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社会福祉協議会・埼玉県
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セーフティーネット拡大を 生活困窮者支援 県社福協まとめ 活動2割にとどまる 「参加を増やし総合窓口に」
【埼玉県】県社会福祉協議会は、社会福祉法人が社会貢献活動として生活困窮者の相談に乗る「彩の国あんしんセーフティーネット事業」の活動実績をまとめた。
参加法人は二〇一四年九月の開始から二年足らずで約三倍に増えたものの、活動している法人はまだ全体の二割にとどまる。
経済援助や就労支援を行うと同時に、支援制度がある行政機関やNPO、病院を紹介するなど生活困窮者支援の総合的な窓口としての役割も担っており、支援網の拡大が課題となっている。
今年四月に社会福祉法が一部改正され、社会福祉法人の地域公益活動が義務づけられた。
だが、県内の社会福祉法人でつくる県社会福祉法人社会貢献活動推進協議会はこれに先立つ一昨年九月、大阪府、神奈川県に続き、全国で三番目に支援事業を始めた。
事業に必要な資金は参加法人が拠出している。
社会福祉施設に一~二人の相談員を配置。生活困窮者の自宅を訪問して相談に乗り、就労支援を行ったり、緊急時には十万円を限度に経済援助を行ったりしている。
これまでの相談件数は七百八十一件で、このうち五百四十七件で計千四百五十万円の経済援助を行った。
相談者は二十~五十代が約七割という。ある五十代の男性は約二十年前に介護離職し、預貯金を取り崩して生活。
親が他界した後は派遣社員として働いたが、退職して無職に。就職先が見つからず、生活費に困窮して相談を寄せた。
連絡を受けた相談員が自宅を訪問し、電話代が払えず、食料も残りわずかなどの状況を把握したうえで生活費として現金を給付。
就職支援事業を紹介し、食品工場への就職が決まったという。
セーフティーネット事業への参加は五月十二日現在で、特別養護老人ホームや障害者支援施設、保育所など百五十八法人の二百二十八施設で、いずれも県全体の施設の約二割にとどまっている。
特に保育所の参加は十三施設しかなく、生活に苦しむ子育て世代に支援の輪を広げることも課題という。
県社会福祉法人経営者協議会の金子伸行会長は「まだセーフティーネットの目が大きい。もっと参加を増やせば、支援網からこぼれる人がいなくなる。
今は現金給付や就労支援だけだが、オール社会福祉法人で手を組めば、もっと地域貢献できる」と話している。
〔平成28(2016)年6月16日 東京新聞 朝刊埼玉版〕
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