徳島県立しらさぎ中学校
徳島県立しらさぎ中学校
所在地 | 徳島県徳島市北矢三町1丁目3-8 |
---|---|
TEL | |
HP | https://shirasagi-jhs.tokushima-ec.ed.jp/ |
アンジェラ・アキさんが校歌制作、四国初の夜間中学開校
開校式で外国籍の新入生は通訳を通してあいさつを聴いた
四国で初めての夜間中学「徳島県立しらさぎ中学校」(徳島市北矢三町1丁目)の開校式と入学式が7日夜にあった。
一般教科のほか、防災や郷土についても学ぶ。
県内各地から通学する10~80代の34人が学校生活をスタートした。
夜間中学は、戦後の混乱期で義務教育を修了できなかった人や、不登校などで十分に通えなかった人、学び直しを希望する外国籍の人などを対象にした公立の夜間学級。
文部科学省によると、この4月に開校する徳島、高知両県の県立夜間中学を含め、全国で12都府県の36校となる。
県立は徳島と高知が初めてという。
しらさぎ中学は、定時制・通信制の県立徳島中央高校の敷地内に開校。
鉄筋コンクリート2階建ての校舎は、旧産業教育実習棟を改修した。
7日の式典は体育館であり、両校の校長を兼務する大住満寿夫校長が「多様性」の大切さについて語った。
「教職員と生徒がともに学び合い、成長できる学校をめざすので安心して通ってください」と呼びかけた。
校歌も披露され、板野町出身のシンガー・ソングライター、アンジェラ・アキさんが作詞作曲した。
徳島のシンボルの眉山や吉野川を織り込み、「大地をぐっと踏みしめて藍色の空を見上げよう」「明日へ飛び立つしらさぎ」と生徒を後押しする歌詞を優しい曲調に乗せている。
生徒を代表し、徳島市在住の保育園長、落合輝紀さん(38)が「年代や国籍はさまざまだが、学びたいと思う強い気持ちは同じです。
それぞれの夢や目標に向けて楽しみながら学んでいきたいと思います」と宣誓した。
外国籍の入学生は中国やフィリピンなど5カ国11人。
同席した通訳を介してあいさつなどに耳を傾けた。
授業では一般の中学と同じ9教科を中心に、防災教育や消費者教育を取り入れ、日本語教育を充実させたコースも設けた。
遊山箱づくりや藍染め、阿波踊り、歩き遍路を体験するなど、郷土についても学ぶ。
〔2021年4/9(金) 朝日新聞デジタル(斉藤智子)〕
県立夜間中学校「しらさぎ中学校」が開校します
さまざまな理由により、義務教育を修了できなかった方、不登校などでほとんど学校に通えなかった方、母国で義務教育を十分受けられなかった外国籍の方など、学び直しを希望する方の学びへの前向きな気持ちに答える全国初の県立夜間中学校「しらさぎ中学校」が、県立中央高等学校敷地内(徳島市北矢三町1丁目3-8)に今年4月から開校します。
夜間の時間帯に週5日間、昼間の中学校と同じ教科を勉強します。
すべての課程を修了すれば、中学校卒業となります。
興味がある、通ってみたいと思った方は、しらさぎ中学校ホームページを確認いただくか、下記へ問い合わせください。
・しらさぎ中学校ホームページ
【HP】https://shirasagi-jhs.tokushima-ec.ed.jp/
問い合わせ:徳島県教育委員会教育創生課
【電話】088-621-3183
【FAX】088-621-2880
【メール】kyouikusouseika@pref.tokushima.jp
〔広報よしのがわ 2021年3月号〕
「夜間中学」を知っていますか?
戦後の混乱期の中で義務教育を修了できなかった人や、様々な理由から本国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めることになった外国籍の人など、多様な背景を持った人たちが一生懸命学んでいます。
最近では、形としては中学校を卒業していても不登校などの理由で十分に通うことができなかった人たちの“学び直しの場”としての役割も期待されるようになりました。
そんな夜間中学について、ご紹介します。
「夜間中学」とは?
