チャレンジドセンターてぃだ
チャレンジドセンターてぃだ
所在地 | 沖縄県うるま市 |
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48歳「そろそろ外に」 ひきこもりの人向けパソコン教室 道をひらく在宅ワークという“武器”
講師の米須惟謙さん(右)からパソコンの技術を学ぶ48歳男性(中央)と16歳少年=1月31日、うるま市勝連平安名・チャレンジドセンターてぃだ
[家族のカタチ ひきこもりの像]
沖縄県うるま市の福祉事業所「チャレンジドセンターてぃだ」(松堂勝雄理事長)が、ひきこもりの人向けにパソコン教室を開いている。
生徒は同市内でひきこもり状態にある48歳男性と16歳少年の2人。就職や自活を目標に週1回、教室で肩を並べ、技術を磨いている。
在宅ワークに特化した求人も増えており、同センターは「家でできる仕事につなげたい」と展望を描く。
(「家族のカタチ」取材班・又吉嘉例)
◆技術を身に付けたい
1月31日、教室では生徒2人がモニターに向かい、検定対策や地域の事業所のチラシ制作など、それぞれの課題をこなしていた。
48歳男性は中学生の頃から30年以上ひきこもっている。
ひきこもりのきっかけや当時の悩みは「忘れてしまった」。両親と暮らす実家では炊事や掃除などをこなす。
支援者の紹介で、昨年10月から受講を始めた。
「年齢や親のことを考え、そろそろ外に出たいと思った。
就職のためにもパソコンの技術を身に付けたい」と表情を引き締めた。
◆家でできる仕事を
16歳少年も中学1年で集団生活がつらくなり、不登校になった。
パソコン教室について「長い文章を間違えずに打ち込めると達成感がある。何もしていない時より、一歩ずつでも前に進んでいる感覚がある」と手応えを感じ、
「外に出て職を探すのは不安がある。
いろんな検定に合格して、家でできる仕事がしたい」と話した。
同センターは在宅ワークとして、大手進学塾の試験答案を自宅パソコン上で採点できるデジタル採点業務などを想定している。
受講しに来られないひきこもりの人がいることも考慮し、まずは親に採点業務を学んでもらう教室も今年1月に開いた。
講師の米須惟謙さん(37)は「無理に外に出て人と対面しなくても、今はIT技術を使って自立できる時代。
生きづらさを抱えている人たちが、パソコンを通して交流できる場にもしたい」と狙いを語った。
◆コミュニケーション不要
ひきこもりの人が応募しやすい求人も増えている。
ひきこもり当事者や経験者が主体となってつくる企業「ウチらめっちゃ細かいんで」(東京)は、在宅ワークの求人サイト「ひきワーク」を運営している。
7日現在、800件以上の募集があり、「コミュニケーション不要」との条件で検索もできる。
同社は「これからの時代は体調や自分の状況、環境などに応じ、働きやすい働き方を選ぶことがますます大切になる」と指摘した。
〔2020年2/25(火) 沖縄タイムス〕