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カテゴリ:一宮市(愛知県)

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一宮市

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「児相、子への面接不十分」 一宮の5人無理心中 検証委が報告書
【愛知県】一宮市の集合住宅で二〇一五年五月、無理心中とみられる母子五人の遺体が見つかった事件で、県一宮児童相談センター(児童相談所)は一三年五月まで、ネグレクト(育児放棄)の疑いで、飲食店経営の母親=当時(35)=を継続的に指導していたことが分かった。
有識者による県の検証委員会が二十三日公表した検証報告書で明らかにした。
事件では、母親が知人男性に「死にたい」と電話した翌日、一宮署員が自宅を訪れ、母親のほか、高校一年の長女(15)、小学六年の次女(12)、小学五年の三女(10)、小学四年の長男(9つ)=年齢はいずれも当時=の一家全員の遺体を発見した。
五人の遺体があった部屋には、練炭を燃やした痕跡があり、司法解剖の結果、五人とも死因は一酸化炭素中毒と推定された。
検証報告書によると、センターが最初に虐待通告を受けたのが一二年五月。母親が不在がちで体調も悪く、長女が食事を作ったり家事をしたりしていた。
母親は「子どもと自殺しようかと思ったこともある」と話した。
センターは月一回の家庭訪問を続け、一三年一~二月には子ども四人を一時保護したが、「母親の状態が落ち着いた」として一三年五月に継続指導を終えた。
一四年四月に再び育児放棄の連絡を受けたが、母親は「精神状態には波がある。今は普通の状態」と説明したため、センターは継続指導の対象にはしなかった。
検証委は、一時保護を解除したり、継続指導を見送ったりしたセンターの判断について「母から状況を聞くのみだった」と情報収集不足に言及。
子ども四人からの聞き取りもなかったとして「支援の中心にあるべき子どもへの面接が不十分だった」と問題視した。
再発防止に向けた提言として、児相や関係機関による市町村の要保護児童対策地域協議会だけでは「継続的に支援するのは困難」と指摘。
各地域の民生・児童委員や通院先の医療機関、学校などと連携した支援体制づくりを求めた。
(メモ)児童虐待事件の検証
虐待の重大事案を検証する責務を国や自治体に課した2008年施行の改正児童虐待防止法を踏まえ、厚生労働省が「検証対象は、虐待による死亡事例(心中を含む)全てが望ましい」と通知。
県の検証委は大学教授や小児科医、弁護士ら6人で構成され、検証は今回の事件が3件目となる。
〔2016年4月5日・貧困ネット、平成28(2016)年3月24日 中日新聞 朝刊県内版〕 
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