カテゴリ:久留米市(福岡県)
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久留米市
高校生長女虐待事件(久留米市)=
[追う]虐待 異変見抜けず SOSなし「緊急性高くない」 久留米の事件
福岡県久留米市の虐待事件では、自宅のベッドに縛って長女の顔を殴ったり嘔吐(おうと)物を食べさせたりしたとして、母親と内縁の夫が逮捕、起訴された。
長女が通っていた高校や児童相談所、警察などは異変を察知しながら、有効な手だてを講じられなかった。
周囲の目が届きにくい家庭内で起きた事件は、対応の難しさを浮き彫りにした。
□5回の逮捕
県警久留米署は昨年9月、自動車板金塗装業の江上孝被告(46)と長女の母親(46)を逮捕監禁致傷などの容疑で逮捕した。
近所の人が長女(17)の虐待に気付き、保護したのがきっかけだった。
長女は食事も満足に与えられず、やせ細っていた。
ペンチで舌を挟んで引っ張った上で火のついたたばこを舌に押しつけたり、多数の金魚の死骸を食べるよう強要したりしたとして、2人の逮捕は各5回に及び、起訴は江上被告が5回、母親は3回に上った。
江上被告は「身に覚えがない」などと容疑を否認。
母親も当初は否認したが、「しつけの一環だった」「2人でやった」と一部を認めた。
捜査関係者は「江上被告に嫌われたくなくて虐待に加わったようだ」と話す。
福岡地裁久留米支部で開かれている公判では、被害者の特定を避けるため、母親の姓の秘匿決定がなされ、姓を伏せる形で審理が進んでいる。
検察の冒頭陳述などによると、母親は2013年1月に前夫と離婚し、同年夏頃から中学の同級生だった江上被告と同居を開始。
江上被告が3人の子供を虐待するようになり、長女を除く子供たちは親族宅に避難した。
検察はこの頃から「母親も加わり、長女への虐待が激しさを増した。長時間正座させて説教し、江上被告が殴るのが日常的に行われ、逆らえない心理状態だった」と指摘した。
□面談応じず
久留米署に親族から虐待の疑いに関する相談が寄せられたのは14年10月。
同署は県久留米児童相談所に通告し、高校生だった長女に話を聞いたが、虐待を認めず、事件化には至らなかったという。
児相は「緊急性は高くない」と判断し、長女に接触しなかった。
高校は昨春、休みがちになった長女と母親にスクールカウンセラーらとの面談を勧めたが、2人は応じなかったという。
児相は「本人からSOSがないと対応は難しい」と高校に伝え、この時も長女に接触しなかった。
長女は昨年6月に自主退学した。
□残された課題
「自分が悪いから、叱られても仕方ない」。
昨年9月に保護された長女は、虐待を打ち明けなかった理由をこう語ったという。
久留米児相の赤塚晋一郎所長は「地域と情報を共有するなど、もう少し細やかな対応ができていたら防げたかもしれない。当時は、仮に虐待があったとしても、高校生なら自分で逃げられると考えた。その判断が甘かった」と悔やむ。
教育委員会の担当者は「SOSを発しない子供にどう踏み込むかは難しい問題だ」と漏らした。
児相での勤務経験がある西南学院大の安部計彦(かずひこ)教授(児童福祉学)は「子供は加害者である親をかばおうと、虐待を隠すことが多い。無理強いせず『いつでも聞くよ』という姿勢を見せ、根気強く関わる必要がある」と指摘している。
〔2016年3月29日・貧困ネット、平成28(2016)年3月19日 読売新聞 西部朝刊〕
安武こども食堂
福岡県/子どもに明日を=子ども食堂サミットで意見交換 「地域協力欠かせず」 「フードバンク必要」 久留米で運営者ら/筑後
久留米市で20日に開かれたシンポジウム「子ども食堂サミットinちくご」。
食堂主催者以外にも、市内外から関心を持つ人たちが多数参加し、子ども食堂の運営方法や今後の課題などについて、活発に意見を交わした。
同市安武校区で「安武こども食堂」を運営する緒方麻美さん(47)は、老人会や自治会、PTAなど地域ぐるみで取り組んでいることを写真を使い説明。
「校区には高齢者対象の食堂や障害者福祉施設があり、地域で支え合う土壌があった」と食堂の開設に地域の協力があったと強調した。
また、訪れる子どもの中には食に対する意識が低い子も多いと指摘。
食事前に献立の説明をしたり、果物をデザートに加えたりするなど、食事を楽しむ工夫をしていると話した。
子どもたちによる料理教室の計画も紹介した。
子どもの貧困問題に取り組むボランティアグループ「ボナペティ」(同市)の田町菜穂子事務局長(51)は、昨年11月に始めた家庭などから食品を集めて必要としている子どもたちに届ける「フードドライブ」の活動を発表。
「余っている食品を集めるのではなく、子どもたちに安心して食べさせられるものを届けたい」と話した。
会場からは、食材の保存場所の確保を求める声も。
「受け皿になるような倉庫などが必要。筑後地域全体のフードバンクが必要」「行政が支援するべきではないか」などの意見が出された。
主催の市民団体代表、下東信三弁護士は「小学校区ごとに子ども食堂ができるのが理想。これからも取り組みを続けていきたい」と話した。
〔2016年3月28日・貧困ネット、平成28(2016)年3月21日 西日本新聞 朝刊〕
久留米の母子殺害事件
◆久留米の母子殺害:市が経緯説明 子の所在不明、12年6月把握 /福岡
久留米市に約11年前に住んでいた、母子とみられる2遺体が佐賀県伊万里市で見つかった事件で、久留米市は29日、市議会の教育民生常任委員会で経緯などについて説明した。
事件が発覚したのは23日未明。
県警が記者会見し、約11年前に久留米市に住んでいた母子の母親(当時28、29歳)を殺害したとして、伊万里市の自称アルバイトの男(47)を、22日に殺人容疑で逮捕したと発表した。
男は子供の和音(かずと)ちゃんの殺害も供述しているという。
常任委員会での説明によると、家庭子ども相談課が和音ちゃんの所在不明に気付いたのは2012年6月。
「和音ちゃんが就学年齢になっても小学校に通学していない」と市教委から連絡を受けたのがきっかけだった。
同課が調べたところ、和音ちゃんは04年9月にツベルクリン反応検査とBCG接種を受けていたが、その後の乳幼児健診はいずれも受けていなかった。
市は12年8~10月、和音ちゃんに関する情報を久留米児童相談所や久留米署と共有した。
一方、厚生労働省が14、15の両年に実施した居住実態不明児の調査では、いずれの年も不明だったのは、和音ちゃんだけだった。
〔2016年2月8日・貧困ネット、平成28(2016)年1月30日 毎日新聞 筑後版〕
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