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児童相談所・東京都
児相設置 22区前向き 児童福祉法改正 「施行後5年内」16区 =東京
◇本紙アンケート
東京23区に児童相談所(児相)の設置を認める改正児童福祉法が来年4月に施行されるのを前に、読売新聞社がアンケートを行ったところ、練馬を除く22区が独自設置に前向きなことが分かった。
4日公表された厚生労働省のまとめによると、2015年度の虐待対応件数は過去最悪の10万3260件で、うち約1割を東京都(9909件)が占めた。
区の児相設置により、虐待防止の体制強化が進みそうだ。
児相はすべての都道府県と政令市に設置されているほか、中核市も開設することができる。
都内には児相が11か所にある。
ほかにも区市町村の「子ども家庭支援センター」のほとんどでも、通報を受け、子どもの安全を確認するなど虐待対応にあたっている。
ただ危険な状況に置かれた子を一時保護する権限を持つのは児相のみで、23区は児相機能を移管するよう、都に求めてきた。
来年4月施行の改正児童福祉法では、「希望する区は政令による指定を受けて児相を設置できる」と定められた。
政府は法施行後5年をめどに、児相設置への支援を行うとしている。
アンケートでは、23区のうち16区が「改正法施行後5年以内」に児相を開設すると回答。
6区が「時期は未定だが設置」とした。
独自に児相を設置する利点として「通報を受けてからの対応が迅速になる」「初期対応、一時保護、家庭への復帰など切れ目のない一貫した相談、支援ができる」「保育所、学校、福祉事務所など区の関連部署と連携しやすくなる」などの意見が多かった。
設置に向けては、児童福祉司ら対応する職員の養成と確保が大きな課題となる。
各区では子ども家庭支援センターの職員らを児相に長期派遣しており、2016年度は16区の計20人が派遣され、現場経験を積んでいる。
アンケートには「さらに人事交流を拡大させてほしい」という声も寄せられた。
設置に向けた具体的な動きも目立つ。
中野区は児相機能を備えた総合子どもセンター(仮称)を2020年度に開設する計画だ。
課題を整理する庁内検討会を設けた区も多い。
練馬区は「設置する、しないを含めて未定」と回答。
その理由について「現在、都と23区の間では区の児相設置に関する具体的な検討がない。
設置には都との十分な情報共有と協議を行う必要があるため」とした。
◇児相開設について23区の方針
【法施行後5年以内に設置】
千代田、港、新宿、文京、台東、墨田、品川、世田谷、渋谷、中野、豊島、北、荒川、板橋、葛飾、江戸川
【時期は未定だが設置】
中央、江東、目黒、大田、杉並、足立
【未定】
練馬
〔2016年8月15日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月6日 読売新聞 東京朝刊〕
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