中学生の自分を別人格になって表わす
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中学生の自分を別人格になって表わす
日曜日の午前中のことだったと記憶しています。
30歳ぐらいのよく知る女性でした。
町中を並んで歩いていたのですが、
「あした朝から試験なんだ、今日はその勉強をしなくちゃいけないんです」
と突然話し始めました。
そして、「“〇〇”としてはこの科目を落とせないんです」といいます。
“〇〇”というのは、中学生であるこの人の名前で、実名とは違います。
もう完全に中学生の“〇〇”になりきっています。
たぶん遠い記憶なのに、それがいま生きいきと蘇っているのでしょう。
体はふらつくことはないので、駅の改札口まで見送って別れました。
その後もときどき会っていたのですが、このときの話はしていません。
これは“多重人格”と言われるもので、子ども時代に虐待を受けた人がその記憶を別人格になって表現すると聞いたものです。
“多重人格”は今日では解離性同一性障害といわれます。
この人からは解離性障害の診断を受けていると聞いていました。
解離性同一性障害とは解離性障害の一つのようです。
あのときからずいぶん時間が過ぎました。
今どうしているのか、ときたま思い出すことがあります。
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