市民団体「Swing‐By」
市民団体「Swing‐By」
所在地 | 宮崎県宮崎市 |
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宮崎県/ 宮崎市で塾形式「ファーストキャンプ」 学び、遊び 貧困なくす 会費制、子ども食堂も併設
子どもの貧困をなくす活動を続ける宮崎市の市民団体「Swing-By」(日永純治代表)が、小中高生に学習や体験活動を指導する塾形式の「ファーストキャンプ」を始めた。
現役の教諭や学生がボランティアを務める。
団体に会費を納めた家庭の子どもが対象だが、貧困世帯は無料で受け入れるのが特徴。
子どもらに学びの場を提供しながら、貧困根絶の活動に充てる会費も集められる「一石二鳥」の試みだ。
16日夕、小学生が国内外で活躍するダンスグループと、ポリ袋を使った遊びを楽しんでいた。
バレエ音楽に合わせ、袋を持って走ったり、膨らませたり。自由な発想でさまざまな遊びに興じた。
一方、中学生は宮崎大生に勉強を教わった。この“塾”は4月にスタート。
毎週金曜日の夕方から開き、小学生と中高生が各1時間半ずつ、勉強だけでなく、演劇やダンス、美術などの体験活動も楽しむ。
会場となる公共施設では、調理室で食事を作って提供し「子ども食堂」も兼ねる。
現在は小学1年生6、7人と中高生4、5人が通う。うち数人が無料の参加者という。
指導役の一人、同大大学院の竹内元(げん)准教授は「貧困家庭の子は心に傷を負い、教育だけでは解決できない悩みを抱えていることが多い。勉強はもちろん、体験や食事など家庭的な場を提供してあげたい」と話す。
主催する「Swing-By」は昨年、宮崎市などの会社経営者や弁護士が設立。
これまで、児童養護施設の子どもが進学する際の奨学金や、学校が貧困世帯への対応を話し合う「ケース会議」への参加を通して子どもを支えてきた。
ファーストキャンプは、参加者の保護者が団体の賛助会員になり月1万円を納める仕組みにした。
単なる寄付より、子どもの塾費用を払う感覚ならば協力を得やすく、持続可能と考えたという。
会費収入は貧困に関する学習会の開催や奨学金の拡充に充てる。
日永代表は「貧困家庭支援は生活面など福祉から入ることが多いが、教育と組み合わせれば効果が増す。子どもの勉強や心を支え、大人になって貧困に陥る連鎖を断ち切りたい」と語る。
同団体=090(8406)6363。
〔◆平成29(2017)年6月30日 西日本新聞 朝刊〕