生活保護費
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生活保護費 最大1割減 来年度、母子加算も 厚労省検討
厚生労働省は7日、来年度の生活保護費見直しで、食費や光熱費などに充てる「生活扶助」を最大1割程度、引き下げる検討に入った。
年齢や世帯形態によって増額となるケースもあるが、一般の低所得世帯の消費支出より支給額が多いとの調査結果を踏まえ、見直しが必要と判断した。
生活扶助の支給水準は5年に1度見直している。
全体では前回2013年度に続き2回連続で引き下げとなる見通し。
都市部を中心に高齢単身世帯などが多く含まれ、反発が強まりそうだ。
一部の子育て世帯で減額幅が大きいため、厚労省は別の案も検討している。
厚労省はひとり親世帯を対象にした母子加算も一部引き下げる方向。
8日に開く社会保障審議会の部会で専門家の意見を聴き、今月下旬の予算編成までに詳細を決める。
見直し案では、支給水準が高い大都市部を中心に、金額を引き下げる。
例えば中学生と小学生の子ども2人を持つ40代夫婦は支給額(各種加算を含む)が月約21万9千円から約19万4千円に11%減る。
65歳の高齢単身者も月約8万円から約7万3千円と、8%マイナスとなる。
都市部以外はケースごとに分かれ、地域や世帯によっては7%程度増えることもある。
厚労省は急激な減額を緩和するための措置を設けたり、数年間で段階的に実施したりする方針。
削減分は生活保護世帯の高校生の進学支援といった子どもの貧困対策などに振り向ける考えだ。
このほか各種の加算も見直す考え。母子加算は子ども1人の場合、現在の平均月2万1千円から1万7千円に引き下げる。
一方、児童手当に相当する児童養育加算の支給対象を現在の「中学生まで」から「高校生まで」に拡大する。
生活扶助は総額で年間約1兆2千億円(15年度)。
前回13年度の改定では、物価下落を理由に、生活扶助が3年かけて平均6・5%カットされ、全国で訴訟が起きるなど反発が広がった。
≪生活保護≫
憲法25条で規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度で、収入が国の定める最低生活費を下回れば不足分を支給する。
食費や光熱費に充てる「生活扶助」のほか、医療費を全額公費で負担する「医療扶助」などがある。
今年9月現在、約164万世帯が受給し、高齢者世帯が約86万世帯を占める。
生活扶助は5年に1度見直すことになっており、来年度が改定の年に当たる。
保護費は増加が続いており、本年度当初予算で国と地方合わせて約3兆8千億円。
〔◆平成29(2017)年12月8日 京都新聞 朝刊本版(共同通信)〕
選考による無料の海外渡航費は生保受給者の被贈与資産でないと厚労省が判断
子どもの貧困ネットワークによると、家庭が生活保護を受けていた定時制高校生の海外渡航が認められました。
NPOピースボートの企画に応募し、選考により海外渡航に無償で参加できることになったケースです。
厚労省はこれを被贈与資産に当たらず、収入認定される額はないと判断したものです。
生活保護費
知恵を貸してください、とSOSを出した春日丘高校定時制の小西です。
本日午後、当該市のCWから、「収入認定をしない、渡航中の保護費の減額もしない」との連絡がありました。
他の子たちとまったく同じ条件で、「ピースボート2017年夏の日韓クルーズ12日間に挑戦!」ができることになりました。
こんなうれしいご報告ができることに、あらためて心から感謝を申し上げます。
多くの皆さんからサジェスチョンや励ましをいただき、たくさんの資料も送っていただき、直接厚労省へ足を運んでいただいたり問い合せていただいたり、ほんとうに多くの方の力が結集されて前に動かすことができました。
諦めかけていたA君は、いい笑顔で登校してきました。
お母さんからも丁寧に感謝の気持ちをいただいています。
今回の件では、これまであえて当該市の名は出してきませんでした。
