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Center:2006年3月ー手紙=引きこもりからの社会参加に関して

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手紙=引きこもりからの社会参加に関して

拝啓、はじめて連絡させていただきます。
全商連の『中小商工業研究』第86号を送っていただき、連絡をとりたくなったのです。

私は不登校情報センターという、引きこもり経験者に囲まれて生活し、彼(女)らの社会参加のための仕事場づくりをめざしています。
一方「情報センター」として、支援団体の状況を調査し、それを提供する活動もしています。
第86号はその意味でとても参考になりました。
「ニート支援に関する“?”」も貴重なものです。
私は「ニート(引きこもりですが)支援者の中には気長に本人の変化を待つ」部類だと思います。
私が納得できる表現にすれば、引きこもりの現状は、対人関係づくりが第一の目的になります。
その心理的条件を育てるのに20代後半以上のばあいは2~4年はかかります(それ以前にすでに数年の取り組みを個人&家族としていることもあります) 。
その後で、社会参加(必ずしも就業ではありません)に要する時間が、対人関係づくり以上の時間を要します。
人によっては、その人が仕事に就ける場がないということで(この数年間は一般的には就職難のこともあり)さらに困難になっています。
私は、“自分に可能な範囲で”仕事おこし、仕事場づくりを、彼(女)らと共に取り組まざるを得なかったのはこの背景があります。その未来はたぶん、SOHOの複合したものになると思います。

なぜそんなに時間がかかるのか。これについては最近その観察から感じ手いる様子を文章化しましたので同封します。
彼らの自己否定感は、乳幼児期の存在としての安定を得られなかったことに由来する、根の深いものがそのまま思春期を超え、20代に入り、30代に入っていると思えるからです。
これは引きこもりを「病的原因を主な理由にしない」と定義づけたとしても、変わらないと思います。
病気に診断される人も、診断されない人もいる、それによってある程度の深さの違いはあっても、診断する医師の差であったり、医療機関に行くときの本人の調子の差であったりすることもあるからです。
もう一つ「雇用主による就労支援――静岡方式」は具体的な取り組みです。
ちょうど同封のチラシ「引きこもり・ニート支援団体の情報提供の場」を計画しています。
もし、青少年就労支援ネットワーク静岡に関係する団体・事業者で、ご協力いただける方がいましたら、参画をお願いしたいのです。
ご検討いただければ幸いです。
謹言
2006年3月25日
紹介する本はこちら⇒◎

渋谷昌三『人と人との快適距離』NHK出版、1990


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