公立中学校の夜間学級、いわゆる「夜間中学」は、中学校のうち、夜の時間帯に授業が行われる学級のことをいいます。
戦後の混乱期には生活が大変で、中学校に通う年齢の人の中には、昼間は仕事をしたり、家事手伝いをしたりと、昼間に中学校へ通うことができなかった人がいました。
そこで、昭和20年代初頭、そういった人たちに義務教育の機会を提供できるように、仕事などが終わった後、公立中学校の二部授業という形で、夜に授業が受けられる夜間学級を設置したのが夜間中学の始まりです。
昭和30年頃には、設置中学校の数は80校以上を数えましたが、就学援助策の充実や社会情勢の変化に伴って減少し、現在では10都府県28市区に34校が設置されています。
現在、夜間中学に通っている人たちは、例えば、戦後の混乱期に学齢期を迎えたために学校に通えなかった人や、いわゆる中国残留孤児の人、親の仕事や結婚などに合わせて来日したものの日本の学齢を経過していた人、昼間の中学校で不登校となって中学校を卒業しなかった人、不登校等のためにほとんど学校に通えないまま、学校の教育的配慮により中学校を卒業した人など様々ですが、いずれも、何らかの事情で学齢期に義務教育の機会を十分に得られなかった人たちです。
夜間中学では、このような多様な背景を持った人たちの学びたいという願いに対応して幅広い教育を行うなど、学びの機会の確保に重要な役割を果たしています。
また、昼間の中学校で不登校となっている生徒が希望する場合には、夜間中学で受け入れ、支援を行うことも可能となっています。
現在のところ、このような生徒を受け入れている夜間中学はありませんが、今後、夜間中学によって受け入れが行われるようになることも考えられます。
平成28年12月に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が成立し、同法第14条において、全ての地方公共団体に、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務付けられました。
今後、自治体においては、夜間中学の新たな設置や、いわゆる自主夜間中学等における学習活動への支援などに取り組むことが求められます。
「2021年(令和3年)4月徳島に全国初となる県立の夜間中学が開校します」
〔広報みなみ 2021年2月号 美波町〕
「学び直し」の機会、不登校や外国籍の人に 来春開校の徳島県立夜間中学
都道府県立としては全国で初めてとなる夜間中学校「しらさぎ中学」が2021年4月、徳島県立徳島中央高校(徳島市北矢三町1)の敷地内に開校する。
不登校などで義務教育を十分に受けられなかった人や外国籍の人らに「学び直し」の機会を提供する。
現在、生徒を募集中で、21年3月19日まで申請が可能だ。どんな学校が誕生するのか。
◇少人数制、個人の目標や学力に合わせた学びを
夜間中学に関しては、県教委が5年前からニーズを調べ、徳島市など県内5市の公立中学教員へ実施した調査(16~17年)では約7割が、県内に公立の中学夜間学級の設置が必要と回答した。
県内全域からより多くの生徒を集められる▽十分な教員が配置できる――などの点から県立での設置が決定。
同じ21年春には、高知県でも県立中学の夜間学級が開設される予定だ。
夜間中学という学校の性格から、就職や高校進学、学び直しといった多様な目標を持った生徒が集まることになる。
このため授業は少人数制にし、一人一人の目標や学力に合わせた学びを提供することに主眼を置く。
志願できるのは、義務教育年齢(入学時に15歳)以上で、原則として県内で住んだり、働いたりしている人。
1~3年までどの学年からも入学が可能で、1学年あたり20人ほどを目標に募集する。
授業は月~金曜の午後5時45分~同8時55分に実施。1日4時間(1コマ40分)を予定する。
一般的な教科に加え、阿波踊りや藍染めなど県の伝統文化に触れる時間を作り、防災や消費者教育など生活に密着したテーマにも力を入れる。
また、外国籍の人向けに日本語指導が受けられる「ベーシックコース」も週8時間ほど設ける。
しらさぎ中教頭を務める県教育創生課の籔内純一郎班長は「いろんな人が一緒に勉強し、違う価値観などさまざまなことを吸収できる。
『こういう学校である』という押しつけでなく、生徒の意見も聞き、一緒に学校を作りたい」と話す。
入学申し込みや問い合わせは県教育創生課(088・621・3183)。
◇通学距離や仕事との両立ネックに
「生徒それぞれの希望や目標に沿った授業内容にしたい」「体験授業も入れて楽しい学校生活を」。
阿南市で12月13日に開かれたしらさぎ中学校の入学説明会で、県教委の担当職員らが、集まった入学希望者6人に学校の魅力を熱心にアピールした。
市内で暮らすフィリピン人、森岡マリベスさん(49)も興味を抱いて参加したが、入学に関しては迷っているようだった。
マリベスさんは1993年に来日し、現在は英語指導員として働く。
英語を分かりやすく教えるために日本語力、特に読み書きをさらに磨きたいと考えているという。
ただ、阿南から徳島市の学校まで通うにはやや距離があるのが悩みどころで、「週2回は(学校に)通い、3回はオンライン授業だったらいいなと思っていたのだけど」と話した。
しらさぎ中の開校に向け、県教委は8月から県内各地で入学説明会を開き、どんな授業が行われるのかを参加者に体験してもらう取り組みも実施した。
9月に募集を開始し、12月22日までに30~80代の20人が入学許可申請書を提出。うち5人は中国とフィリピンの国籍という。
もう一度高校に通うために中学から学び直したい人や、日本語を勉強して日本での生活を豊かにしたい人らが入学を希望している。
一方で、マリベスさんのように学校までの距離や、仕事や家庭との両立といったことへの心配から、入学を迷う人がいるのも事実だ。
しらさぎ中では、仕事が終わらないと登校できない人や、遠方から通う人への配慮も検討している。
具体的には、午後5時45分以降に始まる1時間目を体育や音楽といった技能教科などに充て、国語や算数など継続的な学習が必要な教科を2時間目以降に回すという。
籔内班長は「(学校の)基礎を作り上げた上で、要望にどう対応するか考えたい」と話し、より多くの生徒に学んでもらうための環境づくりを開校後も進めていく考えだ。
〔2020年12/23(水) 毎日新聞【岩本桜】〕
[徳島県]県立夜間中学の開設を目指す
徳島県(75万500人)は、県立の中学校夜間学級(夜間中学)の開設を目指している。
10年の国勢調査では、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した人が県内に1425人いることが判明。
17年度の中学校不登校者は483人おり、県内在住の外国人労働者も増加傾向にあるなど、さまざまな理由で義務教育の学び直しを必要とする人や外国籍の人のニーズが確認されていた。
そのため、市町村教育委員会、中学校長会等で構成する協議会で夜間中学設置についての調査研究を進めてきた。
その結果、同県において市町村単独で夜間中学を設置した場合、小規模学級となる可能性が高く、十分な教員配置等が難しくなることが想定され、また、広域に生徒を受け入れる必要性があったことから、県が設置主体となって設置することとした。
県立の夜間中学は全国初という。
開設する夜間中学は、通学の利便性に優れ、夜間定時制を併設する徳島県立徳島中央高等学校の敷地内に設置。
21年4月の開校を予定しており、校名は「徳島県立しらさぎ中学校」に決定した。
開校後は取組み状況を積極的に全国に発信し、地方都市における夜間中学のモデルとなることを目指していく。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020)
〔2020年4/30(木) 政治山<株式会社ぎょうせい>〕