カテゴリ:帯広市(北海道)
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帯広市
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所在地 | 北海道帯広市 |
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TEL | 0155・37・2729(野坂勲) |
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周辺ニュース
帯広市の就学援助利用者数
就学援助 3000人割れ 帯広市の15年度利用者 12年ぶり、少子化など影響 受給なお全国平均上回る
経済的に困窮する家庭を対象に市町村が学用品費などを支給する就学援助制度で、2015年度の帯広市の利用者数が、12年ぶりに3千人を下回り、2835人(速報値)だったことが市教委のまとめで分かった。
児童生徒数の減少や経済情勢が好転しつつあることが理由とみられる。
子どもの貧困対策が注目を集めている中、5人に1人以上が受給する厳しい状況は依然変わっていない。
就学援助は、経済的に苦しい家庭の小中学生に対し、学用品の購入費や修学旅行費、学校給食費、スケート靴などの体育用具購入費などを援助する制度。
生活保護を受けている「要保護」世帯と、各市町村の基準に基づき、これに準ずる程度に困窮していると認定された「準要保護」世帯が対象となる。
15年度の帯広市の利用者数は要保護177人、準要保護2658人で、全児童生徒に占める割合は計23・0%。
利用者数は10年度の3532人、援助率は11年度の26・0%をピークにいずれも減少を続けており、03年度以来、初めて3千人の大台を下回った。
15年度の支給総額は確定していないが、14年度は約2億3700万円に上っている。
複数ある準要保護の認定基準のうち、「世帯収入が生活保護基準額の1・3倍以下」という条件の下で制度を利用している児童生徒数はここ数年で大幅に減った。
利用者が減少傾向にある背景について、市教委学校教育課は児童生徒数の減少や制度の認知度向上で需要が頭打ちになったことに加え、「(制度を利用してきた)世帯の収入が上がってきたのでは」とみる。
しかし、市内の援助率は05年度以降11年連続で20%を超えた。
市町村ごとに認定基準が異なるため単純な比較はできないが、全国平均(13年度)の15・4%に比べると依然高い。
来年4月に予定通り消費税率が10%に引き上げられれば、景気が冷え込むことも予想される。
利用者数がこのまま減り続けるかは不透明だ。
市教委は8日から18日まで就学援助制度の新規利用申請を受け付けている。
詳細は学校教育課(電)0155・65・4203へ。
〔◆平成28(2016)年4月7日 北海道新聞 朝刊地方〕
周辺ニュース
帯広市無料学習支援事業
市の小中生無料学習支援事業 困窮世帯へ周知強化
帯広市は16日の市議会予算審査特別委員会で、2015年度から生活困窮世帯にも拡大した小中学生向けの無料学習支援事業で困窮世帯の利用者がいなかった問題について、新年度から周知強化に取り組む考えを示した。
就学援助を受ける市内の児童生徒約3千人の家庭に案内チラシを郵送することなどを想定する。
具体的な内容は今後、同様の事業を行っている苫小牧市など他の自治体を参考に詰める。
市保健福祉部の寺嶋義信保護担当調整監は「チラシ配布だけでなく、こちらから参加を呼び掛ける方法を検討したい」と述べた。
無料学習支援事業は15年4月施行の「生活困窮者自立支援法」に基づく取り組み。
子どもの貧困対策を兼ね、対象を生活保護受給世帯だけでなく、生活困窮世帯にも広げた。
市は生活保護の相談窓口で案内チラシを渡すなどして周知したが、困窮世帯の利用はゼロ。
生活保護受給世帯は小学生12人、中学生11人が利用した。有城正憲氏(市政会)への答弁。
また市は、胃がんの原因となるピロリ菌の早期発見に向け、新年度から市内の全中学3年生を対象に始める無料検査の周知について、帯広市医師会と協力して保護者対象の説明会を開くことを報告した。
早ければ4月にも開催するという。
〔◆平成28(2016)年3月17日 北海道新聞 朝刊地方〕
市の小中学生無料学習支援事業 困窮世帯は利用ゼロ 新年度も継続 周知に課題も
帯広市が2015年度から生活保護世帯に加えて生活困窮世帯にも拡大した小中学生向けの無料学習支援事業で、困窮世帯の利用者はゼロだったことが9日、市への取材で分かった。
事業は昨年4月施行の「生活困窮者自立支援法」に基づく取り組みで子どもの貧困対策を兼ねる。
市は16年度も事業を継続するが、支援が必要な家庭へどう周知するかが課題となっている。
市によると、15年度は小学生12人、中学生11人が利用した。生活困窮者世帯からは問い合わせが数件あり、会場を見学した児童生徒もいたが最終的には利用に至らなかったという。
当初は小学生15人、中学生20人程度を上限に利用を想定していた。
事業は市内のNPO法人2団体に委託。
スタッフや元教員らが講師を務め、中学生向けは週2回、小学生向けは月2、3回実施している。学力向上だけでなく、子どもの居場所づくりも担う。
市は11年度(小学生は12年度)から生活保護世帯の子どもを対象に事業を行い、15年度から困窮世帯にまで拡大した。
市は、市の広報誌に事業内容を掲載したほか、生活保護の相談窓口などで市民に案内チラシを渡したり、口頭で紹介したりして周知を図ったとしている。
ただ、就学援助を受ける子ども全員に案内を出すなどの対応はしておらず、担当者は「潜在的な需要は多いが、定員を考えると、周知をどこまで行うか悩ましいのが実情だ」と話す。
市は16年度も窓口などでの案内やチラシ配布を基本とした周知を続ける方針。
申し込み・問い合わせは市保護課(電)0155・65・4235へ。
*実態把握が急務
〈解説〉帯広市の小中学生向け無料学習支援事業で、生活困窮世帯の利用がゼロだった背景には、
市内の困窮者の数や実態が不明なため結果的に周知が抑制的となり、支援が必要な家庭に情報を伝えきれなかったことがある。
市は施策の効果を最大限に高めるためにも、困窮や貧困の実態把握に乗り出すべきだ。
子どもの貧困の最大の問題は数値化されにくく「見えないこと」にある。
ただ、ある程度実態を浮かび上がらせることは可能なはずだ。
道外では自治体レベルで子どもの貧困調査を行うケースも増えており、参考となるだろう。
また、困窮にあえぐ世帯ほど生活に追われて行政に支援を求める余裕がない現実もある。
支援策を生かすには、メニューを用意して待つだけでなく、当事者に直接提示することが必要だ。
そのためにも早急な実態把握が求められる。
周知の在り方も課題が残る。市は抑制的になった理由に定員が限られている点を挙げるが、
同様の規模で事業を行った苫小牧市は小中学校や民生委員などの協力も得て幅広く知らせている。
利用者31人のうち半数が生活困窮世帯の子どもだった。
苫小牧市の担当者は「希望者が100人来ても構わない。その時に考えようとのスタンスだった」と強調している。
〔◆平成28(2016)年3月10日 北海道新聞 朝刊地方〕
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