ふうどばんく東北AGAIN
ふうどばんく東北AGAIN
所在地 | 〒981-3341宮城県富谷市成田8-1-1 |
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TEL | 022−779−7150 |
FAX | 022-774-1410 |
フードバンクを障害者の働く場に 集荷、仕分け、配達など
宮城県富谷市のNPO法人ふうどばんく東北AGAINは今年5月、フードバンク(FB)団体としては全国初の障害者就労移行支援事業所「就労サポートセンターあがいん」(定員20人)を開所した。
さまざまな人と出会い、触れ合うFB活動を通じ、復職・就労の実現を目指す。
FBは、食品メーカーやスーパー、個人などから過剰在庫や消費期限間近の製品などを寄贈してもらい、生活困窮者や福祉施設・団体などに無償で届ける活動。
同法人は2008年に設立した東北で最も古いFBで、東日本大震災の際も全国から集まる食料品などの集配拠点として大きな役割を果たした。
現在は、同県全域を対象に年間約8トンの食料品を生活困窮者に届けたり、ホームレスの人々の炊き出しや子ども食堂の食事用として提供しており、支援者数は延べ約1万1000人に上る。
就労移行支援事業を始めたのは、大震災復興支援補助金の助成が受けられなくなるなど法人運営が厳しくなる中、独自の事業収益を確保するため。
同法人理事が仙台市で就労移行支援事業を行っており、FB活動が障害者の自立や就労支援にもつながるとセンターの開設を決めた。
実際、FBには、食品の集荷・検品、整理・仕分け、箱詰め、運搬・配送などさまざまな仕事があり、障害者ができる作業も多い。
現在、センターには知的障害や精神障害のある5人が登録し、常時4人が通所。活動を通じて人と接したり、感謝されたり、自分より厳しい生活を余儀なくされている人がいることを知り、他者と目を合わすのが苦手でサングラスをしていた人が、相手を怖がらせないように色の薄いメガネに変えたりするなど大きな変化が出ているという。
就労センターの小椋亘・サービス管理責任者は「届けたジュースを子どもが飲んでいる姿を見たり、ありがとうと言われたりすることが利用者の自信や喜びにつながっている。
就労センターもFBの運営も厳しい状況だが、どちらも人と人とのつながりを大切にする活動。両立させたい」と話している。
〔2017年11月17日 福祉新聞編集部〕
フードバンク かつかつ 富谷のNPO法人 慢性的在庫不足 困った 支援先は増加の一途「食料品 提供を」
生活困窮世帯へ食料品を提供する富谷市のNPO法人ふうどばんく東北AGAIN(あがいん)が在庫不足に苦慮している。
提供要請が相次ぐ生活保護費の支給日前は他団体から融通してもらい、何とかしのいでいるのが現状。
特におかずの缶詰やレトルト食品、赤ちゃん用の粉ミルクが慢性的に足りず、市民や企業に支援を呼び掛けている。
ふうどばんく東北には企業から、災害用備蓄の入れ替えに伴い食料品が不定期に寄贈されることが多い。
このためアルファ米や水は比較的集まりやすい。
ただ、定期的に食料品を寄付してくれる企業は1社だけ。
生活保護費支給日前には支援要請が集中し、在庫不足となることもしばしばだ。
今月は名古屋市のNPOに、レトルト食品のカレー300食とスープ4000食を送ってもらった。
ふうどばんく東北は、2008年設立された東北初のフードバンク団体。
16年度は約800件、延べ約2000人に食料品を提供した。
生活困窮者だけでなく子ども食堂や学習支援グループ、東日本大震災の被災者が集まるお茶飲み会にも食料品を届け、支援先は増加する一方だという。
ホームレスに炊き出しを行っている仙台市青葉区のNPO法人萌友スタッフの芳賀隆太朗さんは「小さな組織で、財政状況は常に厳しい。ふうどばんく東北からの食料品提供はとてもありがたい」と語る。
ふうどばんく東北は余剰になった食料品を募る「フードドライブ」を24、25日の午前10時半~午後5時に青葉区の勾当台公園で開催する。
スタッフの小椋亘さんは「家庭で眠っている食品や店頭に出せない商品があれば寄付してほしい」と話す。
受け付けるのは賞味期限まで1カ月以上ある食料品や飲料。
郵送も可能で、送料はふうどばんく東北が負担する。近郊であればスタッフが出向く。
連絡先はふうどばんく東北022(779)7150。
〔◆平成29(2017)年6月19日 河北新報〕
「フードバンク」県も支援 困窮者向け事業 =宮城
◇保管場所や運搬費 苦しむ団体も
企業や家庭で余った食品を引き取って福祉施設などに提供する「フードバンク」の活動が、県内でも広がっている。
生活困窮者向けの支援手段としても注目されており、県も新年度から支援事業に乗り出す。15日には、仙台市でフードバンク団体や企業など関係者約40人が集まり、情報交換会が開かれた。
農林水産省の2013年度の調査で、品質に問題がなくても規格外などの理由で食品メーカーが廃棄したり、家庭で食べ残されたりする「食品ロス」は、国内で年間計632万トン(推計)に上る。
フードバンクは、そのうち賞味期限の切れていないものを集めて、食料を必要とする人の元へ届ける取り組みだ。
公益財団法人「流通経済研究所」によると、日本では00年頃から広まり、NPO法人や任意団体など全国で約80団体、県内でも3団体が活動している。
15年度に生活困窮者自立支援法が施行されたこともあり、増加傾向にあるという。
震災後は、企業などで食品を備蓄する取り組みが進み、今後そうした食品の賞味期限が迫ってきた場合、引き受けるケースも増えそうだ。
しかし、フードバンク団体は人手不足が深刻で、食品の保管場所や運搬費用に悩む団体もある。
この日、東北農政局が主催する情報交換会に集まった関係者からも苦しい実情が聞こえた。
NPO法人「ふうどばんく東北AGAIN」では、有給スタッフは6人いるがそれでは足りず、無給の役員5人とボランティアの手も借りて運営している。
白木福次郎理事(69)は「生活困窮者のSOSに応えることができて活動にやりがいは感じるが、マンパワーに限界がある」と漏らす。
多賀城市や東松島市などの約50世帯に毎月食べ物を届けているというNPO法人「いのちのパン」の大友幸証副理事長(39)は「宅配にはガソリン代もかかる。行政の支援がもっとあると助かるのですが……」と話していた。
フードバンク団体には現在、国が活動費を助成する制度を設けているが、予算規模は全国で1570万円(今年度)と、十分ではない。
県は新年度から独自に支援事業を開始させるため、関連予算案480万円を県議会2月定例会に提出する。
〔◆平成29(2017)年2月16日 読売新聞 東京朝刊〕