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西条市青年農業者協議会

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ページ名 西条市青年農業者協議会 愛媛県西条市(農業のニュース)
「農」がつくる幸せ
西条市は、瀬戸内の温暖な気候と豊富な地下水に支えられ、米や野菜、果樹など、農業が盛んな地域。
住みやすい田舎と呼ばれるのも、私たちが普段の暮らしで当たり前に「地元のもの」を食べられるからではないでしょうか。
こうした豊かな食を守ってくれているのは、現場で汗を流す農家さん。 私たちの日常の「幸せ」を守る農家さんはどんな思いで農業に取り組んでいるのでしょうか。
■若い力で盛り上げる西条の「農」
20歳から農業を始め4年。親そして先輩農業者の背中を追いながら、日々試行錯誤を続ける松本佳樹さん。
若手農家の思いを聞いてきました。
▽理想の農家になるために
高校を卒業し、農業大学校で2年間勉強後、農家への道を歩み始めた松本佳樹さん。
「うちはひいじいさんから代々続く農家で、中学校の頃には農業をしようと思ってました」。
現在は、個人できゅうりとサトイモを栽培しています。「天候などの影響で失敗続きの毎日です。
親から機械の使い方を学んだり、先輩から作り方を教わったりして、今はとにかく勉強しています」と苦笑いで話します。
「天気や市場価格などを気にしなければいけない。小まめに畑の様子を見るようにも心掛けていますね」。
収穫が売り上げに直結する仕事だからこそ、常に農作物のことを考えて仕事に取り組んでいます。
「出荷量、そして売り先を増やしていくのが今後の目標。
経営がうまくできてないんで、まず軌道に乗れるようがんばりたい。そしたらもっと仕事も楽しくなるのかな」と抱負を教えてくれました。
▽悩みや成功を分かち合える仲間
今年度から西条市青年農業者協議会(※)の会長を務める松本さん。
毎年10月には神戸小学校の3年生を対象にサツマイモ堀りのイベントを実施しています。
「普段食べているものがどうやってできるかを学ぶことで、農業を身近に感じてほしい。
今年も無事開催でき、楽しそうに収穫する姿に、僕たちも力をもらいました」。
ほかにも、視察や勉強会を行い、会員それぞれが経営へと生かしています。
「作っているもの、経営などみんなスタイルが違います。でも仲間同士で悩みや成功体験を分かち合えて、とてもプラスになっています。
会員の一人が今年、岐阜県への視察研修を生かして『いのちの壱』というお米を作りました。
そういう新しい挑戦ができるのも青年協ならではの魅力ですね」と仲間のありがたさを語ります。
「農業って高齢化のイメージが強いんですよね。でも、実は制度や補助金とか『やってみたい』を応援してくれる環境が整っていると思います。
どんどん若者も入ってきてくれるとうれしいです。農業を始めるには絶対に周りの助けが必要。
青年協はそんなときにつながれる場でもあると思います。
青年協をきっかけに、もっと若い力で西条の農業を盛り上げたいですね」と意気込みを語ってくれました。
※おおむね40歳までの次世代を担う青年農業者の集まり。現在の会員は35人。略称は「青年協」
西条市青年農業者協議会
会長 松本佳樹さん(橘地区)
■地元の旬を食卓に農業女子がつながり、広げる「農」
家族とともに農業を営み、自ら育てた農作物を仲間と一緒に販売する女性農業者グループ「たべとうみん」。
女性目線を生かし、安全・安心で顔の見える農作物をお届けしています。
▽異なる場所でも思いを一つに 「たべとうみん」とは、東予の方言で「食べてみてよ」という意味。2015年、四国中央市〜西条市の女性たちが結成しました。
米やブロッコリーなどを栽培する加藤千絵さんは「夫が農家で、グループができるまでは、農家の嫁として働いてました。周りは農家でいっぱいなのに、女性は全然いなくて」。
そんなとき、愛媛県が主催する女性農業者を対象にした「農業経営参画支援講座」に参加。
「似たような環境で、同じ悩みを持っている同世代の人がいっぱいいて、びっくりしました。
そのときに今のメンバーと出会ったんです」。
藤岡ゆかりさんは、グループ設立をきっかけにきゅうりやメロンなどを栽培するように。
「もともとお米農家だったんです。
たべとうみんがなかったら野菜は作ってなかったですね」と話します。
現在は西条市4人、四国中央市2人の6人のメンバーで活動中。
結成時は持ち寄った農作物をマルシェなどで共同販売していましたが、コロナの影響で出店できなくなりました。
そこで始めたのが「旬菜ボックス」。
安全・安心で旬な食材を皆さんの手元に届ける通販の取り組みです。
定期便のほか、ふるさと納税の返礼品にもなっていて、昨年は370箱出荷。
「リピーターも増えて、喜びの声ももらっています。今後は新規注文者を増やしたい」と主に米を栽培する越智祥子さんは意欲を見せます。
▽女性目線で食べる人を想う
「水が豊かで恵まれた環境の西条では、野菜がおいしい」と話すのはいちごやトマトなどを生産する原田美佐子さん。
「直売所などで市外の人から『西条の野菜を食べたい』ってよく言われます。
住んでいて当たり前だったけど、やっぱり環境や農作物に恵まれているなって実感しますね。
加工品の販売も考えましたが、まずは原点のものから広めていこうと農作物をメインにしました」。
地域ならではのおいしい食材を季節ごとにメンバーで話し合い、協力しながら広めています。
「チラシにはメンバーの似顔絵イラストを入れたり、直筆のメッセージを入れたりなど、私たち独自の視点も生かしている」と原田さん。
藤岡さんも「ほかではやっていないおもしろいことをやっていきたい」と意気込みます。
「たべとうみんの活動を通じて、新しい販路や出会いができた。
私のことを知ってくれる人も増えてつながりもたくさんできた。
メンバーに出会えたことにすごく感謝してる」と越智さん。
農業以外にも子育てや家族など、お母さん世代ならではの悩みなどをメンバーに相談できるのもメリットの一つ。
加藤さんも「今では家族ぐるみで『たべとうみん』。夫同士も仲良くなり、みんなで農業の知識などを共有してます」。
これら、結成から現在までの活動が認められ、愛媛県優良農山漁村生活研究組織知事表彰を受賞。
今後の目標は「食べる人・作る人に私たちの顔が見える農作物を作る存在でありたい」と藤岡さん。
「農業は楽しくてやりがいのある仕事。
活動を通じて、子どもたちや女性にも『すてき』で『かっこいい』職業と思ってもらえるようがんばりたい」と加藤さんは力強く話してくれました。
たべとうみん
加藤千絵さん(禎瑞地区)
藤岡ゆかりさん(国安地区)
原田美佐子さん(丹原地区)
越智祥子さん(神拝地区)
〔広報さいじょう 2021年11月号〕

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