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ホームレス支援

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ホームレス支援

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ホームレス支援、自治体やNPO撤退続々 国、人数減理由に補助削減 【名古屋】
野宿生活者(ホームレス)に対する支援から自治体やNPOが相次いで撤退していることが、朝日新聞と日本福祉大、大分大、日本大による共同調査でわかった。
国がホームレス減少を理由に補助を削減したことが要因とみられるが、専門家は国の調査不備を指摘し、支援継続を呼びかけている。
2014年度にホームレスへ独自に緊急一時宿泊施設(シェルター)を提供するか、府県のシェルターを提供したのは79市。
各市に問い合わせたところ、15年度は前橋、松山、長野県岡谷、愛知県一宮、兵庫県尼崎、西宮、愛媛県今治、沖縄県糸満など14市で提供をやめていた。
また、14年度に国の補助を受けて巡回相談や職業紹介などのホームレス支援をしていたNPOに15年度の実施状況を尋ねたところ、回答した34団体のうち2団体が支援を中止し、11団体が活動を縮小していた。
背景には国の補助の大幅削減がある。
厚生労働省によると、全国のホームレスは今年1月現在で6235人。
リーマン・ショック直後の09年より1万人近く減った。
減少傾向を受け、同省はシェルターを提供する自治体への全額補助を15年度に3分の2に削減、NPOへの全額補助も14年度いっぱいで打ち切った。
だが、大分大の垣田裕介准教授は「支援によって路上生活から脱却できる人もいた。支援がなくなればまた増えるだろう」と話す。
厚労省は07年時点で、ネットカフェなど夜間営業店舗を渡り歩く人が全国に5400人いると推定した。
日本福祉大の山田壮志郎准教授は「当時も実態に近かったか不明だが、その後も減っていない。多様化したホームレスの実態を把握して支える新たな枠組みが必要だ」と指摘する。
住まいが自立の原点
全国的に減ったとされるホームレス。
その一方で、非正規労働が増え、ネットカフェで寝る人もいる。
「貧困ビジネス」が広がる中、住まいのない人をどう支えるのか。支援の現場を訪ねた。
仙台駅から約5キロの住宅街。静岡県出身の男性(30)はシェルターに3月半ばに入った。
親と折り合いが悪く、10代で故郷を離れた。
東日本大震災後、福島県で除染の仕事に就いた。
寮付きだったが、昨年12月で工期が終わり、収入と住まいを同時に失った。
復興の仕事を求めて宮城に来たが、住所不定では職探しは厳しい。
ネットカフェで寝る金も尽き、夜は物陰で寒さに耐え、図書館で昼眠った。
県の福祉事務所を訪ね、紹介されたのが、県から委託を受けるNPO法人・ワンファミリー仙台が営むシェルターだった。
6畳間に2段ベッド二つ。「本当にありがたい」。無料、食事付きだが、飲酒は禁止。
ごみ拾いなどの奉仕があり、起床・消灯時間は決まっている。
ほかの入所者とも交流し、生活リズムを立て直していく。
震災後は復興の仕事を求めて東北に来た後、職も住まいも失った人が目立つ。
「ホームレスの自立には長い時間がかかる。まずは住まいを保障する必要がある」。立岡学理事長(42)は話す。
シェルターを持たない自治体がホームレスに安い施設を紹介し、そこを住所に生活保護を受けさせるケースもある。
だが、そうした対応には危うさもある。
岩手県出身で名古屋市のアパートに住む男性(45)は、岐阜県にいた約5年前にがんで職を失い、公園などで過ごすようになった。
「生活保護を受けられる」と見知らぬ男に勧められ、名古屋市内の無料低額宿泊所に入った。
間仕切りで1人分が2畳もない居室は「人の住むところではなかった」。
通帳や印鑑を預かられ、保護費は部屋代や食事代としてほぼ全額天引きされた。
ホームレス支援に取り組む弁護士の助けで1年後に今のアパートに移れたが、生活保護に頼る暮らしは続く。
職を見つけて野宿から抜け出す道は険しい。
日本福祉大の山田准教授は「自立には、悪質でない『当面の住まい』が必要で、シェルターの役割は大きい」と話す。
ホームレス支援政策の推移
2002年 ホームレス自立支援特措法が期限10年で施行
08年 リーマン・ショック
09年度 シェルター提供に国庫全額補助開始
10年度 NPO支援への国庫全額補助も始まる
12年 特措法5年延長
14年度 NPO支援への国庫補助終了
15年度 生活困窮者自立支援制度が始まり、シェルター提供への国庫補助3分の2に
17年8月 特措法期限
18年度 生活困窮者自立支援制度を見直し予定
〔2016年6月8日・貧困ネット、平成28(2016)年6月1日 朝日新聞 名古屋朝刊〕

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