、中心は商業取り引きになります。
海外駐在員のばあい、一人が数役を果たすところも多いようです。女性海外駐在員も生まれました。
輸出業務のばあいなら、市場調査、取引契約、船積手配、通関手続(⇒通関士)、受渡決裁などを行います。
輸入のばあいは、原材料・商品の調査から始まり、あとの手続は輸出と同じです。
輸出入のいずれのばあいも取引契約に至らない仕事も多くあります。
取り扱い商品の内容・条件とともに海外での人間的な信頼関係が大きく左右します。
海外駐在員のばあい、生活習慣、商習慣、ことば、宗教……などの違う世界で生活しながらの仕事です。
家族を同伴していくことも珍しくはありません。
多くの海外駐在員が直面するのが、病気と子どもの教育であるといわれています(駐在地によって程度は違います)。
貿易商社員になるには、貿易商社に就業することです。
大手商社のばあい縁故を多数採用することはありません。
配属先によって仕事の内容が大きく変わります。
中小貿易商社は、専門商社で取り扱い
商品、取り引き地域が決まっています。
〔給〕は〔並〕から〔やや高〕まで。
ほかに手当ての大きなところもあります。
*