それは市の対応に一斉に抗議するというよりも、むしろ初めてのケースだった可能性もあるため、企画をされたNPOとも足並みを揃えて、道理を尽くして説得しようというスタンスでした。
もちろんもっと最悪の場合も想定して、「次なる手段」も考えなかったわけではありません。
結果としては、厚生労働省の社会・援護局保護課から、市に対して以下のような認識が示されました。
「今回のケースについては、NPO法人が広く参加者を募集し、 選考されて海外渡航に無償で参加するという性質ものであることから、処分すべき被贈与資産にはあたらないため、 結果として渡航費用に関して収入認定される額はないと判断いたします。」
今後、全国で似たような事例があった場合、今回のケースが参考にされることもあろうかと思います。
あらためてここで、当該の自治体が大阪府高槻市であったことも報告させていただきます。
その後、市はパスポート取得など渡航に向けての準備を丁寧に対応してくれているそうです。
お母さんとの電話で「A君はすぐ諦めますよね?」と尋ねると、「先生、わかりますか?」と言われました。
入学してまだ2か月半ですが、「そりゃ、わかりますよ。でも諦めないことが大事と気づいてくれたと思います」と答えました。
そしてこの結果に一番驚いているA君には、「たくさんの人と繋がっていることは大きな財産になるよ」と伝えました。
彼がこの旅に参加できるようになったことで、他の参加者の誰よりも得ることは大きいと思います。
このMLが、志を同じくする多くの方の力を結集してくれていることに、心から感謝いたします。
〔2017/6/20 子どもの貧困ネット〕
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークMLの皆様
大阪府立春日丘高校定時制で勤務している××と申します。
困っていることがあって緊急でお知恵を拝借したく、久しぶりに投稿をさせていただきます。
NPO法人D×Pさんが募集していた「ピースボート2017年夏の日韓クルーズ12日間に挑戦したい高校生募集!」に、本校の生徒が応募をしました。
NPO法人が費用を負担してくれて、パスポート取得費用や現地でかかる個人の諸費用(おみやげ代など)以外は無償で、ウラジオストック・函館・境港・釜山の旅に挑戦するというとても魅力的な企画です。
http://www.dreampossibility.com/9838
これにA君が応募して見事に選考され、私たち教員も「帰ってきたら授業で発表してもらおう」などど応援していた矢先でした。
A君は母子家庭で生活保護を受けていたため、パスポート申請もあって母と一緒に市役所へ行きました。
すると担当のCWから「相談するので一日待ってくれ」と言われ、翌日非情なことを知らされました。
市のCWが言うには、①海外にいる親戚の冠婚葬祭、②国際大会への出場、③修学旅行、以外の渡航はぜいたくと見なされ、旅費が収入認定され、その期間分の保護費も減額されるとのことでした。
期間中、日本にいないということで「保護費の一部が減額される」というのは百歩譲ってあり得るのかもしれませんが、自分で負担するわけでもない旅費まで収入とみなされ、返還?戻入?させられというのはどう考えてもおかしいのではないでしょうか。
そもそも参加費=旅費はNPO法人が負担してくれてツアー主催者に払われるわけで、A君の世帯にいったん入るわけでもありません。
私からも直接市役所に問い合わせして、「学校として全校生徒に呼びかけて応募させている公的な取り組みである」「単なる私的な旅行ではないので、国際大会や修学旅行に準じるような柔軟な対応をしてほしい」と言いましたが、説明は変わらず同じ回答でした。
結局これでは自費で参加する以上に負担が増えるため、A君もお母さんも諦めるしかないと思っています。
生活保護を受けているからという理由で、他の子どもたちと同じような経験が積めないということに大きな理不尽を感じています。
正式な申し込みの締め切りも迫っており、何とかできないものかと思案中です。
よきアドバイスがあれば、ぜひよろしくお願いいたします。
〔2017/6/18 子どもの貧困ネット〕