フリースクール りんごの木
フリースクール りんごの木
所在地 | 埼玉県越谷市 |
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コロナ支援金対象外 活動自粛のNPO苦境「存続危うい」 救済求め県に要望書
休業中のフリースクール「りんごの木」の部屋。鎌倉賢哉理事長は「社会的な活動をしてきたのに支援がないのはおかしい」と嘆く=越谷市で
新型コロナウイルスの影響で、活動を自粛している埼玉県内のNPO法人が苦境を訴えている。
特に利用料や入館料など事業収入で運営するNPOは収入が途絶え、「活動の継続が困難」との声もある。
しかし、NPOは休業した中小企業・個人事業主へ支給される県の支援金の対象外で、県内のNPO有志は19日、
「行政の手が届かないサービスを担ってきたのに納得できない」と、支援を求める要望書を県に提出した。【大平明日香】
「大変心苦しい提案なのですが、会費をいったん通常の金額で納入いただき、後日、まかなえた分を返金させていただく。本当に申し訳ありません」
越谷市のフリースクール「りんごの木」を運営するNPO「越谷らるご」の鎌倉賢哉理事長(46)は5月1日、利用者の保護者に通知を出した。
不登校児の居場所として小学生から20代まで44人が利用しているが、3月2日から一時期を除き閉所している。
会費は月約1万5000~3万6000円。「このままでは潰れてしまうと思って会費を頼むことにした」と明かす。
ひきこもり相談など国や県からの委託金で運営している事業もあるが、フリースクールに公的な支援は一切ない。
会費を主な収入源とし、寄付金などで30年間運営してきた。
職員2人の給与は雇用調整助成金の申請が通ったが、月25万円の家賃負担などが重くのしかかっている。
県内のNPO活動を支援するさいたまNPOセンター(さいたま市)は、5月上旬に緊急アンケートを実施し、県内138団体から回答を得た。
9割は3月以降に活動を縮小・休止しており、7割が3~4月に減収したと答えた。2割は100万円以上の減収だった。
団体の存続について問うと、「既に危うい」6%▽「6月末まで自粛が続くと危うい」13%▽「9月末まで続くと危うい」26%――だった。
同センターの村田恵子専務理事は、スポーツクラブやコミュニティーカフェ、映画館などを運営するNPOを例に挙げ、
「無償のイメージが強いかもしれないが、実際には対価をもらって頑張っているところもある。
法人税なども納めており、民間企業と区別するのはおかしい」と指摘。高齢者福祉や障害者へのケアなど多岐にわたる活動に「NPOが存続しなかったら、活動に支えられてきた人々も大きなリスクにさらされる」と強調した。要望書は県内のNPOに呼び掛け、一般社団法人も含め226団体が名を連ねた。
東京都や神奈川県では、休業に応じた事業者への協力金の対象にNPOも含んでいる。
大野元裕知事は19日の定例記者会見で、要望書について「公的な性格を持ち、行政サービスの手の届かないところで活躍しているNPOがあると理解している。何ができるか検討したい」と述べた。
〔2020年5/20(水) 毎日新聞〕