フードバンク茨城
NPO法人フードバンク茨城
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フードバンク:広がる 困窮者需要増、供給不足も /茨城
規格外などの理由で、賞味期限内に破棄される食品を企業や市民から譲り受け、
社会福祉協議会(社協)などを通じて生活困窮者に提供するNPO法人「フードバンク茨城」(牛久市)の活動が徐々に広がっている。
昨年4月の法施行で社協からの供給要請が急増し、需要に応えられないケースも出てきた。
大野覚理事長は「支援の輪をもっと広げたい」と話している。
フードバンク茨城は2011年3月に設立。
企業や農家、県内20カ所に設置された「きずなBOX」などを通じて食品を集め、希望する各社協や福祉施設に配っている。
食品の需要を把握しようと、15年度に食品を配った28社協に書面で調査を実施し、17社協から回答を得た。
それによると、相談者のうち食品支援を受けたのは69世帯。
このうち、もともと食品支援を期待していた人は全体の62%(43世帯)にのぼった。
食品支援を受けた理由は「生活保護を受けたくないが生活困窮」49%(34世帯)
▽「生活保護申請が許可されるまで食べ物がない」21%(14世帯)▽「年金が入るまで食べ物がない」20%(14世帯)――などだった。
15年4月に「生活困窮者自立支援法」が施行され、自治体は社協などに委託して相談窓口を設置し、家計相談や学習支援事業などが行えるようになった。
これに伴い、フードバンク茨城への供給要請が急増。
実際に供給した食品は前年度に比べ2倍の約5トンに膨らみ、希望に応えられないケースもあったという。
社協にどんな支援をより頻繁に行ったのかを聞いたところ、学習支援や住宅確保給付金より食品提供が多かった。
大野理事長は「社協の生活支援で広く活用されていると分かった。今後も供給の要請が増える可能性もある」と話す。
社協を通さず、児童福祉施設などにも提供しており、15年度は80団体に85トンを提供した。
一方、大手スーパーとの連携や、生命保険会社営業所に「きずなBOX」を設置するなど、支援の輪が徐々に広まっている。
寄付が可能なのは、缶詰やインスタント食品、レトルト食品など未開封で賞味期限が2カ月以上ある常温保存が可能な食品。調理のいらない食品が重宝される。
問い合わせはNPO法人フードバンク茨城(029・874・3001)。
〔2016年9月13日・貧困ネット、◆平成28(2016)年9月3日 毎日新聞 地方版〕
家で眠る食品、寄付を フードバンク茨城が呼びかけ 支援法施行で需要増 /茨城県
生活困窮者や福祉施設に無償で食品を届けるNPO法人「フードバンク茨城」(牛久市)が、家庭などで余っている食品の寄付を呼びかけている。
昨年4月の生活困窮者自立支援法の施行で、困窮者の相談窓口になった社会福祉協議会や自治体からの要望が高まっており、在庫の枯渇が続いているという。
担当者は「お中元の品や使うあてのない缶詰など、家庭で眠る食品を寄せてほしい」と話す。
一般的にフードバンクでは、賞味期限内で安全に食べられるにもかかわらず、規格外や包装ミスなどを理由にメーカーが廃棄処分する食品を引き取り、貧困家庭などに提供する活動だ。
「食品ロス」を減らす取り組みとしても注目され、米国では50年近い歴史がある。日本では2000年以降に広まった。
フードバンク茨城は11年に設立され、15人ほどのボランティアが活動を支える。
食品小売会社や寺などから寄付してもらった食品を仕分け、箱詰めして県内の福祉施設や路上生活者を支援する教会などに提供。
支援団体などを通じ、直接、貧困家庭にも届けている。
昨年4月に支援法が施行されると、生活困窮者の相談窓口になった社協や自治体から、食品の提供依頼が急増した。
昨年8月には急きょ、個人からの食品を受け付ける常設箱「きずなBOX」を県内各地に置いた。
その結果、15年度は企業・団体分も含めて87トン分の食品が寄せられ延べ数千人に届けられた。
大野覚(さとし)理事長は「茨城は県民所得が高く、豊かな県と思われているが、明日の食べものに困っている人も多くいる。
届けてもらった食品は確実に役立てるので協力を」と呼びかける。
「きずなBOX」は現在、水戸市や牛久市、龍ケ崎市など8市の19カ所に設置されている。
未開封で賞味期限が2カ月以上ある常温保存可能なもので、特に電気やガスが止められた人に重宝される缶詰など、保存食の需要が高いという。
詳しくはフードバンク茨城のウェブサイト(https://sites.google.com/site/fbibaraki/)か、電話(080・3367・0782)まで。
〔2016年8月30日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月13日 朝日新聞 東京地方版朝刊〕