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ふるさと島根定住財団

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ふるさと島根定住財団

所在地 島根県
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核心 悩み解決へ 広がる移住支援 人口減の地方自治体⇔家計苦しいひとり親 地域なじめぬリスクも 専門家「長期的な体制を」 母子、父子世帯の移住を幅広い支援策で呼び込もうとする地方自治体が増えている。経済的に厳しく、地方の安い生活費や子育て環境に期待するひとり親家庭と、少子高齢化や人口減少に悩む自治体。双方の打開策として注目されるが、専門家は「自治体側は、ひとり親世帯を長期的に支える覚悟が必要だ」と指摘する。 頼れる地域求めて 「今は私一人の考えで子育てしていて、不安。子どもがいろんな人と関われる地域で暮らしたい」。今月八日、ひとり親家庭を対象にした初の全国規模の移住相談会が、大阪市で開かれた。訪れた兵庫県内の女性(34)は移住を望む理由をこう話した。三年前に離婚し、十二歳と八歳の娘とアパートで三人暮らし。フルタイムの仕事を抱え、娘が体調不良の際や残業時などは近所に住む母親を頼っていた。その母親が五月に死去。「周囲に子育てで頼れる人がいない」と、移住を考え始めた。月収二十五万円では、十万円を超える引っ越し費用は重く、金銭面で自治体の支援は魅力だという。相談会では全国九自治体が窓口を設け、家賃や転居費用、養育費の補助、職場の紹介といった支援策をアピールした。主催した島根県の「ふるさと島根定住財団」は三十日にも東京で相談会を予定している。 浜田市から広がり こうした支援策の先進地が島根県浜田市だ。人手不足に悩む介護施設の陳情をきっかけに、昨年から支度金三十万円や中古車の提供、月給十五万円以上の介護職の紹介を始めた。三世帯の募集に三百件の問い合わせがあり、八世帯を受け入れた。これを機に、他の自治体に同様の取り組みが広がった。背景にあるのは地方の働き手不足。ひとり親の移住支援の条件として、浜田市や北海道幌加内(ほろかない)町は介護施設、三重県鳥羽市は保育所での就業を求めている。少子高齢化対策の面もある。鳥羽市では、市内の答志島の漁協が「事務職員にひとり親を迎えたい」と申し出ている。人口二千二百人の島は六十五歳以上の住民が38%に上り、島内唯一の中学校は生徒五十八人。学校の統廃合を避けるため、わずかでも子ども不足を解消したい考えだ。一方で、多くのひとり親家庭は都会の高額な生活費が負担となっている。母子世帯の平均就労収入は、二〇一一年度の厚生労働省の調査で年間百八十一万円。母子世帯を支援するNPO法人リトルワンズ(東京)代表の小山訓久(くにひさ)さん(39)は「都会のひとり親世帯は、家賃に月収の半分以上を費やすこともある」と話す。 子どもの心も考慮 だが、職場や地域になじめないリスクがあるため、金銭面の支援に慎重な自治体もある。長野県須坂市では、子どもと移住を望む母親に対し「離婚直後に移住すれば、子どもが環境変化の連続に戸惑う。せめて小学校を卒業するまで待つべきだ」と止めたこともあるという。小山さんは「地方は生活費は安いが、仕事や学校の選択肢は少ない。子どもの将来も考えると、単純にお金では割り切れない」と指摘。「ひとり親は相談先や頼れる場所を求めている。一時的な支援で誘うより、子育て環境を整えるべきだ」と話す。 (メモ)ひとり親家庭 厚生労働省の2011年の調査では、未成年の子どもと同居する母子世帯は123万8000世帯、父子世帯は22万3000世帯。25年前と比べて母子世帯は1・5倍、父子世帯は1・3倍に増えている。年間就労収入は平均で母子世帯が181万円、父子世帯が360万円で、女性全体の1人当たり269万円、男性の同507万円をいずれも大きく下回っている。ふるさと島根定住財団が主催する「シングルペアレント移住相談会」が三十日午前十一時から午後四時まで、東京・東池袋のサンシャインシティ・ワールドインポートマートビル五階ルーム15で開かれる。無料。 〔◆平成28(2016)年10月30日 東京新聞 朝刊〕

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