岡山県共生高等学校
岡山県共生高等学校
教育機関としての性格 | 全日制高校 |
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教育活動の特色 入学のよびかけ |
小規模のアットホームな雰囲気の学校です。 |
校長 | 後藤浩 |
住所 | 〒718-0011 岡山県新見市新見2032-4 |
TEL | 0867-72-0526 |
FAX | 0867-72-8032 |
URL | |
Eメール | kyousei@mx3.tiki.ne.jp |
法人名 | 学校法人 天真学園 |
教育相談員、心理カウンセラー等の配置 | あり:心理カウンセラー |
設置コースと学費 |
入学金:65,000円
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転入学・編入学の条件 |
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帰国子女などの受入れ (外国からの帰国生,外国籍の子どもの入学など) |
あり |
4月以外の入学時期 | 10月入学がある |
過年度生の入学 (中学卒業後1年以上経た生徒) |
あり |
資格を単位取得に認める制度 (高卒認定資格、パソコン資格、検定資格など) |
なし |
発達障害をもつ生徒の受入れ (LD、AD/HD、アスペルガー症候群など) |
生徒の状態により受け入れる |
情報提供年月 | 2016年10月 |
「僕はゲームに救われた」 eスポーツ選手の佐倉さん かつて不登校、今は生徒会長
決勝大会に向けて気合十分な共生のeスポーツ部員と佐倉涼太さん(前列左から2人目)、顧問の柴原健太教諭(同右端)=2019年2月25日午後6時16分、戸田紗友莉撮影
23、24日に千葉市の幕張メッセである「第1回全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社主催)決勝大会に、かつて不登校だった選手が出場する。
共生(岡山県新見市)2年の佐倉涼太さん(17)=同市。ゲームを通じて友人もでき、登校を再開した高校では生徒会長を務める。
「僕はゲームに救われた。eスポーツの素晴らしさを伝えたい」と意気込んでいる。
小6で持病のぜんそくが悪化した。進学した中学校も週1回程度しか通えなくなり、そのまま不登校に。
症状は中2の時に落ち着いたものの、「最初に休むと行きにくくなった」とほとんど通学できなかった。
つらい時期を支えたのがオンラインゲームだった。
大会種目でもある5人対5人の陣取りゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」には、1日10時間もパソコンと向き合うほどのめり込んだ。
たくさんの友人もできた。
画面の向こう側にいる年上の仲間らと、ゲーム中にインターネットを通じて会話し、アニメなど趣味の話で盛り上がった。
中学を卒業すると、「遅れていた勉強を取り戻したい」と自宅近くの共生へ入学。
ゲームから一度離れ、夜7時まで学校に残るなどして2カ月間猛勉強した。その後ゲームを再開。
同じ高校の生徒がチームを組んで対戦する今大会の開催が発表されると、自ら校内のゲーム好きの友人やeスポーツに理解のある留学生に声を掛け、メンバーを募った。
半数以上が台湾や中国からの留学生というeスポーツ部員16人をまとめる部長をしている。
部顧問の柴原健太教諭(38)に促され、昨年6月に生徒会長に就任した。滑舌が良くないのがコンプレックスで人前で話すことが苦手だったが、今では学園祭の段取りや企画立案のほか、毎月ある集会のスピーチなどを担当。
「ゲームを通じて自信がついた。培ったコミュニケーション能力や集中力が生きている」と胸を張る。
決勝大会では、ゲームで知り合った全国の友人と会うのも楽しみだ。
ゲームに熱中する息子を心配し、時にはけんかすることもあった両親も今では応援してくれている。
「eスポーツに対して大人の偏見はまだ大きい。ゲームへの恩返しのためにも、その奥深さを伝えることができれば」と静かな闘志を燃やす。目標は日本一だ。
〔2019年3/23(土) 毎日新聞【戸田紗友莉】〕
eスポーツ部主将は生徒会長 ゲームを成長の糧にチームに勝利を 共生
ホワイトボードに戦術を書き出しながら、決勝大会の戦略を練る佐倉さん(左)と顧問の柴原教諭=岡山県新見市で2019年2月25日午後5時49分、倉沢仁志撮影
高校生が同じ学校でチームを組み、対戦型コンピューターゲームの腕前を競う「第1回全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社主催、サードウェーブ共催)決勝大会が23、24日に千葉市の幕張メッセで行われ、ロケットリーグとリーグ・オブ・レジェンド(LoL)の2部門に4校ずつ計8校が出場する。
5人対5人で対戦する陣取りゲームのLoLに出場する4校のチーム紹介の第3回は岡山・共生高。
中学時代には不登校を経験しながらも、現在はeスポーツ部長と生徒会長を兼任するスーパーリーダーがチームを引っ張る。
校舎に大きな垂れ幕が掲げられていた。
「祝全国高校eスポーツ選手権決勝大会出場 eスポーツ部」
昨年9月に同好会から昇格した全国でも先進的な部は、学校の顔となりつつある。
「昇格してうれしかったですよ。しっかり部として認められないと、みんなの目標も定まらないから」と笑顔で語るのは部長の佐倉涼太さん(17)。
LoLではかつて「チャレンジャー」と呼ばれる最高ランクまで上り詰めたこともある実力者だ。
3人兄弟の末っ子の佐倉さんは、兄の影響で小学校中学年からパソコンゲームを始めた。
中学に進学すると持病のぜんそくの影響もあり、学校を休みがちになってしまう。
時折登校しても「楽しくなかった」。友人は少なく、「居場所はゲームができるネットでした」と漏らす。
転機は高校への進学だった。佐倉さんの2番目の兄が共生の卒業生で、在校中はeスポーツ部の前身となる同好会の設立に尽力した。
「高校デビューではないが、何かを取り返したいと思った」と佐倉さん。
入学後、コミュニティーの場としての同好会にも参加しつつ、中学時代の遅れを取り戻そうと猛勉強して、成績はあっという間に上位となった。
周囲からの信頼も厚くなり、昨年6月からは生徒会長を務める。
「人前でしゃべるのは苦手なんですが、期待してもらえるので、頑張りたい」と力強い。
今大会への出場は、自らeスポーツ部顧問の柴原健太教諭(38)に切り出したという。
「学校へなかなか行けず『ゲームばかりをしていた自分』という、彼にとって消してしまいたい過去が、今では逆になったと思う」と柴原教諭。
同校には、中国や韓国などeスポーツが盛んな国からの留学生が多い。
部にも中国からの留学生が数人いるが、佐倉さんはコミュニケーションを積極的に図りながら、まとめ上げようとしている。
今年の茨城国体でもeスポーツが実施されることになり、将来は五輪競技入りも議論されているなど、近年国内での注目度は高い。
「国内でeスポーツが当たり前になってほしい」と佐倉さん。
将来はプロゲーマーの夢を持つ主将がリーダーシップを発揮しチームを勝利に導く。
〔2019年3/18(月) 毎日新聞【倉沢仁志】〕