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ひらのっ子食堂

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ひらのっ子食堂

夏に問う:2016参院選/5 子どもの貧困 孤食防ぐ民間「食堂」 行政が本来取り組むべき /兵庫
「帰りにコンビニでおにぎり買うねん」「家に誰もおらん。先生、寄っていかへん?」――。
子ども食堂「ひらのっ子食堂」(神戸市兵庫区下祇園町)はそんな子どもたちの会話がきっかけで今春、スタートした。
神戸市立児童館の指定管理者の神戸実業学院が運営する。
児童館の学童保育に通う子どもたちは帰宅時間の午後5時、自宅へ戻る。
帰り際の言葉の端々に、経済的な事情や親の不在で食事を1人で済ませる「孤食」の姿が浮かび、支援が必要と考えた。
「いただきます」。5月下旬のある日、「ひらのっ子食堂」のある兵庫区のマンションの一室で、幼稚園児から中学生までの子が手を合わせた。
食堂は週3日開く。この日のメニューはちらしずしといなりずし、小松菜のごま和えにみそ汁。さらにリンゴのデザートまでそろう。
管理栄養士が手がけ、バランスのとれた内容となっている。
小・中学生の3人の子と参加した会社勤めの母親(35)は「仕事で帰りが遅くなると、子どもたちは先にカップラーメンなどを食べてしまう。このような場所はありがたい」と話す。
また、6歳の長女を連れた女性(27)はシングルマザー。普段は仕事を終えて帰宅するまで、学童保育から帰る子どもを親類宅に預かってもらう。
帰宅後は子どもの食事や宿題の世話で慌ただしい。だが、食堂を利用する日は「にぎやかな雰囲気で過ごせるし、家に帰った後も時間に余裕ができる」と語る。
厚生労働省によると、18歳未満の子どもの貧困率は、2012年に16.3%で過去最悪を更新。これらの子ども6人に1人が貧困状態とされる。
中でも「ひとり親」の世帯の親の貧困率は54.6%で、半数以上を占める。
こうした状況を背景に、県内でも費用を無料とするか低く抑え、貧困家庭を支える子ども食堂の取り組みが広がる。
ただ、運営には課題もある。主催者は地域住民やNPOなどによる小規模な団体が多いが、運営費には公的支援はなく、神戸市が今年度、支援の仕組みを設けたばかり。
神戸実業学院の場合は、別に児童養護施設を運営しており、この施設で提供するメニューを子ども食堂でも運用。
スタッフは施設の職員とボランティアが務める。
学院の金子良史理事長は「こうした『子ども食堂』を一から準備するとなると負担は大きく、担い手は限られる」と指摘する。
〔2016年6月26日・貧困ネット、平成28(2016)年6月16日 毎日新聞 神戸版〕 

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