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児童相談所・茨城県・トピックス
児相 虐待対応最多1260件 県内15年度 高止まり傾向続く
県内の児童相談所が2015年度1年間に相談などを受けて対応した児童虐待の件数は1260件に上り過去最多となったことが、12日までの県のまとめで分かった。
県子ども家庭課は、3年連続で1250件を超える高止まりの傾向が続いていることから背景分析などを進め、「今後も早期発見、早期対応に努める」としている。
各児童相談所が通報や相談を受けて虐待と判断し、家庭訪問や一時保護などで対応した件数。
県の集計によると、この10年間はほぼ増加傾向を示し、05年度の585件に対して、15年度には2倍以上に増えている。
15年度の件数を虐待の種類別でみると、心理的虐待が515件(40・9%)で3年連続最多となった。
心理的虐待は、言葉による脅しや無視のほか、きょうだいへの虐待や、父親が母親に暴力を振るう場面を見て恐怖を感じるケースも含まれる。
次いで身体への直接的な暴力が415件(32・9%)で多かった。
続いて家に閉じ込めたり、食事を与えないなどのネグレクト(養育放棄)は294件(23・3%)で、性的虐待は36件(2・9%)だった。
虐待の対象は、小学生が423件(33・5%)で最も多く、3歳〜就学前は296件(23・5%)、0~2歳児は219件(17・4%)だった。
虐待したのは、実母が648件(51・4%)で最も多く、実父が466件(37・0%)だった。
児童相談所への相談経路は、警察からが306件(24・3%)で最多。
次いで、近隣住民・知人が237件(18・8%)、家族・親戚が176件(14・0%)だった。
県は、児童虐待の増加に対応するため、相談体制を強化。
県内3カ所の全児童相談所に、警察官OBを含めた児童虐待対応チームを設けた。
また、4月からは平日夜間にもすぐに対応できるよう、輪番で職員2人が正午から午後8時45分まで遅番勤務するシフト制を導入した。
同課は「さまざまな事案に的確に対応できるよう職員の資質向上を図るとともに、警察などの関係機関との連携を一層深め、児童相談所の機能強化を図っていきたい」と話した。
〔◆平成28(2016)年7月15日 茨城新聞 朝刊〕