Job:パイロット
パイロット
〔2003年原本〕
航空機の操縦士。航空機には飛行機、ヘリコプター(回転翼航空機)、飛行船の3種があります。
大型飛行機だと操縦室(コックピット)の左側席に機長(キャプテン、右側席に副操縦士(ファーストオフィサー)の2人がいて、ともにパイロットになります。大型のばあい操縦室にはさらに航空機関士(フライトエンジニア)(FE)が入ります。
出発前の仕事は運航管理者(ディスパッチャー)と飛行プランを検討し、立案。機内に入ると計器や操縦器具などの点検。飛行では離着陸時に危険度が高いので、チームワークと分担で、タイミングよく操縦します。飛行中は比較的安全ですが常に計器による情報をチェックし、安全につとめます。
仕事の相手は航空機であるというよりも自然のさまざまな現象ということになります。同じフライトコースでも、風、雲などの条件が一回一回違い、飛行高度やコースも少しずつ変えて最良のコースを選んでいきます。
着陸後は、運航事務所に飛行日誌を提出し、航空整備士への連絡や気象状態の報告をします。
仕事の条件として、夜間や早朝などの飛行があり、飛行先での宿泊も多く、海外航路では月10日も自宅に帰れないことがあります。時差や不眠、飛行中の眠気などとの“闘い”もあります。勤務時間と飛行時間は航空法で決められていますが、実際にはその時間を下回り、月の飛行時間は55時間前後です。
ほかに地上勤務や定期訓練、健康診断の時間があります。健康診断は半年ごとの定期健診が義務づけられ、標準体重を30%超えればフライト資格を失います。
航空機操縦士の資格は航空従事者の、航空機乗組員のうち、①定期運送用飛行操縦士、②上級事業用飛行操縦士、③事業用飛行操縦士、④自家用飛行操縦士です。
ライセンスをとっても、航空会社に入ってすぐにパイロットになれることはなく、訓練が必要です。30代で副操縦士、40代で機長というのが多いようです。
パイロットの養成は、一般的には国土交通省航空大学校で行ないます。入学資格は入学年度の4月1日で21歳未満の高校卒業者。女性も入学できるようになりました。パイロット不足においつくため航空会社では独自養成を始めています。
運動能力がすぐれていること、交信がすべて英語で行なわれるので英語力を要すること、機器や計器を扱うのでメカニックに強いことなどが適性で、しかもパイロットをつづける期間中、この状態を維持していかなくてはなりません。
事業用飛行機は、観光地の遊覧飛行や広域への農業散布、新聞やテレビなどの取材撮影用の小型飛行機の操縦士です。
就業先は航空会社ですが、ほかに観光飛行サービス会社など。
なお国土交通省航空大学校以外の養成機関があり、航空機操縦士の訓練を実施しています。
〔参考〕国土交通省
〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
TEL03-5253-8111
http://www.mlit.go.jp/
めざせ航空大学校
http://aviation.wcn.to/
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